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□【コラム】わたしを悲しませるインターネット [朝鮮日報]
http://www.chosunonline.com/article/20070601000064
記事入力 : 2007/06/01 18:43:13
【コラム】わたしを悲しませるインターネット
最近、記者は目に見えないわいせつ物販売業者との広告戦争を繰り広げている。1カ月ほど前、チョソン・ドットコムに姿を現したこの業者は、「ポルノDVD売ります」というわいせつな宣伝広告を連日インターネット記事に掲載している。当然、この業者の広告は毎回削除し、実名IDも閉鎖した。しかし、この業者はすぐまた別の名前で新たなIDを作り、腹立たしいほどに同じ内容のわいせつな広告を載せている。大まかに見積もってみても、この業者は1カ月に4‐5人の名前を盗用し、わいせつな広告を載せていることになる。もちろん、破廉恥なわいせつ物販売業者に個人情報を盗まれた被害者たちは、こうした事実すらまったく知らないはずだ。グーグル検索を通じ数百人余りの住民登録番号や名前が露出している状況において、不本意ながら、この広告戦争の敗者は記者の方だと言わざるを得ない。
記者を挫折させたインターネット悪用事例はほかにもある。小学生たちが楽しんでいるフラッシュ動画ゲーム、Nサイトだ。Nサイトにアクセスして「推薦フラッシュゲーム」のメニュー・ボタンを押すと、「死ぬか脱がせるか」「アダムとイブ」「バストのサイズ当て」「服脱がせトーナメント」など、怪しいタイトルのゲームがずらりと並ぶ。大人が見ても忍びないようなアニメ・ゲームが簡単に小学生を刺激している。ある成人用ゲームは、すでに20万人以上のユーザーが楽しんでいるという。だが、こうした類のサービスに必須の成人認認証手続きもない。こんな呆れたサービスに怒りさえ込み上げてくる。
さらに不法コンテンツ問題も、インターネットニュースを担当している記者を挫折に追いやっている。あまりにもインターネットに不法コンテンツがはびこっているため、最近ではコンテンツの著作権者たちが問題を提起する気力さえ失ってしまっているように感じられる。例えば、韓国最大のポータルサイト、ネイバーで「朝鮮日報 社説」や「朝鮮日報 記者手帳」と入力してみよう。常識的に考えれば、当然このコンテンツを提供している朝鮮日報のウェブサイトがまずヒットしなければならない。しかし、結果はそうではない。朝鮮日報の社説やコラムを「無断で用いた」ブログやサイトが先に出てくるのだ。
いつからか韓国のインターネット業界に異常信号が点り始めた。現実世界で当然通用する常識が、サイバー上では通用しないということが日常茶飯事だ。見るに耐えないわいせつなスパムメールが子ども達のメールボックスを攻撃したり、名前・住民登録番号・携帯電話の番号など、さまざまな個人情報がインターネット上に流出しても、実効性のある制裁手段はない。
「サーバーが海外にあるのでどうしようもない」とか「インターネットの検索サービスとは元々そういうもの」といった不条理な抗弁を無感覚に受け入れているのだ。常識が崩壊してしまった代わりに、「インターネットは元々そういうものだろう。もっとひどいものだって多い」といった自嘲的な笑いだけが増えている。
韓国国内で「インターネット・ビッグバン」が起きた90年代中盤から、インターネット担当記者たちの間で流行していたジョークがある。それは「もし政府の部処(省庁)に“インターネット課”があったら、韓国のインターネットはここまで飛躍的には発展しなかったはず」というものだ。これまで10年近くの間、「規制ゼロ」の自由な環境、若いインターネット・ベンチャー企業家たちの汗と情熱、そして利用者たちの熱いインターネット利用が威力を発揮し、韓国のインターネットは急速に発展した。それなのに、やっとのことで発展したインターネットが、非常識と不条理の代名詞に転落する兆しを見せている。韓国におけるインターネットの成果が水の泡になってしまうのではないかと、心から心配でやまない。
ファン・スンヒョン記者(インターネットニュースチーム)
朝鮮日報/朝鮮日報JNS