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“脱北者1万人受け入れ, 途方に暮れてどうするのか?”
[キム・イルジュ離脱住民後援会長インタビュー] "故郷の後輩助ける心情"
金松娥記者
[2007-06-04 14:00 ]
▲ キム・イルジュ、北韓離脱住民後援会長 c。連合ニュース
北朝鮮から脱出した後、韓国に来た脱北者たちは、ハナ院を出た瞬間から漠然とした不安を抱える。政府から住宅と定着支援金を受けるが、実際は手ぶらと言っても過言ではない。タイムマシンに乗って30年を越えて来たようなものだ。
北韓離脱住民後援会は、脱北者の韓国での定着を総括する団体だ。時には政府の代わりをして、時には政府の手が届かない所まで手を伸ばす。後援会のキム・イルジュ会長は、‘北から下って来た人の面倒を見る所’と説明する。
後援会は脱北者への職業斡旋や医療費、教育費の支援をはじめ、脱北者支援が必要な所であれば、時と場所を選ばない。キム会長は、親がいないまま結婚する脱北者夫婦の結婚式で、花嫁の手をとって一緒に入場する‘父親役’も果たす。
キム会長はおととし、団体の会長になる前から、10年以上脱北者をひっそりと助けてきた。
キム会長の故郷は咸鏡南道のタンチョンだ。朝鮮戦争当時、家族を残したまま、たった一人で南に下った。今回、多忙な日々を送っておられる会長がデイリーNKのインタビューに応じてくれた。
キム会長は後援会長に就任した背景について、"北から故郷の後輩たちが来るのに、助けてあげなければいけないという気がした”と語った。素朴だが肉親の暖かい情が感じられる一言だ。
後援会は1997年に創設された。10年間活動を続け、今や脱北者の数は1万人を超えた。キム会長は“数十人だったのが数百人を超えて、すでに1万800人を突破した”と述べ、“彼らの役割は大きい”と語った。
会長はまず、脱北者たちが北朝鮮に残っている家族にお金を送ることが‘大きな役割’と強調した。“北朝鮮の住民に、南側は豊かで、脱北者も助けているということを知らせることができるから”と説明した。
また、“北朝鮮民主化委員会(委員長黄長ヨプ)、北朝鮮民主化運動本部(代表パク・サンハク)、自由北朝鮮放送(代表キム・ソンミン)など、脱北者団体の役目も重要だ”と言い、“この人たちが北朝鮮の変化のために多くの仕事をしなければならない"と語った。
更に、“脱北者は(北朝鮮の体制の変化後)、北朝鮮に入って行って教授にもなって要職につく人々”と言い、その重要性を再度強調した。
会長はまた、国内の民間レベルの脱北者支援事業の困難をこのように説明した。
“去年500の大企業に支援を要請したが、何の消息もなかった。また、100の大企業にも連絡したが返事がなかった”と言い、“全斗換、盧泰愚、金泳三、金大中前大統領にも助けてほしいと言って訴えたが、何の連絡もなかった”
また、“ドイツが統一される前、東ドイツを離脱した人の数は50万人に達した”と述べ、“私たちは今、1万人なのに途方に暮れていてどうすればよいのか…”と惜しさを吐露した。
一方、キム会長は脱北者が急激に増加したことに対して、“北朝鮮体制が搖れている”と説明した。
“政治の最大終着駅は国民が幸せに暮らせるようにすることだが、生活が大変だから(韓国に) 来る”と述べ、“このような中世の専制君主国家は、あそこ(北朝鮮)だけ”と言った。
“歴史は嘘をつかない。歴史の流れには逆うことができない”と言い、“(歴史の中で)独裁者たちは最後には悲惨に倒れた。あの人(金正日)もその一人になるだろう”と力を込めて語った。
[次はインタビューの全文]
-北韓離脱住民後援会は具体的にどのような仕事をするのか?
脱北者はハナ院を出る時から後援会の会員になる。脱北者が定着するために職業を斡旋したり、彼らのジレンマを聞いたりする。お金がなくて病気を治療することができない脱北者を助けたり、政府から支援をもらうことができない大学院生に奨学金も与える。いわば(北から)下って来た人々の面倒を見る機関だ。政府の手が届かないことを私たちがする。
-脱北者の後援活動をするようになったきっかけは?
私は失郷民だ。17歳の時に一人で南に来た。北から故郷の後輩たちが来るのに助けてあげなければという気がした。10年前から彼らを助けてきた。後援会会長には一昨年11月に就任したが、とてもやりがいを感じている。
-後援会が10年活動する間、脱北者が急増した。
わずか数十人だったのが、数百人になり、今は1万800人を超えたはずだ。北朝鮮の体制が搖れているようだ。北朝鮮の住民は生活が困難だから韓国に来る。政治の最大終着駅は、国民が幸せに暮らせるようにすることだ。苦労なく食べて着て、寝ることができるならば、どうして逃げて来るのか。このような中世の専制君主国家はあそこ(北朝鮮)だけだ。
-政府の脱北者政策をどう評価するか?
政府の政策は比較的よくできていると思う。住宅と定着金もくれて、この程度するところがどこにあるだろうか。
脱北者も数字に比べて韓国社会によく適応していると思う。専制君主国家で暮らして、民主主義に適応することはたやすいことではないだろう。韓国人は全く問題がないというのだろうか。話すこともできず、口と耳を塞いで統制社会で暮らし、このように適応して暮らせるのはよい方だと言える。
-民間レベルの脱北者支援はどうか?
その部分に不満が多い。去年、500の大企業に脱北者の定着支援事業に協力してほしいと言って要請した。だが、連絡をしてきた企業が1ヶ所もなかった。また、100の大企業に協助公文書を送ったが、やはり何の消息もなかった。全斗換、盧泰愚、金泳三、金大中前大統領にも脱北者定着支援事業を助けてほしいと言って要請したが、すべて何の連絡もない。
ドイツが統一する前、東ドイツを離脱した人の数は50万人に達した。私たちは今、やっと脱北者1万人を超えたが、途方に暮れたらどうするのか。韓国社会がもっと多くの関心を傾けなければならない。
-ドイツのケースのように、北朝鮮の急変事態の時に、北の住民たちの大量脱北に対処しなければならないという声もあるが?
その時は民間団体ではだめで、全国民が乗り出さなければならない。政府も乗り出さなければならない。軍隊の施設なども必要かもしれない。
北朝鮮に急変事態がおこった時、韓国への大量な脱北と韓国への入国を阻まなければならないという見解に同意する。38度線を阻む代わりに、北朝鮮に多くの企業が入って行って投資して、所得を高めてあげなければならない。
今、北朝鮮は国有化されているが、北朝鮮が崩れたら不動産縁故権を認めずに投資するという人に投資するようにしなければならない。北朝鮮の主要な土地を売却して投資するようにすれば、北朝鮮の再建費用として活用することができる。北朝鮮の所得が3千ドルを超えれば、北朝鮮の住民に韓国に来なさいと言っても来ないだろう。
-北朝鮮の未来をどのように見通しているか?
歴史の流れに逆うことはできないだろう。独裁者数人のため、(歴史の流れが)一時的に逆行した。しかし、すべてのものは道理に従って進むようになっていて、北朝鮮ももう限界がきた。全世界で社会主義が崩れなかったか。寒い日に暖かい家もなく、雨が降る日にきれいな家もない。
歴史は嘘をつかない。(歴史を振り返ると)独裁者は最後には悲惨に崩れた。あの人(金正日)もその一人だ。永遠に長生不死することはできない。
http://www.dailynk.com/japanese/read.php?cataId=nk01400&num=704