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□【コラム】ニセモノが氾濫する中国 [朝鮮日報]
http://www.chosunonline.com/article/20070701000012
記事入力 : 2007/07/01 11:07:04
【コラム】ニセモノが氾濫する中国
米紙ニューヨーク・タイムズは数日前、「命を狙うニセモノ」と題した記事を掲載した。中国が米国に輸出したドッグフードから、工業用の化学薬品が検出されたことに対する怒りを綴った記事だった。同紙はまた、中国の安徽省で多くの子どもたちが偽物の牛乳を飲んで死亡する事件も発生したと報じた。
中国における偽物の氾濫(はんらん)は今に始まったものではない。フランスの文明評論家ギ・ソルマン氏(パリ大元教授)は、1年間にわたって中国各地を旅行し、そこで見てきたものを昨年、『中国というウソ』という本にまとめた。その中で彼は「中国の経済成長そのものが嘘であり、世界は中国共産党が見せている肯定的な側面ばかりを見ている」と綴った。
ニューヨーク・タイムズやソルマン氏の主張を聞くまでもなく、中国という隣人を持つ、ある意味不幸な位置にある韓国は、今や中国の偽物にも免疫ができてきているように思える。発がん性物質が含まれている色素で、魅力的といえるほど赤く染めた偽の唐辛子粉、コールタールで染めた黒ゴマ、何を原料にしているかも分からず、誤って服用すれば死亡する可能性もあるという(勃起促進剤の)偽バイアグラに偽シアリス、一目見ただけでは本物と区別がつかない偽のロレックス腕時計、本物以上の飛距離を誇る偽ゴルフクラブ、本物同様に肌触りが柔らかい偽のカルバン・クラインの下着…。これらの値段は、本物の100分の1から10分の1に過ぎない。だが驚いてはいけない。これらの偽物は今や、すっかり知れ渡った「古い偽物」だ。中国で最近話題になっている偽物の種類は、われわれの想像を超えたものにまで及んでいる。偽のロト(数字選択式宝くじ)や偽のパッケージツアーまであるが、これすらもまだ序の口だ。最近は偽の自動車部品、偽の輸血用血液など、人命を直接標的にした新手の偽物まで登場しているのだ。
中国では最近、どこからどこまでが偽物なのか区別がつかなくなってしまっている。北京の中心部には、偽物を専門に扱う「秀水」という5階建てのビルがある。このビルは、世界中から訪れた観光客が必ず立ち寄る名所になっているほどだ。これではまるで、偽物が中国で最も有名なブランドになったといっても過言ではないだろう。このビルで働く店員たちは、「われわれが売っている偽物は、品質が優れた“偽の本物”だよ」とささやいた。
偽物に関する中国外務省報道官のコメントには失笑を禁じ得ない。ある報道官は数日前、米国がたびたび問題にしてきた知的財産権の問題、言い換えれば中国産の偽物の問題に関してこう言い放った。「米国は知的財産権、知的財産権とうるさいが、それを言うなら中国の4大発明品である紙、火薬、羅針盤、印刷技術を使っている世界中の国々は特許使用料を払ってしかるべきだ」と。
中国で事業を展開する韓国企業の関係者たちの話によると、中国の人々が偽物を作る理由はこうだ。貧困の拡大再生産を繰り返してきた社会主義システムの下に暮らす中国人たちは、生きていくために倫理感覚を自らマヒさせてきた。金を稼ぐためならば何をしても構わないという人間に変質してきたのだ。そうした状況下で、この30年の間実施されてきた改革・開放政策はまた、貧富の差を極度に拡大させ、拝金主義がはびこる国になってしまった。
だが、「ニセモノの洪水」の中に暮らす中国人たちも、食べ物だけは偽物を食べたがらないというのは実にアイロニカルなことだ。考えてみれば、偽物が幅を利かせる中国にあって、最近は韓国産のお菓子やジュースなどが非常に人気だ。値段は多少高くても飛ぶように売れ、「韓国産の食べ物は信用できる」というイメージが中国の消費者たちの間に広がっている。中国人よりも数段上といえる、韓国の良心や倫理といった道徳的な部分が、今や経済的な価値になっているというわけだ。
朴勝俊(パク・スンジュン)北京支局長
朝鮮日報/朝鮮日報JNS