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□【緯度経度】「韓国への歪曲・中傷」なのか [産経新聞]
http://www.sankei.co.jp/kokusai/korea/070602/kra070602000.htm
【緯度経度】「韓国への歪曲・中傷」なのか
韓国政府から最近、筆者(黒田)の記事に対し「韓国と韓国国民、国家指導者」を「歪曲(わいきょく)」「中傷」しているとして、また抗議文が寄せられた(兪載雄・海外弘報院長名義)。「(貴紙の一部の記事やコラムは)両国の率直かつ未来志向的な関係にとって良いことではない」とし「強い遺憾の意と憂慮を表明」している。
そこで抗議文が問題視している4つの記事について、読者の判断をあおぐため韓国政府の具体的な批判内容を紹介してみる。
抗議文の順序にしたがってまず3月14日付、米議会での慰安婦決議案に関する韓国世論を紹介、分析した記事で、韓国メディアの大々的な報道に対し「連日のように日本非難を展開しながら“民族的快感”を楽しんでいる」と書いたことを「個人の主観的な感情が入った記事で、メディアの正道とは距離がある」と批判している。
この記事では、慰安婦問題と日本人拉致問題を関連させた朝鮮日報の記事を批判したため、朝鮮日報が「民族的快感などはない」とすでに反論の記事を掲載している。筆者としては参考にしたい。見方の違いであり、韓国政府と争う問題ではないように思う。
次に4月3日付、米韓FTA(自由貿易協定)合意に関連した分析記事。米韓FTAを高く評価し「任期1年足らずとなった政権末期の盧大統領は、未来志向的で実利的な米韓FTA締結で反米イメージを脱し、対米関係修復の道ができた」とした後、「しかし、対日関係は依然、過去に執着した観念的な日本非難ばかりで『反日情緒』からの脱出の兆しは見えない」と書いた。
ところが、これが「多くの韓国人らの健全な常識」を「感情的に行動しているように報道」した歪曲(わいきょく)だという。
正直に言って、この記事で韓国政府から抗議される意味合いが理解できない。全文をちゃんと読んでいただければ、筆者としては逆にほめられてもいい内容だと思っている。大統領ご自身のご意見を聞きたいものだ。
次に「3・1独立運動記念日」の大統領演説を紹介、解説した3月2日付の記事で「盧大統領にとっては最後の『3・1節』演説だったが、今回も反日色が濃かった。このままだと1965年の日韓国交正常化以降、歴代大統領の中では最も過去に執着した“反日大統領”ということになりそうだ」と書いたのが問題だという。
さらに結びで「盧大統領はまた、この地域での韓国の主導的役割と『われわれの力量に対する自信感』を強調したが、日本へのコンプレックス(被害者意識)ともいえる日本批判と『自信感』はどう結びつくのだろうか」と書いた「日本へのコンプレックス」がよくないという。
抗議文は「大統領が過去の歴史に対し日本の誠意ある姿勢と実践を強調」した演説内容に対するそうした批判は「読者の健全な判断を麻痺(まひ)させ、両国関係に水を差す」もので、歪曲・中傷になるというのだ。
最後に正月の1月3日付、特集記事「隣人たちが日本を見つめる目」のソウル発部分である「微妙に揺れる対日観」が「盧武鉉大統領は昨年中、20世紀の東アジア・イメージで『日本の侵略主義的傾向』をいいつのる“歴史タリョン(打令=嘆き節)”に余念がなかったが、この地域でもうそんな化石のような被害者意識は通用しない。韓国ナショナリズムは近年、全方位だ」と書いたのも、よくないという。
抗議文は、日本の中国やロシアとの領土問題を語る「日本の政治指導者に対し『歴史タリョンに余念がなかった』とか『ナショナリズム』だとか言うことができるでしょうか」という言い方で記事を批判しているが、韓国マスコミや知識人、政治家たちの領土問題にかかわる日本非難は、もっと露骨で激しい。
また日本には領土問題やナショナリズム問題で日本批判の“反日論者”はたくさんいる。
韓国政府の抗議文は「正当な批判はメディアの使命であると考えます」というから、筆者の記事は「正当な批判」ではなく「歪曲、中傷」だから許せないということのようだ。
しかし外国メディアの自国に深くかかわる問題で、この程度の分析、解説あるいは批判的論評が認められないというのは、いったいどういうことだろう。抗議文は「両国の率直かつ未来志向的な関係」を強調しているがまさに望むところである。筆者はすべてその観点から書いてきた。
それにしても不思議だ。大統領以下あれだけが“討論好き”といわれるのに、個々の記事について韓国政府から“討論”をもちかけられたことが一度もないのだ。かわりに断片的な引用による抗議文である。筆者としては引き続き紙面を通じ韓国と“討論”していくつもりだが。(ソウル 黒田勝弘)
◇
産経新聞の報道に対する韓国政府の立場
大韓民国政府は、韓国と韓国国民に関する貴社の歪曲記事が続いていることに対し、強い遺憾の意とともに憂慮を表明します。
貴紙の3月14日付の記事は、米議会の慰安婦関連決議案の動きに対する韓国メディアの報道に関して、「韓国は慰安婦問題で興奮状態にあり、民族的快感を楽しんでいる」と書いています。これは問題の本質から離れ、個人の主観的な感情が入った記事であり、メディアの正道とは距離感があると思います。
貴紙は韓日関係に関しても、「対日関係は依然、過去に執着した観念的な日本非難ばかりで、『反日感情』からの脱出の兆しは見えない」(4月3日付)とし、多くの韓国人らの健全な常識に対して、まるで感情的に行動しているように報道しています。
産経新聞はまた、日本から被害を受けた他国同様、大統領が過去の歴史に対して、日本の誠意ある姿勢と実践を強調したことに関しても「最も過去に執着した“反日大統領”」であるとか、「日本へのコンプレックス(被害者意識)」(3月2日付)によるものだと非難を加えています。
このような批判は、読者らの健全な判断を麻痺(まひ)させる内容であり、両国関係に水を差すと言わざるを得ません。
1月3日付の「隣人が日本を見つめる目」という見出しの記事でも、「盧武鉉大統領は“歴史タリョン(打令=嘆き節)”に余念がなかった、韓国のナショナリズムは全方位的だ…」と再び非難の矢を浴びせています。日本と、中国やロシアとの領土問題について語る日本の政治指導者に対して、「歴史タリョンに余念がなかった」とか「ナショナリズム」だとか言うことができるのでしょうか。
正当な批判はメディアの使命であると考えますが、韓国や韓国国民、大統領だけでなく、韓国メディアまでも意図的に中傷する貴紙の一部の記事やコラムは、両国の率直かつ未来志向的な関係にとって良いことではないという点を再度強調します。
海外弘報院長 愈戴雄(要旨)
(2007/06/02 08:02)