| Tweet |
□【コラム】「ナンバー3」と「技術障壁サンドイッチ」 [朝鮮日報]
http://www.chosunonline.com/article/20070507000037
記事入力 : 2007/05/07 11:50:40
【コラム】「ナンバー3」と「技術障壁サンドイッチ」
最近、韓国のメーカー関係者らの間で「ナンバー3」や「4つのサンドイッチ」の話が話題になっている。「ナンバー3」とは1ー2位ではなく3位の悲哀を指し、「4つのサンドイッチ」とは中国と日本に挟まれた韓国の製造業が陥っている、好ましくない4つの状況のことをいう。
ある大企業の代表、Aさんの話。同社は今年に入り製品の販売台数基準で世界3位にランクインした。大喜びの雰囲気ではあるけれど、実情はそうではなさそうだ。「世界1位を目指すにはまだまだです。今の順位もいつまで持ちこたえられるのか…。世界1、2位に上がるためには技術の後押しが必要ですが、韓国国内の技術基盤はあまりにも弱いのです」
製造業において3位とは何を意味するのか。A代表は「世界が1つの市場になってしまった状況で1、2位に上がることができなければ、3位はいつでも押しやられる可能性があるという境界線」と話している。本当のことだ。韓国の製造業のうち、世界的にひときわ高くそびえ立っているのは半導体・造船業くらいだ。そのほかの業種は、何だかんだといった理由でトップから3位以下に落ち込んでしまった。一時期世界1位に立った鉄鋼も今や5位に甘んじており、さらに企業の合併及び買収（M&A）の話に心を痛め気をもんでいる。自動車産業も盛んに気勢を上げたものの、今では日本やヨーロッパ・米国の企業に次いでかろうじて3番手集団にとどまっている。同様に携帯電話も世界3位に上がってから数年経ち、足踏み状態が続いていると思ったら、今や利益率が減少傾向にあるのは明らかだ。
野村総合研究所ソウル支店長の小野尚氏は最近、「技術障壁・利益障壁・市場支配・先端産業サンドイッチ」という4つのサンドイッチ状態について言及した。このうち韓国の企業家たちの胸をチクっと刺すのが、まさに「技術障壁サンドイッチ」だ。
サムスン電子と共に韓国の電子技術の代表走者といわれるのがサムスンSDI。1970年、テレビのブラウン管技術をNECから譲り受けた後、市場を拡大し大きな利益を得た。2004年には単純利益7000億ウォン（約907億2400万円）達成という成果も上げ、数年前からは壁掛けPDP（プラズマディスプレイパネル）テレビに力を注ぎ、明るい未来を想像していた。
しかし、同社の1ー3月期の実績は営業赤字1100億ウォン（約142億5700万円）。技術職役員のBさんの話を聞くと胸が痛い。「よく、PDPテレビがLCD（液晶表示装置）テレビと競い合って負けたからだと分析されていますが、そうではありません。今でも注文は多いのです。問題は、良いPDPテレビを安く作る技術力で後れを取っているということです。松下電器が高い技術力で兆ウォン単位の純利益を上げているのを見ると、彼らのPDP技術がうらやましくてたまりません」
一方、韓国最高の技術力を持つ企業、サムスン電子はどうだろうか。やはり技術障壁サンドイッチに対する危機感は同じだ。半導体を除き、すべての分野で技術の限界に脂汗をかいている。そのうちの1つが、次世代の事業といわれるプリンター事業。世界1位のヒューレット・パッカード（HP）は昨年上半期だけで40億ドル（3兆7000億ウォン＝約4796億2800万円）の利益を上げ、2位のキャノンも純利益30億ドル（2兆8000億ウォン＝約3629億6200万円）を記録した。進むべき選り抜きの事業であることは明らかだが、行く先をふさいでいるのがまさに技術力だ。「プリンターは半導体・光学・情報技術（IT）の総集合体です。技術争いが核心なのですが、技術者・研究開発者を確保するのが大変です」。サムスン電子役員Cさんは「プリンターの売り上げ・利益は技術者の数と正比例します。われわれは人員・技術確保が難しいため追いかけるのが2倍、3倍大変なのです」と語った。メーカーの代表や技術担当役員らが訴えるもの、それがまさに「ナンバー3」「技術障壁サンドイッチ」の韓国が置かれている現実なのだ。
李光会（イ・グァンフェ）記者（産業部）
朝鮮日報／朝鮮日報JNS
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,ＭＬを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。