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http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070709k0000e030071000c.html から転載。
北朝鮮:核燃料が枯渇、協議受け入れの背景か…IAEA筋
【ウィーン会川晴之】北朝鮮が黒鉛減速炉に使用する核燃料を、すでに使い尽くした可能性が高いことが8日わかった。6月下旬に北朝鮮の寧辺(ニョンビョン)核施設を訪問した国際原子力機関(IAEA)筋が「未使用の核燃料の在庫はない」と明らかにした。現在運転中の5000キロワット黒鉛減速炉で使用中の核燃料が最後の核燃料とみられる。寧辺の核施設は老朽化が進んでおり、北朝鮮が今年2月に6カ国協議合意を受け入れたのは、核施設の能力低下も背景にあった可能性が強まった。
別のIAEA関係筋は「5000キロワット黒鉛減速炉を今後も運転し続けるには、核燃料を新たに作る必要がある」と、北朝鮮が使用に耐えうる核燃料を現在、保有していないことを明らかにした。
黒鉛炉に使用する核燃料は、寧辺の核燃料加工施設で製造している。同施設は設計上、黒鉛炉2基分に当たる年間100トンの核燃料を製造できる能力を持つとされる。しかし、94年の米朝枠組み合意で停止・封印されてからは腐食が進み、核燃料を製造できない状態にある。北朝鮮は同施設内に新たな設備の設置を進めているが、試運転段階にとどまっている。
06年11月に現地を訪問した米ロスアラモス研究所のヘッカー元所長に対し、北朝鮮当局者は「現在、黒鉛炉で使用している核燃料は、94年以前に製造されたもの」と説明。さらに同当局者は、新たな核燃料を製造できないことを理由に「現在、黒鉛炉に取り付けている核燃料を抜き取るのは07年後半か08年」と話すなど、核燃料の在庫がない状況を示唆していた。
北朝鮮はIAEA査察官を追放した直後の03年初頭と、05年6月にそれぞれ8000本、計1万6000本の核燃料棒を黒鉛炉に取り付けている。現在、使用中の核燃料が最後の在庫だった可能性が強い。ただ北朝鮮が、核燃料を隠し持っている可能性も残るため、IAEAは今後、北朝鮮が提出する資料などを慎重に分析して実態解明を進める方針だ。
毎日新聞 2007年7月9日 15時00分