★阿修羅♪ > アジア7 > 714.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□【社説】体面を保つための多額の慶弔費はもうやめにしよう [朝鮮日報]
http://www.chosunonline.com/article/20070509000005
記事入力 : 2007/05/09 07:38:40
【社説】体面を保つための多額の慶弔費はもうやめにしよう
韓国の国民が去年一年間に支出した慶弔費は、総額7兆2700億ウォン(約9500億円)に達するという。1世帯当たり約50万8000ウォン(約6万6000円)の計算になる。しかも2005年度に比べ、11.9%増加した。所得増加率が5.1%であるのを見ても、この増え方は尋常ではない。
1998年に消費者保護院が調査したところによると、当時のご祝儀の額は平均2万9700ウォン(約3900円)、香典は同じく3万700ウォン(約4000円)だった。最近では相手にどう受けとめられるか心配で、その程度の額で済ますことはほぼ無理な状況だ。以前、退職後に田舎に戻って月51万ウォン(約6万6000円)の生活費で静かに余生を送っているという大企業の元役員の話が朝鮮日報に紹介されたことがあるが、実は毎月の出費のうちの20万ウォン(約2万6000円)が慶弔費だという話には驚かされた。
慶弔費とはもともと、誰かに慶事や弔事があったときに、隣人同士で分かち合おうという意味で行われてきた習慣だ。しかし最近ではそうした意味合いもすっかり薄れてしまった。招待状や訃報(ふほう)が、まるで税金の督促状のように感じられるという人も少なくない。どれほどの額を包めば体面が保たれるかで悩まされるようでは、祝福や哀悼の心遣いも何もあったものではない。
長官を歴任したある人物は、韓国での生活の煩わしさに耐えかねて、米国の田舎で隠居のような生活を送っている。韓国に住んでいたころは、かつての知り合いから舞い込んでくる結婚式の招待状や通夜の知らせを無視するわけにもいかず、ストレスがたまったという。
ほとんどの人が慶弔費のあり方に問題があると思っているが、だからといって口に出して主張するのは簡単なことではない。こうなれば社会の指導層が手本を見せるしかないだろう。日本の著名人の中には、自分が死んだ後に家族の間だけで密葬を行い、知人たちには1、2カ月後に手紙で知らせるよう遺言を用意して逝く人たちもいる。韓国でも結婚式や葬式を外部に知らせることなく、親しい者の間で静かに行う場合もある。周囲の人々へのこうした気遣いこそ、「ノブレス・オブリージュ(高貴な義務)」と言えるだろう。
政府や企業などの組織ごとに、地位に応じて慶弔費の額に一定の基準を設けるのも一つの方法だ。だが根本的な解決のためには、社会全体が慶弔費のあり方についての意識を変えていく必要がある。今や韓国も、結婚の知らせや訃報(ふほう)に接するたびにまず金の心配をしなければならないような、そんなあしき慣習から脱却すべき時が来た。
朝鮮日報/朝鮮日報JNS