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□【コラム】「肉体国家」中国、「頭脳国家」韓国 [朝鮮日報]
▽【コラム】「肉体国家」中国、「頭脳国家」韓国(上)
http://www.chosunonline.com/article/20070707000031
記事入力 : 2007/07/07 16:57:39
【コラム】「肉体国家」中国、「頭脳国家」韓国(上)
果てしなく続く中国広東省の工業団地を取材するうち、記者の頭の中に「肉体国家」という言葉が浮かんできた。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のリチャード・ローズクランス教授(政治学)が提唱した興味深い分類法によると、世の中には「肉体国家」と「頭脳国家」の2種類の国家が存在するという。前者が肉体(労働力)で糧を得る製造業の国なら、後者は研究開発・デザイン・マーケティングといった知的財産に根ざした国家を指す。労働力を使って製品を作り出す製造業が隆盛する中国は、今や肉体国家の代表例となった。世界史をひもといてみても、今の中国のように地球規模で製造業の基盤を掌握した国はなかった。そうした意味では史上最強という言葉もあながちうそではない。
記者はホンダ自動車の広州工場を訪ねてみた。ここで生産される車は決して安物の小型車などではない。同工場では、日本のものと変わらない高品質なアコード、オデッセイといったホンダの主力モデルを製造している。半信半疑の取材陣の質問を最後まで聞かず、現地法人の付守杰副社長は「世界各国にあるホンダの工場のなかでも、この工場の生産性はトップレベルだ」と答えた。同工場と日本国内の工場との間には6カ月のギャップしかない。ホンダの本社が新モデルを発表すると、ちょうど6カ月後には広州工場でも同じモデルを生産し始める。最新型のホンダ車が次々と生産されていく現場で、韓国の製造業の生き残り策に頭を悩ませてみたが、どうにも答えは出てきそうになかった。
一方中国は、先進国の製品を模倣する「偽物大国」との悪評に悩まされている。それを理由に中国の工場は下請工場の水準だと思いこんでいたとしたら、それは大きな間違いだ。サムスンの中国現地工場のユ・ヒョソン社長は「中国工場の生産性は韓国の工場を上回っている」と話す。そして「中国に安い労働力だけを求める時代は終わった。われわれの目標は先進性と高付加価値を実現することだ。サムスンの中国工場が韓国のサムスン工場を打ち負かすこともあっていいのではないか」と語った。工場の一角には「逆水行舟」というスローガンがはられていた。船が水の流れに逆らって進むように、逆転の発想を大切にしようという意味らしい。「量」で圧倒してきた中国の製造業が「質」さえも身につけ始めたとしたら、これほど恐ろしいことはない。
朴正薫(パク・ジョンフン)記者(経済部)
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
▽【コラム】「肉体国家」中国、「頭脳国家」韓国(下)
http://www.chosunonline.com/article/20070707000032
記事入力 : 2007/07/07 16:58:32
【コラム】「肉体国家」中国、「頭脳国家」韓国(下)
今回の取材で、シンガポールのリー・クアンユー元首相が昨年語った「時限爆弾」のような警告を思い出した。リー元首相は昨年の訪韓時に「韓国が今していることは20年後にはすべて中国もやることになる」と語った。一般製造業における体力勝負で韓国に勝ち目がないなら、種目を変えて挑戦する必要がある。そのためにはどうすればよいのだろうか。取材中、松山湖科学技術団地を訪れた際に、その答えが見つかったような気がした。
この団地に名を連ねる企業の中に、見覚えのある会社を見つけた。それはMP3プレーヤー「アイリバー」で知られるレインコムの生産拠点だった。レインコムの全製品は100%中国工場で製造される。「体(生産機能)」はすべて中国に移転し、韓国では商品の企画・開発・デザインといった「頭」だけを残したわけだ。レインコムの楊桴(ヤン・ドクジュン)社長にアイリバーを成功させた秘訣(ひけつ)を尋ねたところ、「製造業という概念を捨てたから」という答えが返ってきた。
「レインコムは文化企業です。モノを売るのではなく文化的な価値、つまりデザインとブランドを通じて新しいライフスタイルを提案する企業です。逆説的な話ですが、製造業が生き残るためには、まず製造業の枠から脱しなくてはなりません」
文化で利益をあげるというレインコムの「頭脳戦略」に、韓国の製造業が生き残るためのヒントが隠されている。それは世界的に知的財産の重要性が増す中、中国の上の空間を確保する戦略だ。「筋肉」ではなく、知識・技術・企画といった頭脳勝負で常に中国をリードすれば韓国も生き残ることができる。逆に真っ向勝負で中国と組み合っていたところで、勝算はない。勝つための唯一の方法は付加価値を基準にした高い位置に陣取り、そこから中国を活用することだ。韓国が「頭」となり、中国という「体」を駆使するのだ。
朴正薫(パク・ジョンフン)記者(経済部)
朝鮮日報/朝鮮日報JNS