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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu148.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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アメリカがアジアから撤退した時、結局は台湾と韓国は日本に頼らざる
を得ない。どちらの国民も中国に支配されたいとは思わないからだ。
2007年7月22日 日曜日
◆強くなった日本とアイデンティティーを持てない台湾の未来 日下公人
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/p/11/
◆アメリカと中国だけを気にする台湾の学者たち
先日、台湾へ行って、李登輝元総統と対談した。彼とはもう十何年以上の付き合いだが、冒頭、いきなり「日本は強くなったね、だけど台湾は弱くなってね」といわれた。
2004年に日本と台湾の学者会議があり、そのとき最後に僕は、台湾の学者たちに向かってこんなことをいった。
「あなたたちが前提としている日本はもうありません。日本は生まれ変わりました。これから姿を現す日本は、男性的な日本です。四カ国関係を議論するときに、あなたたちの議論は、中国はどう出る、アメリカはどう出るという話だけやたら詳しくやっている。台湾という軸がない。日本というのも漂流している日本だ。この2つの議論を、あなたたちは全然やらない。アメリカと中国だけ。こんなバカな会議があるか。それは古い。来年から日本はちゃんと軸になりますから、日本を含めたこういう会議をしなければいけません」
それが、だいぶ具体化してきたようだ。安部晋三さんが官房長官になったので、これから彼はだんだんとこの問題に触れていくはずだ。でも、そうした状況とは関係なく、李登輝さんは「日本は強くなりましたね」といきなり行ったのだから、本当に賢い人だなと僕は思った。
弱い国のリーダーほど賢くなるものだ。情報にも敏感になるし、分析もするようになる。日本のエリートたちがみんなバカなのは、日本が強いからだ。後追いの施策でも間に合うからなのだ。
◆“アイデンティティー”に悩み続ける台湾の元総統
その対談で、李登輝さんの話は「Who am I ──自分は何者であるかということを、自分は13歳の頃から悩み続けてきたのだ」ということにまで広がった。アイデンティティーは何か。これは彼がいつも話すことで、彼は自分個人のことでいっているが、実は、多くの台湾人にはアイデンティティーがないのだ。台湾人は悩んでいる。自分は中国人なのか、それとも日本人なのか。台湾の土着の民だとすると、高砂族になってしまう。それも違う……。
「歴史に学ぼうとすれば、変な歴史ばかり出てくる」という悩み。李登輝さんは「それを少年のときから自分1人で悩んだんだよ」といった。彼はそのことに悩みに悩んで、例えば日本の禅宗にも帰依したし、あるいは哲学者の西田幾太郎に傾倒したり、カントやヘーゲル、近くはハンチントンにも傾倒した。さらにはアメリカでキリスト教徒になってみたり、洗礼を受けたりもしたという。
李登輝さんが「Who am I」の哲学的な話を始めると、1時間、止まらなかった。僕は1時間、黙って聞くわけだ。まるで旧制高校の学生のように。「Who am I」のようなことは、僕らは学生時代にすぐ卒業してしまうのだが、李登輝さんは一生続けているわけだ。僕は、なんという不幸せな人だろう、と思った。
でもそれで1時間以上経ってしまったから、ともかく対談の中身になるようなことを話しましょう、といった。すると彼は「ああ、やりましょう」といって、20分ほどでダーッとすべて話してしまった。立派に新聞の見出しになるような日台関係、台湾の現状、これからの将来のことなどを、一気に話してしまったのだ。本当に、たいした人だと感心した。
◆昔の日本なら中国に取られる前に取る
その対談のあとで僕は、台湾の要人で日本語がわかる人たちの前で話すことになった。そこに来た要人たちの気持ちはだいたいが「陳水扁(現総統)はだらしない」というもの。でも今は権力者だから、あからさまにはいえないという雰囲気が漂っていた。
そんな中、日本のある会社の現地の社長が立ち上がっていった。「台湾はいったいどこに行く気なんだ。陳水扁政権は何をやっているのだ。民進党の人は、あんなのクビにしちまえ。民進党の党首を追い出すぐらい簡単じゃないか」。
そういう意味のことを、もっと上品にぼかしていった。すると拍手が起こった。ああ、みんなそう思っているのかなと、僕もわかった。国家主席と民進党の党首とは分けて考えろ、というわけだ。こういうことについて台湾人は厳密だ。
そして「日下さんはどう思いますか。日本はどうするのですか」とすがりつくような質問が出た。僕は「はい、昔の日本であれば、台湾が中国に取られる前に、自分で取ります」といった。本音をずばり一言でいえば、こんなものだ。
そうすると、みんな困ってしまった。僕にしてみれば、それで困るようなら本音をいえなんて偉そうに聞くな、といいたいわけだ。その中の1人が「昔の日本なら、ですよね」というから「はい、はい」と答えたけれども、来年、再来年の日本は違うかもしれない。まだ2、3年では変わらないけれども。
事と次第によっては、事態はもう、だんだんそういう流れで動いている。航空自衛隊の主力は三沢から那覇にどんどん移転しているのだから。米軍再編成で海兵隊に移ってもらって、そのあとで日本が海上自衛隊に海兵隊を創設して、那覇に置くことになるだろう。それを那覇ではなく、すぐ目の前にある下地島におけばいいのだ、ということだ。
◆沖縄に海兵隊を置いて台北へ遊びに行け
それは、実は李登輝さんとの対談で出てきた話なのだ。台北のすぐ目の前に石垣島があって、その側に下地島という無人島のような島がある。そこには、滑走路だけはすごく立派なものがある。だから、そこに航空自衛隊を置く。そのあとで米軍に「再編成で海兵隊の行き場所がないのなら、下地島はいかがですか」と提案すれば、米軍は「娯楽のないところに若い男は派遣できない」という。そのほうが日本は助かる。若い男がいっぱい来たら困る、というような話が、米軍再編成の問題の1つにあったのだから。
僕は、それなら日本が海兵隊をつくって下地島に置いて、そして遊びは台北に行けばいいのだ、と思った。淡水の町に土日に遊びに行けばいい。こういうことから話はだんだん進んでいくんだと、李登輝さんに話した。すると李登輝さんは大喜びして、「いやいや、淡水の町があるんですよ。その前に立派な砂浜があるんです。あそこは上陸演習をするのにぴったりですから、貸してあげます」と言ってくれた(笑)。
僕は驚いて「それは他国に軍事基地を貸すという問題だ。これはものすごく大変な問題なので、そんなことを言われたって、日本はお借りできませんよ。観光、遊びに行くんですよ」と答えた。つまり、その貸し借りの延長線上には、日本の台湾占領がありますよ、といったわけだ。台湾には土地がいっぱいあって、観光旅行で土日に遊びに行くことがあって、軍事顧問団を出すことがあって、それから……。
(私のコメント)
日本の隣国である台湾と韓国はきわめて国際情勢で不安定な国ですが、中国の軍事大国化でますます脅威にさらされてきている。それに対してアメリカと日本が後ろ盾となって台湾と韓国を支えてきたのですが、そのバランスが崩れようとしている。アメリカは中東情勢にはきわめて積極的なのに対して、北朝鮮に対する宥和政策などで消極的になっている。
長期的に見ればアメリカ軍は韓国から撤退して行くだろう。その為にアメリカは北朝鮮と平和条約まで結んで国交を回復するかもしれない。韓国に米軍が駐留していたのも朝鮮戦争で休戦状態だったからだ。これが北朝鮮と平和条約が結ばれれば米軍が韓国に駐留する大義名分がなくなる。
台湾に対してもアメリカは政府と議会ではバラバラであり、議会は台湾関係法で米台関係を定めたのに対して、クリントン政権は中国と三つのNOを約束している。「三つのNO」とは、「二つの中国はNO」「台湾の独立はNO」「台湾が国家として国際機関に入るのはNO」と言う内容ですが、このようにアメリカの東アジア政策はきわめて流動的だ。
このようにアメリカの曖昧外交は戦略的に意図的にしているのか、アメリカ内部の意見が割れているからなのか分かりません。アメリカの対中国外交は歴史から見ても大きく揺れている。だから台湾にしても韓国にしてもアメリカを頼りにしていてもどうなるのか分からない。
◆日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略 / 深田 匠
http://jpn.yamato.omiki.com/documents/two_america/4-1.html
同一九九五年、台湾の李登輝総統のワシントン訪問の査証発行をクリントンは拒否した。日本の外務省じゃないが中共に対して遠慮したのだ。これに対して共和党のギングリッチ下院議長を始め共和党議員の多くが「台湾関係法の趣旨に反する」とクリントンを激しく非難し追求したために、結局クリントンは拒否を撤回して渋々ながら査証を出している。クリントン政権は下院では少数であり、議会は共和党が制していたため、クリントンは逆らえなかったのである。また一九九六年に中共が台湾海峡へミサイルを発射した時にも、当初クリントンはいかなる軍事的アクションを起こすことも拒否した。しかし共和党が空母急派を強く要求し、共和党のC・コックス下院議員が中心となって民主党の一部を説得し、超党派でクリントンを強く責め立てた。下院で多数派であった共和党は「空母を派遣しないならば、下院で大統領の問責決議を行う」と主張し、中共に媚びたいクリントンも淡々ながら空母派遣を命じたのである。共和党と民主党のスタンスをよく知らない台湾人の場合、クリントンに感謝している人もいるようだが、それは大間違いということだ。民主党に台湾防衛の意思は希薄なのだ。
民主党の反日史観と対中迎合に対して日本側の自虐史観と対中従属、そして軍事的・政治的に「弱い日本」の永続化といった政治理念が、民主党と日本の親中左派は一致しており、それは中共の基本戦略でもある。民主党勢力による「管理下」に日本を置き、中共の望む「日本封じ込め」が継続され、あげくには米国債棒引きを狙った経済クラッシュ(IMF管理)を仕掛けられていることを知ってか知らずか、日本の親中左派政治家にその歪んだ信条をもたらせているメンタリティは自虐史観である。つまり米民主党─中共及び台湾外省人─日本の親中左派、これらは同軸であるということだ。
(私のコメント)
極東地域はアメリカにとっても太平洋の対岸だから防衛上や経済上からも戦略的に重要な地域であり、だからペリー来航があって日本を開国させたのですが、戦略的に見て日本をアジアの番犬として使っていこうとしていたのだろう。その辺の事はヘレン・ミアーズの「アメリカの鏡日本」という本に書いてある。
それに対して中国も、日本を攻略するにはアメリカを取り込めばいいと分かっている。アメリカから見れば日本が経済大国化したり軍事大国化すれば中国を使って日本を押さえようと考えるだろう。バランスオブパワー戦略なのかも知れないが、アメリカが急に態度を変えて来る事は日本の権力中枢も心得ておくべきなのですが、アメリカの言う事を聞いておけさえすれば日米関係は大丈夫とする戦略は間違いだ。
韓国などもアメリカの支援なしには成り立たない国ですが、アメリカは戦略的に韓国から撤退しようとしている。台湾に関しても民主党が主導権をとれば三つのNOで中国による台湾併合を認めるだろう。ブッシュ政権でも国務省が主導権を持てば北朝鮮と国交を結んで韓国は存在価値がなくなり見捨てられる。
クリントン政権では本気で日本を潰しにかかり、日本国内でもそれに協力する人たちが日本を弱体化してしまった。アメリカに逆らう事はできなかったからだ。しかし21世紀に入って20世紀のような超軍事大国アメリカを続けることは出来るだろうか? 中国が軍事大国化して日本が弱体化したままでは日本までもが中国に取り込まれるかもしれない。クリントン外交は果たしてアメリカにとって正しかったのだろうか?
アメリカ国内では従軍慰安婦決議に見られるように再び日本叩きが復活しようとしている。民主党政権が出来て日本を弱体化させようとする前兆なのかもしれない。そうなれば中国は何の手を下さずに韓国や台湾を手に入れるだろう。そうならないためには日本を強化してバランスを取る事なのですが、従軍慰安婦決議の流れを見る限りそのような流れはない。
私がアメリカ人ならバランスオブパワー外交をとるが、米民主党は日本を恒久的に弱体化させて日本を「管理下に置く」戦略だ。しかしそれは20世紀のアメリカならそれは可能だが、イラクで手負いの獅子となったアメリカにそれは可能だろうか? それよりかはバランスオブパワーで中国が軍事大国化したら日本を強化して対抗させた方が安くつく。
そうなれば韓国や台湾は日本に頼らざるを得なくなるだろう。韓国や台湾では単独では中国に対抗できない。好むと好まざるとに関わらず日本がこの二カ国を支援しなければ中国の勢力下に入ることになるだろう。2008年のアメリカの大統領選挙で民主党が政権をとれば台湾や韓国にとって致命傷となるかもしれない。日本の親米ポチ保守はそのような事情が分かっていないから、従軍慰安婦決議に対してもおとなしくしていればいいと暢気に構えているのだ。