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□東北工程:アジアの大部分が中国の領土? [朝鮮日報]
▽東北工程:アジアの大部分が中国の領土?(上)
http://www.chosunonline.com/article/20070610000024
記事入力 : 2007/06/10 17:19:55
東北工程:アジアの大部分が中国の領土?(上)
中国の歴史歪曲(わいきょく)は、当初から韓国の古代史全体の歪曲を念頭に置いていたことが明らかになってきている。
これまでわれわれに「高句麗史歪曲」として知られてきた「東北工程」(中国による東北部の歴史見直しプロジェクト)。この東北工程を主管する中国社会科学院辺疆(へんきょう)史地研究センターが、百済や新羅までをも「中国史の一部」と記述した事実(本紙4日付報道)が確認された。今回の中国の新たな主張は、中国による歴史歪曲が古朝鮮・扶余・高句麗・渤海など、現在の中国領土に存在した国家の範囲を超えたという点だけでなく、韓国史全体を中国史の一部と強弁することができる論理という点で大きな懸念を呼んでいる。
◆中国の新主張「百済・新羅を羈縻(きび)支配」
今回の中国の新たな主張に対し、韓国の学者たちは当惑を隠せない様子だ。北東アジア歴史財団第2研究室の潘炳律(パン・ビョンリュル)室長は「これまで中国が、百済・新羅を(中国の)地方政権と言及したことはないと把握している」と語った。また、中国が百済と新羅について、「羈縻政策による統治(周辺民族の国王・酋長を地方官に任命、その領土を中国の行政区域に組み入れ、間接統治する方式)を行った」という主張にも困惑した反応を示した。
高麗大の金沢敏(キム・テクミン)教授は「羈縻とは、そもそも面懸(おもがい)と手綱を意味する言葉で、非常に中国中心主義的な用語だ。これまでにも百済の滅亡後、唐が熊津都督府を一時期設置したことを指して羈縻支配を行ったと解釈するケースはあるが、それ以前の百済を羈縻支配したというのは話にもならない」と反論した。
また新羅についても、梨花女子大のシン・ヒョンシク名誉教授は「これまでの中国は新羅を隣接する独立国家と考えており、羈縻支配を行ったという主張は初めて聞く。朝貢・冊封関係を中央と地方政権の関係というふうに無理に解釈すれば、アジアの大部分が中国の領土という論理になる」と指摘した。
兪碩在(ユ・ソクジェ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
▽東北工程:アジアの大部分が中国の領土?(下)
http://www.chosunonline.com/article/20070610000025
記事入力 : 2007/06/10 17:20:32
東北工程:アジアの大部分が中国の領土?(下)
◆東北工程は国境問題研究者の作品
百済や新羅までをも「中国史の一部」とする主張が盛り込まれた『古代中国高句麗歴史叢論』(黒竜江教育出版社刊)は、辺疆史地研究センターが本格的に東北工程を開始する直前の2002年2月に出版された本だ。1983年、国境問題を研究するために設立された辺疆史地研究センターは、96年に高句麗問題を「重点項目」として採択、その後に行った調査の結果に基づきこの本を刊行した。この研究に参加した馬大正、楊保隆、李大龍などの学者たちは、もともと国境問題の専門家で、この本が出版される前まで高句麗関連の論文を書いたことはほとんどなかった。
西京大の徐吉洙(ソ・ギルス)教授は「学術的な目的ではなく政治的目的から東北工程は始められたが、この本は東北工程の“結論”をあらかじめ下した研究の指針書として、今後中国側の研究活動の根拠になり得る」と評した。実際に、この本には「高句麗は中華民族から枝分かれした中国の地方政権であり、古朝鮮も同様に中国の辺境政権だった」という東北工程の基本論理がすべて盛り込まれている。
◆「東北工程は依然として現在進行形」
5カ年計画で進められた「東北工程」は、公式には今年1月に一旦終了したことになっている。東北工程に参加した研究者たちが今月末までに論文を執筆し終われば、7月の全体会議を経て研究成果をまとめることになっている。しかし、最終報告書を公開しない方針が決定された一方で、各機関別の研究は今後も自主的に進められる。そして、東北工程で中心的な役割を果たした研究者たちは、吉林省社会科学院が発行する『東北史地』の筆者として席を移し、依然として古代史の歪曲を続けている。そのため、「(東北工程の終了で)もう歴史歪曲はしないのではないか」という見方は、幻想に過ぎないというのが韓国内の専門家らの見解だ。
また、又石大の趙法種(チョ・ボプジョン)教授は「『古代中国高句麗歴史叢論』の執筆者の1人である李大龍が、東北工程で“漢・唐藩属体制の研究”を担当したという事実に注目すべき」と話した。これは、歴史をさらに大幅に歪曲する研究結果が間もなく出現する可能性が高いという指摘だ。
兪碩在(ユ・ソクジェ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報JNS