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□【コラム】「iPhone」に見る台湾企業の実力 [朝鮮日報]
▽【コラム】「iPhone」に見る台湾企業の実力(上)
http://www.chosunonline.com/article/20070711000074
記事入力 : 2007/07/11 17:07:51
【コラム】「iPhone」に見る台湾企業の実力(上)
米アップルコンピュータが型破りなデザインで発売した新型携帯電話端末「iPhone」がブームを呼びそうな気配だ。販売初日には未明から店頭に並ぶ人が出るなど、米国の消費者の反応は上々だった。iPhoneの発売開始から3日間の販売量は、携帯電話業界で過去最大のヒット商品といわれたモトローラの「レーザーフォン」の発売後1カ月の販売量に匹敵するという。
一部の愛好家は、1台50万−60万ウォン(6万6900−8万300円)もするiPhoneを購入するや否や分解し、その写真や動画をインターネット上に掲載した。「アイカルティス」(iPhoneに熱狂する人々の文化)という新語も生まれた。こうしてMP3プレーヤーの「iPod」でアップルを危機から救った同社のスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)による「神話」が続いている。
iPhoneやiPodの中をのぞくと、ホンハイ(鴻海精密工業)、クオンタ(広達電脳)、インベンテック(英業達)といった見慣れない名前が目に付く。これらは自社ブランドを持たず、受託生産を専門で手掛ける典型的な台湾企業だ。iPhoneやiPodはこれら企業の中国工場で生産されている。
OEM(相手先ブランドによる生産)方式だが、彼らをただ報酬を受け取るだけの中小下請け業者だと考えてはならない。品質や工程管理が優れているのみならず、世界最高のコスト競争力を誇るのが台湾企業だ。CEOのジョブス自身が野心作を任せるだけの実力を備えているわけだ。ソニーのプレイステーション、ヒューレットパッカード、デルコンピュータのノート型パソコンなど多くの世界的ヒット商品も台湾企業の手を経ている。
キム・ギチョン論説委員
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
▽【コラム】「iPhone」に見る台湾企業の実力(下)
http://www.chosunonline.com/article/20070711000075
記事入力 : 2007/07/11 17:08:17
【コラム】「iPhone」に見る台湾企業の実力(下)
こうした台湾企業が最近、製品生産で蓄積したノウハウを基にデザイン、設計、研究開発部門で急速に力を付けている。昨年の売上高が24兆ウォン(3兆2100億円)に達したホンハイのような大企業も生まれた。ホンハイは2000年以降、売上高の年平均伸び率が45%を超えている。わずか6年間で企業規模を10倍に拡大し、世界の情報技術(IT)業界で最も注目を浴びている企業の1つだ。
サムスン電子が2004年から毎年3月に台湾で「モバイル・ソリューション・フォーラム」を開き、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、デジタルカメラなどの電子機器に搭載する半導体新製品をお披露目しているのも台湾企業の底力と関係がある。サムスン電子が発売した半導体新製品を最初に購入し、市場をつくり出すのも台湾企業だからだ。そういう意味で、台湾企業は単純な下請け業者ではなく、世界的ブランド企業の生産パートナーと呼んだほうが適切だ。
最近、米ビジネスウィーク誌が選んだ世界のIT企業100社に台湾企業はアジア最多の14社が選ばれた。韓国企業ではハイニックス半導体が唯一入っただけだ。また、米マサチューセッツ工科大(MIT)産業成果センターの研究陣がグローバル経済時代の企業生き残り戦略を分析した「競争の技術」という本でも同様だ。半導体の受託生産大手であるTSMC(台湾積体電路製造)、ノート型パソコンメーカーのコンパル(仁宝電脳)、アスーステック(華碩電脳)、独シーメンスの携帯電話事業を買収したベンキュー(佳達電通)、製靴業から電子メーカーに参入した宝成集団など台湾企業約20社の事例を紹介しているのに対し、韓国企業で取り上げられたのはサムスン電子だけだ。
経済誌フォーチュンが選んだ企業500社ランキングに入った企業数は、韓国が12社に対し台湾は3社に過ぎない。しかし、ビジネスウィークとMITは技術力がある中堅・中小企業で構成される台湾経済の底の厚さに注目し、潜在力を高く評価した格好だ。自社ブランドを持つ大企業を何社も育てた韓国経済が成長の限界に直面しているのは、台湾と対照的に中堅・中小企業の土台が弱いためでもある。だからこそ今、「台湾モデル」に注目しなければならない理由がここにある。
キム・ギチョン論説委員
朝鮮日報/朝鮮日報JNS