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□終わりなき中国産ニセ食品問題 [朝鮮日報]
▽終わりなき中国産ニセ食品問題(1/4)
http://www.chosunonline.com/article/20070723000051
記事入力 : 2007/07/23 17:03:26
終わりなき中国産ニセ食品問題(1/4)
中国の段ボール肉まん事件は事実なのか、ねつ造なのか。今月8日に北京テレビが報じた「段ボール肉まん」事件が予想外の方向へと向かっている。最初の報道がなされてから8日後、北京の警察当局は「この事件は放送局職員によるねつ造」との結論を下した。しかしその発表もねつ造ではないのかとの疑惑が高まっている。
段ボール肉まん事件は、北京テレビが『透明度』という番組の特集として報道したことにより広く知られるようになった。北京市朝陽区ある露天商が、豚肉と段ボールの紙を細かく粉砕したものを4対6の割合で混ぜて作った「段ボール肉まん」を販売しているのを隠しカメラが追跡、報道したのだ。それから4日後の12日、中国国営のCCTVが北京テレビの内容をそのまま報道することにより、海外にもそのニュースが伝えられ世界に衝撃が走った。
もちろん中国人たちの怒りも爆発した。各紙のインターネット版には「中国食品には信じられるものがない」「中国人は頭がいいのに、なぜそれを人をだますことに使うのか」「段ボール肉まんを作った人間の良心はゴミ箱に捨てろ」などの怒りのコメントが何百件も掲載された。また「一部の中国人は利益のためなら何でもやる。彼らの目は硬貨のようだ」と怒りをあらわにした。さらに「かなり前から餃子の中に赤いティッシュが入っているという話を聞いたことがある。赤いティッシュを入れれば餃子の中の肉の色が鮮やかになるということらしい」との新たな暴露話も掲載された。
全国人民代表大会の王填代表は「食品の安全問題に対する不安は今も根絶されていない。改善のためにはニセモノや不良食品を製造・販売する人間の財産を没収し、1度の違反でも2度と食品関連の仕事をできないようにする。有害物質を添加した人間は毒物投与罪で処罰するべきだ」と主張した。
段ボール肉まんを販売していた朝陽区現地は北京の中心商業地区に近く、サラリーマンや庶民が毎朝の出勤途中に朝食を食べる場所であることから、市民の怒りはさらに高まった。問題の露天商は段ボールを水酸化ナトリウムに浸して細かく砕き、豚肉の香料と本物の豚肉を混ぜて肉まんを作っていたと中国の各紙は報じた。
客たちがこの肉まんを口にすると、たまに何か固い段ボールが歯に当たるため、「これは何だ」と問い合わせると店の主人は「肉のくん製だ。良い肉だ」と強弁していたという。ある新聞は「放送後に区が取り締まりに乗り出したが露天商はすでに現場を後にし、当局は後になって無許可の餃子店を貸し出していた建物の所有主を立件して調査している」と報じた。
池海範(チ・ヘボム)記者
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
▽終わりなき中国産ニセ食品問題(2/4)
http://www.chosunonline.com/article/20070723000052
記事入力 : 2007/07/23 17:03:48
終わりなき中国産ニセ食品問題(2/4)
ところがこのような速報まで報じられていたにもかかわらず、北京の警察当局は19日、この事件はねつ造されたものだと言い出した。警察は「区との合同調査の結果、北京テレビのある臨時職員が先月中旬、金儲けをするために上京した地方出身者4人に段ボールと肉まんの材料を買い与え、段ボール肉まんを作らせこれを撮影した後に放映したものであることが分かった」と発表した。つまり当初から段ボール肉まんそのものが存在しなかったというのだ。
警察の発表がどれほど信ぴょう性があるものかは現時点では検証する方法がない。一部では地に落ちた国のイメージを回復するために警察が「番組ねつ造」との結論へと導き出そうとしているのではないかとの声もある。とりわけ中国国内でこれまで数多くの「ニセモノ・不良食品」事件が報じられてきたことから、今回の段ボール肉まんは十分にあり得る事件との見方もある。
しかし報じられた内容が真実かどうかに関係なく、今回の事件は中国社会に大きな後遺症を残した。ここ数年に発生した不良食品事件で、中国人の自国産食品に対する不振が極度に深まっているのだ。2004年4月には安徽省でニセの粉ミルクを飲んだ赤ん坊13人が死亡するという事件が発生した。生き残った赤ん坊も、たんぱく質が一般の粉ミルクの10%に過ぎないニセの粉ミルクを飲んで深刻な栄養失調となり、身体はやせ細り頭だけが大きくなる異常な症状に見舞われた。中国当局はニセの粉ミルクを製造した24人に対し死刑判決を下した。昨年11月には卵に赤みをつけて新鮮に見せるため、生きた鴨に発がん物質の入った染料を食べさせるという事件が発覚した。さらに今年に入って輸出用の動物飼料や歯磨き粉などから人体に有害な化学物質が検出され、中国産食品と薬品に対する不振は国の内外にさらに大きく広まった。
そのため中国のマスコミは、今回の段ボール肉まん事件は表面的な現象に過ぎないと指摘している。中国の食品市場にはこれよりもはるかに大規模なニセモノ・不良食品の製造や流通網が動いているというのだ。ある新聞は「現在明らかになっているのは氷山の一角に過ぎない。全国の農村や貧困地域では食品安全の問題はこれよりもはるかに深刻だ」「そのような地域の商店にはまともな食品などなく、ほとんどが低価格のニセモノだ」と指摘している。
だとすれば中国では果たしてどれほど多くのニセモノや不良食品が流通しているのか。結論から言えばすべての食品にニセモノ・不良食品が混ざっていると言っても過言ではない。中国では不良食品のことを「添加食品」と呼ぶ。添加とは正常な原料以外に他の材料を混ぜてあるとか、ニセモノで作られているなどといった意味だ。「中國吃網」(中国の食べ物)と呼ばれるサイトで取り上げられている「添加食品」の実態は次のようなものだ。
池海範(チ・ヘボム)記者
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
▽終わりなき中国産ニセ食品問題(3/4)
http://www.chosunonline.com/article/20070723000053
記事入力 : 2007/07/23 17:04:11
終わりなき中国産ニセ食品問題(3/4)
第1に主食のコメや小麦、コメの粉、もち米の粉、サツマイモのでん粉などに不良粗悪品が多い。コメは数年前の古米にツヤをつけて高く売るケースがほとんどだ。コメの表面にツヤを出させるには工業用光沢剤やワックスで加工処理しなければならない。工業製品の製造に用いられる光沢剤は食品の製造に使うことはできず、人体に入ると消化器系や神経系に悪影響を及ぼす。ひどい場合には命を落とすこともある。
小麦粉は滑石を混ぜたものやグルテンが除去されたものが、一般の小麦粉と混ぜた状態で流通している。グルテンとは麦などの穀類に含まれる不溶性たんぱく質で、表面積を増加させパンなどをよく膨らませる性質がある。この小麦粉で麺類を作ると、細くすることができない。また小麦粉を白くするために過酸化水素などの漂白剤を使用する。この薬品は皮膚や粘膜に炎症を引き起こし、長期間摂取し続けると肝臓や脳神経に致命的な障害を引き起こす可能性がある。サツマイモのでん粉、はすの根の粉、もち米の粉などにも異物が混ざった不良食品が市場で堂々と売られている。
韓国人の主食であるコメを選ぶ際に、工業用光沢剤でツヤ出しがしてあるのかを見分けるには、熱い湯にコメを浸し、ツルツルになったり湯の表面に油が浮いたりしていないかをチェックすればよい。また包装紙に生産工場や生産日時が記載されておらず、一般のコメよりも価格が安ければ疑わしい。
第2に、コメや小麦粉などで加工されたパン、麺類、菓子などにもニセモノが氾濫している。粗悪な小麦粉を使用した麺類はもちろん、酸敗して食べることのできない麺類を細かくして正常な小麦と混ぜて作った麺類もある。さらにケーキを作る時も食用ではない色素や糖分が混ざっていたり、賞味期限が過ぎてカビの生えたケーキを粉末にし、再び菓子として焼き上げるケースもある。
第3に牛乳、粉ミルク、豆腐、卵、魚にもニセモノが多い。正常な牛乳から脂肪分を抽出し、そこから粉ミルクを作って販売する。また一般の粉ミルクに何の栄養もない粉末を混ぜた粗悪粉ミルクも製造されている。このような粉ミルクは値段が安いので貧しい農村地域でよく売れている。2004年に中国で大問題となったニセの粉ミルクがこのようなものだ。また中国では数年前にニセ卵が流通し、問題になったこともある。コメの粉や小麦粉などに色素を混ぜて作ったニセの卵は、本物のように白身と黄身でできているため、だまされやすい。不良豆腐は石灰を混ぜることにより普通の豆腐よりも固くなっている。中国の一部の地方では植物性たんぱく質で作った肉や魚料理を専門に販売するところもある。これを食べてみると本物の肉のように歯ごたえや香りもある。
中国のニセ卵(左)と本物の卵の比較。ニセ卵は割ると同時に白身と黄身が混ざってしまうが、本物はそのまま分かれている。
池海範(チ・ヘボム)記者
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
▽終わりなき中国産ニセ食品問題(4/4)
http://www.chosunonline.com/article/20070723000054
記事入力 : 2007/07/23 17:04:52
終わりなき中国産ニセ食品問題(4/4)
こうした中、ニセモノを作り出す中国人たちの腕前がいかに優れているかを示すエピソードもある。2005年末に香港では中国から輸入したニセの鮎が摘発された。硫化ゴムで作られたこのニセ鮎を見た消費者が、内臓がないのをおかしく思い当局に通報したことにより明らかになった。
中国の大都市の大型料理店に行けばフカヒレを調理してくれる。世界中で捕れるサメの数は決まっているはずなのに、数多くの中国食堂でフカヒレが登場するのはやはりニセモノのおかげだ。春雨の原料になるニセモノは本物とよく似ていて中国人もだまされやすい。フカヒレ料理は高価なためニセモノを使えば莫大な利益が得られる。
それ以外にも中國吃網によると、中国人が毎日食べる食品の中にもニセモノや不良食品が多いという。洗剤が混ざった揚げ物菓子、豆の油が混ざったごま油、粗悪塩の入った調味料、水の混ざったビールや酒、赤い色素や糖分を注射したスイカなど、すべてを書き出すこともできない。韓国で1950年代と60年代に問題になった不良食品が、現在中国に氾濫しているのがよく分かる。従って中国で食品を購入したり食べる時には常に注意が必要だ。
こうした不良食品は認可を受けていない零細商人が密かに製造し、露天商や低価格の食堂に供給される。闇の流通網が発達しているだけでなく、その流通網も常に移動しているため取り締まりも難しい。行政機関が衛生面での規制を行ってはいるものの、毎日食事の時間のたびに全国の露天商をすべて取り締まることはできない。
一部の農村や小都市では監督する行政機関が定期的に賄賂を受け取り、不良食品の製造や流通を保護しているケースもある。とりわけ大きな利益の出る酒やタバコは特定の地域で大規模に製造されているが、地方警察の保護下で全国的に流通していることも良く知られている。数年前に北京の公安がある地方都市のニセタバコ生産農家に対する取り締まりに乗り出したが、現地の警察とにらみ合いになり銃撃戦にまで発展したことがある。現地の警察はニセタバコの生産拠点が閉鎖されると、地方の税収や闇の収入源が絶たれてしまうため、強く抵抗したのだ。
今回の段ボール肉まん事件以後、ある学者は「北京市当局が露天商を食品販売業者として登録し、材料を配給して衛生面での管理を行うべきだ」と主張している。しかし中国で不良食品が直ちに根絶されるのは難しいだろう。違法・脱法であっても金さえ儲けられればそれでいいという拝金主義と、監督機関の職務怠慢、社会的監視システムの不在などの構造的問題が横たわっているからだ。中国のあるネットユーザーからは「道徳のレベルが向上するという希望はない」「北京オリンピックの最も大きな障害は不良食品」とのため息も聞かれる。
池海範(チ・ヘボム)記者
朝鮮日報/朝鮮日報JNS