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□バージニア工科大学乱射事件 韓国三大紙ーー朝鮮日報・中央日報・東亜日報の社説
▽【社説】米国市民の衝撃と悲しみを分かち合おう [朝鮮日報]
http://www.chosunonline.com/article/20070419000014
記事入力 : 2007/04/19 08:56:34
【社説】米国市民の衝撃と悲しみを分かち合おう
全世界が米国バージニア工科大で発生した銃乱射事件に衝撃を受けている。今回の事件は、32人が殺害され、17人が負傷するという米国史上最悪の校内銃犯罪となった。韓国国民は、自殺した事件の容疑者が韓国系の学生であったことで、より大きな衝撃を受けた。
16 日午前、寮や講義室でいつも通りの朝を過ごしていた学生や教授たちに、突如銃口が向けられた。処刑現場のように同級生たちが次々と凶弾に倒れていく状況は、まさにこの世の地獄だったことだろう。中には学生たちを避難させようとして、ドアを押さえつけていて犠牲となった老教授もいた。このユダヤ人の老教授はかつてホロコーストを生き延びた人物だったという。生き残った人々は、引き返してきた容疑者がドアを開けようとする中、必死にドアを押さえた。容疑者はその状況で、さらにドアの外から銃撃を加えたという。
この阿鼻(あび)叫喚の中で、前途有望な20歳前後の若者たちが命を落とした。その無念さは想像に余りある。遺族たちは非業の死を遂げた子どもや兄弟のことを思い、今まさに地獄の中にいるような苦しい時間を過ごしていることだろう。犠牲者とその遺族、そして衝撃に打ちのめされた米国市民の人々に、あらためて深い哀悼の意を表したい。
この事件により、200万人に及ぶ在米韓国人や10万人の韓国人留学生らは、動転していることだろう。まさに青天のへきれきとしかいいようがない。韓国の家族たちも、不安をぬぐい去れずにいるはずだ。容疑者が韓国籍を持つ人物であることが明らかになった以上、在米韓国人や留学生らが米国人との人間関係やビジネス、学業などで困難に直面するのではないかとの心配を抱くのも無理はない。すでに一部では在米韓国人の事業に悪影響が生じる可能性や、韓国人留学生が報復的な犯罪に巻き込まれる可能性が取りざたされている。今後の韓米両国の関係にも悪影響を及ぼすのではないかと懸念する人もいる。
しかし今回の事件は、精神的に問題があったことが疑われる一個人が犯した突発的な犯罪だ。人種や国籍との関係を示唆するものは何もない。米国のメディアでも容疑者の国籍をことさらに強調するような報道は行われていない。米国国内の関心は、銃規制問題や精神障害による犯罪の危険性といった点に向いている。非常に冷静な対応だといえる。米国市民の反応も同じだ。あるバージニア工科大の学生が語った「容疑者の出身地が問題ではない。容疑者には何らかの処置が下されているべきだった」という発言には、米国市民の一般的な感覚がよく表れている。
もちろんひょっとすると、今後米国のごく一部で、韓国人を標的とした敵対的な事件が起きるかもしれない。もしそんなことがあっても、それは米国市民全体の意思とは関係のない、突発的な事件にすぎない。
現在、韓国国民が胸を痛め、米国市民に対し申し訳ない気持ちでいっぱいになっているのも、それが人としての自然な感情の動きだからだといえるだろう。傷つき苦しんでいる人々の悲しみを分かち合うことで、彼らの苦痛を少しでも癒やすことができないだろうかという思いだ。
一方、韓国人のこうした考え方や態度が、文化の違う米国で予想だにしない誤解を引き起こす可能性はないだろうかという心配も頭をもたげてくる。今回の事件は、衝撃的な出来事であると同時に、デリケートな問題をもはらんでいる。米国市民の悲しみや苦痛を分かち合おうという韓国人の真っすぐな思いが、海の向こう側に誤解なく伝わるよう、慎重な態度で臨むことを心掛けたい。
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
▽【社説】米国人の悲しみ、韓国人の哀悼 [中央日報]
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=86681&servcode=100§code=110
【社説】米国人の悲しみ、韓国人の哀悼
米国首都ワシントン近郊のバージニア州は教育環境が良く、平和で、数年間に韓国人が多く集まった所だ。まさにその地の平和な大学で、韓国同胞学生が銃を発砲した。米国の若き花30余輪が散り失せた。死亡、あるいはけがを負った米国の若者たちと、彼らの遺族と、彼らの国に我々は同盟次元を越える人類愛的哀悼を送る。
事件の本質は反社会的性格を持った孤独な移民学生が精神錯乱的蛮行を犯したものだ。対立関係にある集団ではなく、ただ精神的に問題のある弱い人間が起こしたことだ。そんなことは他のアジア人やヒスパニックまたは黒人、白人、誰でも犯す可能性はある。頭に来ても拳銃を簡単に手にすることができなければこんなことはなかったという話も的を射た話だ。事件のこのような性格は動かすことができないのだ。
しかしそんな理性と論理だけでは扱うことができない他の何かが事件の周辺にある。動機が個人的だと言っても、結果が非常に劣悪で、集団に影響を及ぼす。事件自体も深刻だがこれから生じ得る波長も心配なところだ。米国人は大部分理性的に処身するだろう。しかし通りで向かい合う韓国人の顔を見て無意識に「チョ・スンヒ」が浮かんだとしたら、同胞たちに影響はないだろうか。韓国政府と国民が哀悼の念をいとわないのは両国のこうした連関性による。
韓国は哀悼する。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は3度も哀悼の意を表しており、ブッシュ米大統領に弔文も送った。大統領選挙候補者たちも黙念をし、軍首脳部は在韓米軍司令官に慰労書簡を送った。韓国の若者たちはインターネットに慰労と哀悼の心情を傾けはじめている。すぐにも若者たちがろうそくを持って通りに集まってくるかもしれない。
悲しみの次には何が来なければならないか。韓国には雨降って地固まるという諺がある。韓国人と米国人は今回のこの悲しみの川を越えて両国同盟と親善の大地がさらに固まるきっかけにしなければならない。
両国がまずすべきことは250万の在米同胞、留学生の衝撃と不安を推し量ることだ。米国人の間で、このことが韓国人に対する敵対的行為に拡大する愚かで非理性的なことになってはいけない。多くの韓国同胞が不安と窮屈さを感じているだろう。米国政府と市民は彼らの隣人である韓国移住者、留学生たちを見守ってほしいと思う。
韓国政府と民間社会は今回のことが両国関係に傷をつけないよう細心の努力を傾けなければならないだろう。心から湧き出る哀悼を米国人に感動的に伝達することができる方法を考えてみることも必要だ。イ・テシク駐米大使は韓国教会に32日間の禁食リレーを提案した。彼は「今は我々が価値のある少数人種として受け入れられるよう心を新たに入れ替えなければならない瞬間」だと言った。韓米自由貿易協定(FTA)が締結されて同盟が格上げされ、韓国人に対する米国のビザ免除協定のための雰囲気が熟したとき今回の事件が起こった。この事件が2つの重要な課題に否定的な影響を与えないように両国政府・議会は事態をきちんと管理していかなければならない。
米国人のうずいて痛む傷をなぐさめるもっとも効果的な支援はおそらく米国に住む韓国人だろう。彼らは本当に悲しみをともにして、精神的責任を感じ、米国社会の治癒に参加する意志があることを見せなければならない。米国人とともに祈り、追慕・奨学事業を行い、再発防止案を考え、各自が住んでいる地域のボランティアなどに力を注がなければならない。
両国の政府と国民、韓国同胞たちが心と知恵を分かち合えば「残酷極まる月」に、失われた30余輪の花は両国関係発展のための大切な献花になるであろう。
2007.04.19 10:23:18
□[社説]「米国の哀痛」私たちも悲しい [東亜日報]
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2007041938018
[社説]「米国の哀痛」私たちも悲しい
APRIL 19, 2007 08:13
米国で起きた最悪の銃乱射事件で、全世界が衝撃に包まれた。ブッシュ米大統領は、バージニア工科大で開かれた追悼式に出席し、「全国が悲しみに沈んだ日」と述べた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領を含む各国指導者も深い哀悼を伝えた。
春を迎えたキャンパスで、予期せぬ事故で命を失った犠牲者たち一人一人の悲しみが私たちの胸を裂く。大切な親や子、そして兄弟姉妹を失った遺族の悲しみはいかばかりか。どんな言葉で彼らの傷ついた心を癒すことができるだろうか。
教授と学生32人を無惨にも殺害した容疑者が韓国出身大学生という点で、韓国国民と在米韓国人たちは衝撃を受けた。事件を起したチョ・スンヒ容疑者は、8歳の時に米国に移住した在米韓国人1.5世で米国永住権者だが、国籍は韓国だ。彼は、米国で小中高の教育を受け、バージニア工科大4年に在学中だった。米国民に劣らず、200万の在米韓国人と留学生たちも驚きを隠せない。
いまだ犯行の全貌は明るみになっていないが、米国社会が抱えている多くの問題が複合的に絡み合った事件と思われる。精神が健康でない学生がきちんとした治療も受けずに大学に放置されてきた点、銃器自由所持制度の問題点、キャンパスのセキュリティの盲点などに対する指摘が米国社会から出ている。彼の犯行を国籍や人種の観点で接近することは妥当ではない。良識ある多くの米国人たちも、同じ考えのようで幸いだ。
韓米自由貿易協定(FTA)交渉妥結で一段階跳躍の機を迎えた韓米関係に、同事件が悪影響を及ぼすことがあってはならない。国家レベルで米国民の多大な心的苦痛を癒すための細心の配慮が必要だ。米国は韓国戦争の時、共産主義の侵略から韓国を守るために3万6000人の軍人を犠牲にした血盟である。悲劇的だが偶発的な事件によって韓米関係にひびが入ってはならない。
01年の9・11テロと05年のハリケーンの惨事に続き、またも悲劇に見舞われた米国人たちは、弔旗を掲げ、国全体が悲しみに包まれた。私たちは、彼らと心を一つにし、悲しみを分かち合う。