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□性的暴行被害者に残忍な韓国社会の対応 [朝鮮日報]
▽性的暴行被害者に残忍な韓国社会の対応(上)
http://www.chosunonline.com/article/20070618000044
記事入力 : 2007/06/18 12:14:38
性的暴行被害者に残忍な韓国社会の対応(上)
密陽女子中学生集団暴行事件:被害者は家出、加害者には処罰なし
2004年12月、慶尚南道密陽市の男子高校生ら40人に性的暴行を受けた、当時中学生だったパク・スジンさん(仮名)=女性=が、学校と社会からの冷遇の末に家出していたことが分かった。一方、加害者の学生たちは特別な刑事処罰を受けることもなく、ほとんどが普通の生活を送っている。
MBCテレビは16日放送の番組でこの集団暴行事件後の被害者の苦痛を取材、加害者は普通の生活を送っているのに対し、被害者は身を隠して生活せざるを得ない現実を報じた。
番組内容によると、スジンさんは捜査過程から加害者の学生たちの両親や捜査当局により多くの苦しみを味わったという。事件の発端は2003年6月、スジンさんの妹が電話番号を間違ってある高校生と電話で話をしたことから始まった。
その後スジンさんは妹と共に密陽へ遊びに行った際、地元の高校生たちから旅館で集団による性的暴行を受けた。
その後も加害者の学生たちはスジンさんの家に執拗に電話をかけ、「お前の親父に全部話してやる」と脅迫し、密陽まで呼び出した。「学校があるから蜜陽には行けない」と拒否すると、直接家にまで電話をかけてきたという。こうして性暴行は1年以上続き、加害者の学生たちの数も徐々に増え、鉄パイプで暴行を加えたり服を脱がせて携帯電話で撮影するなどの行為に発展した。
スジンさんは結局、警察による取調べ直後の2005年1月、母親と共に逃げるようにソウルへと引っ越したという。
スジンさんは当時、激しい不安や恐怖などで精神科の治療を受けていた。
治療を担当した延世大学のシン・ウィジン教授はインタビューで、「当初、スジンさんは何度も自殺を試みた。外でも地下鉄に飛び込むまね事までするなど、自殺することばかり考えていたという。生きていて何の意味があるのか、そればかり考えていたようだ」と語った。
スジンさんは事件後も加害者の親から執拗な合意要求を受けていたという。
2005年3月に精神科で治療を受けていた時、加害者の両親とスジンさんの父親が共に病院に訪れ、「合意書が必要だ」として合意を勧めた。結局、病院を出たい一心だったスジンさんは合意書にサインした。
番組によるとスジンさんは当時、「合意する考えはなかったが、おばや父に合意しなさいと言われた。加害者は憎かったが貧しさから逃れたくて合意した。加害者を許したはずなのに後からあざ笑われたようで、開いた口がふさがらなかった。加害者の親も急に態度が変わった。時間を戻せるなら合意なんか絶対にしない」と述べたという。
スジンさんの母親は「加害者の親が毎日、朝も夜も合意書にサインしろとやって来た。周囲も書いてやれというのでつらくて書いてしまったとスジンが言っていた」と証言した。
シン教授は「スジンさんは“世の中に利用された”“保護してくれなかった”と社会に対する怒りをあらわにしていた。退院する時も、スジンさんの父親はアルコール中毒がひどかったが、保護者の親権があるため、いくら保護が必要だと言っても退院を止めることはできなかった」と説明した。
スジンさんの父親は賠償金として5000万ウォン(約665万円)を受け取り、そのうちの1500万ウォン(約199万円)で蔚山に小さな家を借り、残りの金は合意を勧めた親戚たちと分け合ったという。スジンさんの母親は「その賠償金を自分たちで山分けした」と証言した。
チョソン・ドットコム/朝鮮日報JNS
▽性的暴行被害者に残忍な韓国社会の対応(下)
http://www.chosunonline.com/article/20070618000045
記事入力 : 2007/06/18 12:15:09
性的暴行被害者に残忍な韓国社会の対応(下)
密陽女子中学生集団暴行事件:被害者は家出、加害者には処罰なし
その後、スジンさんはソウルで受け入れてくれる学校がなく、1カ月ほど学校に通えなかった。
捜査と治療により、元の学校で学期当初に欠席が多かったため、転校を要請してもいつも門前払いだった。
ある学校関係者は「問題があった生徒は受け入れないことにしている。深刻な病気にかかっているとか、社会的に問題を起こしたケースがあるとためらう」と語っていた、と番組は報じた。
結局、スジンさんは弁護士の力を借りてソウルのある公立高校に転校できたものの、そこでもまたとんでもない事件に遭遇することになった。転校して1カ月足らずで、ある加害者の母親が学校を訪れ、「息子の少年院での処罰を減刑するために嘆願書を書いてほしい」とトイレにまで執拗に付きまとったのだ。
こうして転校先でも性暴行の被害者という事実を知られてしまったスジンさんは、その衝撃で休学し、電話番号を変えて再び引越した。
また、ひどいうつ病も再発し、嘔吐するまで食べる摂食障害の症状も出た。結局スジンさんは先月、誰にも言わずに家出してしまったと母親が明かした。
一方番組によると、加害者の学生たちは1人も刑事処罰を受けていないという。
蔚山地検は少年ら20人を処罰の対象とし、その内10人を少年部に送致して事実上前科が残らないようにした。検察が正式に起訴した10人も、釜山地方家庭裁判所少年部に送致された。
結局5人が少年院の保護処分を受けただけで、残りの学生たちは全員自宅に戻ったというわけだ。
加害者たちは現在3つの高校に在学中だが、学内で処罰を受けたのはそのうち1校の7人で、3日間の校内奉仕活動にとどまった。
こうした実態について番組のスタッフは「性的暴行の加害者たちは何の変わりもなく普段の社会生活を送り、被害を受けた女性だけがまた別の被害を受けるケースが多い。韓国は性犯罪を犯しても堂々と生きていける国であり、密陽での女子中学生に対する性暴行事件の結末をみると、性犯罪者の天国という言葉を実感する」と感想を語った。
チョソン・ドットコム/朝鮮日報JNS