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□「失われた韓国の古代史をオンライン・ゲームで取り戻す」 [朝鮮日報]
http://www.chosunonline.com/article/20070622000044
記事入力 : 2007/06/22 12:04:35
「失われた韓国の古代史をオンライン・ゲームで取り戻す」
ゲーム・ストーリーを手がけるアクション小説家、夜雪緑さん
「北欧の神話に支配されている世界のオンライン・ゲーム市場に、東洋の神話的な想像力溢れるファンタジー・ゲームを紹介する」
アクション小説家の夜雪緑(本名:チェ・ジェボン)さん(47)はソウル市瑞草洞のオフィスで、壁一面を覆う中国大陸の地図を指しながら、「失われた韓国の古代史をオンライン・ゲームで取り戻す」と力強く語った。『桓檀古記』をはじめ古代の歴史書を読破したという彼が、3年かけて書き上げたシナリオをもとに、ゲーム開発会社イェダン・オンラインが現在製作しているオンライン・ゲーム「覇」は、来年4月に発売される予定だ。総製作費100億ウォン(約13億3000万円)をかけ、韓国・中国・日本のゲーム市場を狙った大作だ。特に、中国のゲーマー向けには別バージョンを作り、巨大市場の攻略を目指す。
夜雪緑さんは世界的な「ストーリー争奪戦」時代にふさわしい全方位的なストーリー・テラーだ。延世大学応用統計学科を中退した彼は、1982年に出版したアクション小説で一躍人気作家となった。それだけでなく漫画の原作からドラマや映画の脚本、ゲームのシナリオまで幅広く手がけた。有名なところでは人気漫画家イ・セヒョン氏のヒット作『ハルマゲドン』『南伐』の原作や、SBSが来年放送予定の全100話の大作ドラマ『檀君』の脚本などがある。「僕が書いたアクション小説や漫画はおそらく2億冊以上売れている」と話す。また明成皇后(閔妃)と青年武士の純愛を描いた彼の長編小説『花火のように蝶のように』は映画化されることになり、現在、キム・ヨンギュン監督がメガホンを取り撮影が行われている。もちろんこの脚本を書いたのは彼だ。
彼は「ここが太行山脈」と言いながら中国の地図を指し、「この山脈の東に東夷族の先祖“夷族”がいた。西には中国・漢民族の先祖“夏族”、そしてその下には後に日本に渡る苗族がいた。紀元前2700年を舞台に、これら3つの民族による古代東アジアの歴史をゲームで表現する」と説明した。中国の神話『山海経』に登場する奇々怪々な動植物をモチーフにしたキャラクターが地図上に散りばめられ、「1センチ=100里」と決めてさまざまな地形や物が配置されている。
アクション小説、ドラマや映画の脚本、ゲーム・ストーリーの原作など、あらゆるジャンルに挑戦してきた夜雪緑さんだが、ジャンルごとに違いがあるという。「アクション小説と漫画の原作はじっくりと取り組めるが、ドラマはせわしない。オンライン・ゲームはさまざまな要素をあちこちに仕込んでおくが、映画の脚本は約90分に全要素を凝縮しなければならないため、書くのに苦労する」とのこと。
そして「03年以降、韓国ではレンタル本屋が全国で1000店を切るほどに減った。このためアクション小説家や漫画原作者たちはこぞってインターネットに活動の場を移している。文化コンテンツ開発の見地から、こうした人材をオンライン・ゲーム作家に育成するための支援策が必要だ」と強調した。
パク・へヒョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報JNS