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□ロシア人が去り、中国人が押し寄せるロシア極東地方 [朝鮮日報]
http://news.livedoor.com/article/detail/3130236/
ロシア人が去り、中国人が押し寄せるロシア極東地方
2007年04月22日14時14分
ロシア極東地方のブラゴヴェシチェンスクにあるスーパーマーケットで働いているオルガさん(21)の夢は、「早くお金をためてモスクワへ行く」ことだ。昨年モスクワへ行った友人のナスチャさんから「ここではあなたのように英語ができる人は月に1000ドル(約11万9000円)もらえるわ」と何度も誘われているのだ。アムール国立大経済学科を卒業したオルガさんの今の月給は7200ルーブル(約3万3000円)で、ナスチャさんの月給の4分の1に過ぎない。オルガさんは「極東地方は美しいところだけど、変化がないし、生活水準も低く、若者には住みにくい」と話した。
ロシア全体の面積の36%を占める極東地方から、ロシア人たちが離れていっている。現在、この地域の人口は650万人で、ロシア全体(1億4200万人)の4.58%だ。1991年には799万5000人だったことから、この15年間の減少数は韓国の忠清北道(約150万人)に匹敵することになる。国連の人口報告書では、「ロシア極東地方の人口は2025年には470万人にまで減少する」と警告している。また、ウラジーミル・プーチン大統領も昨年12月の安全保障会議の席上で「極東地方の人口減少のような慢性的な問題が、ロシアの安全保障にとって実質的な脅威になっている」と述べた。
ロシア人が極東地方から離れていく最大の理由は、モスクワと比べて格段に低い所得だ。モスクワ市民の1人当たりの平均月給は1040ドル(約12万3000円)だが、ブラゴヴェシチェンスク市民のそれは300ドル(約3万6000円)に過ぎない。ブラゴヴェシチェンスク市内のレーニン通りで小さな雑貨店を営むビチェスラフさんは「今でもモスクワから遠く離れた“陸の孤島”のようなところだが、おそらく100年後には“無人島”になってしまうのではないか」と話す。
もちろん、ロシア政府も手をこまぬいているわけではない。2012年にアジア太平洋経済協力会議(APEC)をウラジオストクで開催することが決まり、プーチン大統領は最近、極東地方に1000億ルーブル(約4596億円)を投資することを発表した。11日にはロマン・アブラモヴィッチ氏をはじめとするロシア有数の財閥オーナーが、極東地方の開発事業に1004億ドル(約11兆9000億円)を投資すると報じられた。
だが、ロシア極東地方の問題は、中国人の増加によってさらに複雑な様相を呈している。ロシア政府は4月1日から、国内の小売市場での外国人の営業活動を全面的に禁止したが、クラスノアルメイスキー地区にある、1000坪の広さを誇る中央市場では、中国人商売人が多く目に付く。ロシア人の商売人、エカテリーナさんは「ここは立派な“市場”なのに、行政が勝手に小売市場法が適用されない“スーパーマーケット”に改称したせいだ。結局、中国人商売人はわいろを渡して違法な手段で店の数を増やし、商業権を掌握してしまった」と話している。
今月7日の午後2時、ブラゴヴェシチェンスクと中国の黒河市を隔てる川幅500メートルのアムール川の川岸に、24人乗りのホバークラフト2隻が接岸した。だが、ロシア人の乗客と中国人の乗客は、それぞれ別々の船に乗った。川を渡るわずか 5分の間でも、なるべく顔を合わせないようにするためだ。ブラゴヴェシチェンスクでは、中国語の「ニイハオ」は単なるあいさつではない。一部のロシア人は中国人に「ニイハオ」と声をかけた後、悪口をぶちまけた。この地に住む中国人の数は既に2万人に達している。
ブラゴヴェシチェンスク(ロシア)=権景福(クォン・ギョンボク)特派員