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□キルギスタン政府、中国人スパイ逮捕を公表 [大紀元]
http://jp.epochtimes.com/jp/2007/06/html/d42293.html
キルギスタン政府、中国人スパイ逮捕を公表
【大紀元日本6月29日】キルギスタンの安全情報機関はこのほど、スパイ容疑で1人の中国人を逮捕した。同時に、ギルギス議会職員も逮捕された。逮捕された中国人は、駐キルギスタンの米軍基地の情報や、キルギスタン政権反対派の情報を収集していた疑いがあるという。専門家やメディア関係者は、近く開催される上海協力機構(Shanghai Co-operation Organisation、略称SCO)サミットを前に、中国当局がキルギスタンに巨額な援助を提供していることから、このような情勢において、キルギスタンが中国人スパイ容疑者を逮捕したことを公表するのは非常に不可解だとしている。
米国VOAの報道によると、キルギスタン国家安全委員会は数日前に、外国諜報機構の国内でのスパイ活動を阻止したと発表した。
6月19日、キルギスタン議会の女性職員が、外国スパイに機密情報を渡す際に、同国の安全情機関に中国人スパイ容疑者とともに現行犯逮捕された。 この容疑者は駐キルギスタンの米軍基地や、政府反対派、キルギスタンの憲法改正などの分野の情報を収集しようとしていたという。
逮捕された女性職員の名前はアレコワ、議会の報道センターに在職し、議会会議のラジオ放送の担当責任者であるという。キルギスタン国家安全委員会がメディアに明らかにした情報によると、キルギスタン議会はこの前に、キルギスタンのマナス空軍基地を米国に貸与する契約改正について審議していたが、アレコワ容疑者は、審議内容を中国当局のスパイに渡そうとしていたという。
また、キルギスタン安全情報機構は、「アレコワ容疑者は数年前から、外国の諜報機関に従事していた。彼女が情報を提供する目的は金目当てである。監禁中の同容疑者は司法機関の取調べに積極的に協力している」と明らかにした。
キルギスタン検察当局は、反逆罪と機密情報漏洩罪の2つの罪でアレコワ容疑者を起訴した。罪状が成立すれば、20年以上の有期懲役が科せられる。
同時に逮捕された中国当局のスパイ容疑者について、キルギスタンのメディアは、「中国当局との関係を考慮するために、キルギスタン政府は同容疑者をすぐにでも釈放する、あるいはすでに釈放した可能性がある」とみている。キルギスタン議会のイサベコフ副議長は、「キルギスタンはいま中国と敵対関係ではない、そのため、このスパイスキャンダルを拡大させるべきではない」と発言したという。
キルギスタンはSCOの加盟国の中で、最も貧困な国である。中国当局はいま、キルギスタンに巨額な経済援助を提供している。また、8月中旬には、キルギスタンの首都ビシュケクで上海協力機構サミットが開催される予定。最近では、ビシュケクで上海協力機構国防相会議が開かれたばかり。
このような背景において、キルギスタンが中国当局のスパイの逮捕情報を公開したことに、専門家やメディアは意外感を示した。
2年前に開かれたSCOサミットでは、米国のウズベキスタンでの軍事基地について、疑問が呈された。その直後に、米国はウズベキスタンでの軍事基地を閉鎖した。そのため、ロシアの専門家は、「今回のSCOサミットの開催を前に、中国当局が米国のキルギスタンでの軍事基地に興味を感じるのは、意外なことではない」とみている。
911テロ事件以降、アフガンでの反テロ戦争のために、米国は中央アジアのウズベキスタンとキルギスタンで2つの軍事基地を設立した。ロシア政府寄りのロシア政治研究者マルコフ氏は、「中央アジアの米国軍事基地の任務は、中国とロシアをけん制するためである」と認識し、「これらの軍事基地は、アフガンでの反テロ戦争のために設けられたのではなく、中国および中ロ協力、あるいはSOCに対応するためである」と話した。
マルコフ氏は、米国の駐ウズベキスタンの軍事基地が撤廃されてから、キルギスタンの米国軍事基地は、アメリカが中央アジアに設けた唯一の軍事拠点になったと述べた。
編集者注:
上海協力機構(Shanghai Co-operation Organisation、略称SCO)は、中国・ロシア・カザフスタン・キルギスタン・タジキスタン・ウズベキスタンの6か国による多国間協力組織。2001年6月15日、上海にて設立。
(07/06/29 01:14)