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□【社説】韓国映画、制作費のムダ省き中身の向上目指せ [朝鮮日報]
http://www.chosunonline.com/article/20070514000000
記事入力 : 2007/05/14 06:45:26
【社説】韓国映画、制作費のムダ省き中身の向上目指せ
韓国映画製作者協会が現在平均50億ウォン(約6億5000万円)以上もかかっている映画制作費を30億ウォン(約3億9000万円)に抑えようという運動を開始した。俳優の出演や監督の演出にかかる費用や、制作会社や配給会社、投資会社のコストを抑え、ムダを省くことが目的だ。そうすることで、現在採算ラインとされている観客数200万人という基準を半分の100万人にまで引き下げることができるという。
2006年3月に71.8%だった韓国映画のシェアは1年で27.6%まで激減した。また昨年の映画界の損失額は1000億ウォン(約130億円)に達すると見られている。昨年1年間の公開映画110本のうち、なんと90本が赤字だった。これにはもちろん、韓米自由貿易協定(FTA)の前提条件として、各映画館に年間一定以上の日数を韓国映画の上映に当てるよう求めるスクリーンクオータ制の基準日数が、昨年7月に146日から73日に引き下げられたことも影響している。しかし韓国映画業界がこうした苦境に立たされることは、こうなる前から予想できたことだった。
映画業界は市場規模に見合わないほどの巨額の制作費や宣伝費を投じ、われもわれもと「一発狙い」を繰り広げては、失敗を重ねた。また数本の成功作のみがスクリーンを独占する状況が続いたことで、成功・不成功の格差も拡大した。さらに韓国映画の昨年1年間の輸出額は前の年に比べ68%も落ち込んだ。こうした状況にあってスクリーン・クオータという人為的な保護策まで縮小されたため、韓国映画界の持つ弱点がそのまま露呈したのだ。
現在映画界では、「このまま行けば、3−4年も持たない」という危機感が渦巻いている。一時は資金や人材が殺到した映画業界の中心地・ソウル忠武路にも、開店休業といった雰囲気の会社が少なくない。そのため、以前の韓国映画の好況時にいい思いをしたスター俳優たちこそ、今や出演料を引き下げて制作費のムダを省くために積極的に協力すべきだという指摘が上がっているのだ。
しかしそれだけで問題が解決するわけではない。ヒット作の二番せんじとしか思えない質の低いシナリオ、満足できる水準に達してからまだ10年もたたないのに成長が見られなくなった演出力、「いっときの成功」に気を緩めてしまった制作陣…。今後映画人たちが「韓国人の想像力」の新しい地平を切り開いていくようでなくては、韓国映画の将来は暗い。
巨額の制作費が投じられる外国映画と同じ市場で張り合おうとしたところで、勝ち目はない。一方、米国が大量生産するハリウッド映画という名の想像力に立ち向かわねばならないのは、韓国以外の国も同じだ。世界のすべての国々は同じ条件の中で競い合っているのだ。韓国映画がこの戦いを生き残れないようなら、本物の韓流ブームなど夢のまた夢でしかない。
朝鮮日報/朝鮮日報JNS