★阿修羅♪ > アジア9 > 115.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□【萬物相】北で迫害を受けるキリスト教信者たち [朝鮮日報]
http://www.chosunonline.com/article/20070722000025
記事入力 : 2007/07/22 16:06:48
【萬物相】北で迫害を受けるキリスト教信者たち
1990年、北朝鮮黄海南道安岳郡のある建物の地下室に、数十人の保衛部隊の要員が突入した。現場では「地下キリスト教信者」86人が礼拝を行っていた。密告者はグループに加入したばかりの27歳の女性で、同地域の女性保衛部員を親に持つ人物だった。彼女は信者たちの自己紹介を記憶し、その内容をすべて密告した。後に、金正日(キム・ジョンイル)総書記はこの女性を保衛部の指導員の職に就け、最高の勲章である努力英雄メダルとカラーテレビを与えた。保衛部はこの事件を「黄海道事件」として記録している。
平壌市防御司令部の組織部政治将校だったシム・ジュイル中佐は1997年、知人から聖書を手に入れた。韓国の宣教師たちが中国を行き来する北朝鮮の住民にこっそり持たせたものだった。当時、金正日体制に疑念を抱いていたシム氏は聖書をもとに勉強し、信仰心の厚いキリスト教徒となり、1999年に脱北した。シム氏は現在、一山で宣教活動を行いながら、北朝鮮で話されている言葉にあわせた聖書を作成し、北朝鮮に送る活動を行っている。
元脱北者で宣教師のイ・マンボク氏は2005年、北朝鮮と中国の国境地帯にある丹東を訪問した。宣教ビラや聖書を結びつけた風船を新義州から飛ばそうとしていたイ氏は公安当局にテロ活動の容疑で一時逮捕される憂き目に遭った。風船にガスを注入するのを見た現地の農民たちが、爆発物を製造していると誤解して当局に通報したのが原因だった。イさんはそれ以前にも、韓国の江華島で同じように聖書やストッキングを入れたビニール袋を風船で北朝鮮に飛ばす活動を行ってきたという。
ところで米国と北朝鮮の間では、「北朝鮮のキリスト教徒、ソン・ジョンナム氏の助命嘆願運動」が外交問題として浮上している。ソン氏は1998年に脱北し、中国で韓国の宣教師たちに出会ったのがきっかけでキリスト教に入信した。しかし脱北者たちを対象に宣教活動を行っていた2001年、中国の公安当局に摘発され、北朝鮮に送還された。その後は咸鏡北道の政治収容所での収容生活を経て釈放され、2004年に再度脱北したが、昨年になって平壌で宣教するとして北朝鮮に戻り、逮捕された。そして「外国で反民族的な思想であるキリスト教に染まり、北朝鮮の人民にそうした思想を吹き込む民族反逆者」として死刑を宣告された。
韓国に住むソン氏の弟がこうしたいきさつを韓国や米国のキリスト教関係者らに訴えたことで、この問題が米国の政治家たちの知るところとなった。ラントス下院外交委員長をはじめ上院議員ら5人は、ソン氏の助命を要請する手紙を金正日総書記や潘基文(パン・ギムン)国連事務総長、ライス国務長官に送った。
北朝鮮は現在、韓国のキリスト教団体から30億ウォン(約4億円)近い資金の提供を受け、平壌に宣教用の鳳岫(ポンス)教会を建設している。ところがこうした表向きの活動とは裏腹に、北朝鮮は約10万人と推定される「地下キリスト教信者」の摘発に躍起になっている。そんな北朝鮮政権に、果たしてソン氏の助命を願う声は届くのだろうか。
シン・ヒョソプ論説委員
朝鮮日報/朝鮮日報JNS