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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu137.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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北朝鮮が自ら引き起こした危機で100万トンもの原油がもらえる。
「そうか、じゃ俺も」という国がこれから出てきてもおかしくない。
2007年2月14日 水曜日
◆「6か国協議」は「狐と狸の化かし合い」で終わった 6月13日 板垣英憲
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/a851e3a7ac879287465eb0ddbd522ea2
◆「6か国協議」は、北朝鮮が核放棄の道筋を示す見返りに「重油100万トン」を支援することで合意文書を採択した。初期には、「5万トン」、段階的に「95万トン」を支援するという。
江戸時代の盗賊の「隠語」(業界用語)に「急ぎ働き」というのがあるが、今回は、盗賊が、一刻も早く逃げ出そうとする被害者の足元を見て、「恐喝」に及び、まんまと法外な獲物をせしめた構図である。アメリカのヒル国務次官補は、マラソン協議にヘトヘトになっていたので、何でもよいから、ともかく合意に至ったとその場を繕うとしていた。中国は、議長国のメンツを保ちたった。
北朝鮮の代表は、金正日総書記に「お土産」を持って帰らなければ、命が危ないのでなりふり構わず、がんばったというのが、真相であろう。日本も「合意」の仲間入りをして、この場を凌いだようである。時間稼ぎである。
◆合意文書は、破られるために作成され、採択されている。要するに、みんなアリバイ工作のためのみに懸命になったと見ると、実態が明らかになる。そもそも北朝鮮が封印するのは、二ョンビョンの核施設のみであり、その他の施設は、含まれていない。この点にすでに「誤魔化し」がある。北朝鮮は、小出しにして、その都度、値を吊り上げながら、見返りをせしめる作戦なのである。しかも、二ョンビョンの核施設にしても、本当に核施設を封印したかどうかは、確かめようがない。
◆ヒル国務次官補をはじめ、中国、北朝鮮ともに「フリ」をして、世界中を騙しているのである。クソ真面目なのは、韓国だけである。「サル芝居」どころか、いずれ劣らぬ「狐と狸の化かし合い」だった。日本は、ハナから高見の見物である。
重油の支援に最も積極的なのは、韓国であるから、いっそのこと、全部の支援を韓国に「お任せ」したらよい。
◆安倍首相は13日の衆議院予算委員会で、「拉致問題が解決しない限り、重油支援はしない」と明言しているが、当然のことである。他国が何を言おうとも、この基本原則だけは、絶対に譲ってはならない。いつまでも「カネだけ」をせびられる「大馬鹿ニッポン」は、もうここいら辺で、ご免被ろうではないか。
◆2007年02月14日(水曜日) 伊藤洋一
http://www.ycaster.com/diary/index.html
つらつら考えるに、今回の6カ国協議における合意の持つもっとも大きな意味合いは、北朝鮮の命運をある意味で握っている中国が「合意の監督者」として参加したことにあると思う。アメリカと北朝鮮の二カ国合意だったら、北朝鮮は前回合意のように「わしゃ知らん」「アメリカが敵視政策をとるからだ」と言い出しかねない。しかし中国が担保者になっている今回の合意は、北朝鮮として「そんなことではなかった」となかなか言えない。
それにしても、考えればおかしな話です。北朝鮮が自ら引き起こした危機で、100万トンもの原油がもらえる。「そうか。じゃ俺も」という国がこれから出てきてもおかしくない。先日も書いたように、仮にその100万トンの原油を使い切ったら、これと言った輸出品もない北朝鮮はその後どうするのか。また危機を作り出して、「今回もちょうだい」と言うのか。
これは従来のブッシュ政権の立場とは大きく違う。不法国家に代償は与えないとするのがこれまでの同政権の立場だった。ブッシュはその自らの立場を変えた。これは世界に対する危険なシグナルです。あまり好きな人物ではないが、前の米国連大使のボルトンが次のように言っているのはよく分かる。
《 しかし、合意はジョン・ボルトンから強い批判を招きました(国連への元アメリカの大使)。この人はそれを拒絶するようにブッシュ大統領に要求しました。
彼はそれを「ジェスチャーゲーム」および「くぼんだ協定」と呼びました。
「私はこの取り引きによって非常に妨害されます」とボルトン氏がCNNに伝えました。「それは、自称のproliferatorsに間違った信号を世界中に正確に送ります: 「私たちが持ちこたえる場合、十分に長い、国務省の折衝者を結局すり減らる、報いられます。」行われる必要のあることを単に部分的に行うために、重い燃料油の大量輸送でこの場合。」
彼は、合意が寧辺に厳密に注目しすぎると付け加えました。
「それはほとんど全脅威ではありません」とボルトン氏が、北朝鮮が既に所有する核兵器のストックに関して合意が何も言わないと付け加えて言いました。 》
ニューヨーク・タイムズからの引用です。「charade」というのは、「こっけいな茶番」という意味です。彼が「the agreement focused too narrowly on Yongbyon.」と言っているのも、重要な指摘です。なぜなら、同地以外にも北朝鮮には核施設がかなりあると思われる。IAEAの査察官は、寧辺(ヨンビョン)の核施設以外の各施設についても、査察を実施すべきです。
私は今回の、どうみても不備だらけの合意が成立した背景は、今の北朝鮮の体制が崩壊することが恐怖の、中国、韓国、ロシア、それにイラクで足を取られているアメリカが「問題の先送り」に出たからだと考える。それこそが問題の本質で、これといった外貨獲得手段のない北朝鮮は、原油を何年間かで使い終えればまた騒ぐ。すでに北朝鮮は六カ国協議の他の5カ国とは合意に関して違うことを国内用に伝えている。「初期段階だけの措置で100万トンの原油を貰える」と。他の5カ国の理解は、「寧辺について必要な措置が始まった段階で5万トンの援助」というものだ。
日本がイニシャルの5万トンの原油支援に加わらないというのは賢明な立場です。世界も「そりゃそうだろう」と。この立場に文句をいいそうなのは、盧武鉉率いる韓国ぐらい。つながりでニューヨーク・タイムスの関連記事の頭を見たら次のようになっていた。
《 北京、2月13日? 北朝鮮は、アメリカ、中国、韓国およびロシアからの食物、燃料および他の援助のパッケージと交換にその主な原子炉を閉じることに今日合意しました。
取り引きが今日、北京で発表されたとともに、北朝鮮の折衝者は賞賛しました。北朝鮮が核爆弾をテストした4か月後、その突破口(それは集中協議の後に中国の政府によって発表され、「非常に重要な第一歩」としてホワイトハウスによって歓迎された)は起こります。
パートナー国家は、永久にその核施設を不能にし、国へ検査官を許可する過程を始める北部の代わりに援助のおよそ4億ドルの価値の多品種を提供することに合意しました。
(中略)
日本は、日本と北部の間のいくつかの二国間問題が解かれるまでそれが部分をとることができないと言って、北部に包括的援助策を供給することを他の4か国に協力してやることに合意していません。冷戦年にわたる北部による日本人市民の誘拐は、主な問題です。 》
最初から日本は入っていない。そりゃそうでしょう。自国の国民を誘拐・拉致され、その問題が解決しないのに当事国に援助をするなど論外です。古い話ではない。誘拐・拉致された人たちがまだ生きていると思われる、つい最近の話だ。日本が北朝鮮を援助するとしたら、この問題が解決に向かう誘因になる場合だけです。日本として重要なのは、「拉致問題が解決しなればテロ支援国家の指定を解除しない」という日米合意をアメリカが守るように働きかけることです。
日本が、今の北朝鮮の体制を維持させることに利害関係を持つ4カ国と同一歩調を取る必要性は何もない。
(私のコメント)
昨日の六カ国協議の合意はとんでもないもので、北朝鮮が原子炉を運転したり止めたりし脅かしながら重油などをせしめる事に合意したものだ。重油なら金を出せばいくらでも買えるのに北朝鮮には金がない。北朝鮮はもはや核兵器を開発するという脅ししかない。
北朝鮮がこのような脅しをかけるのも、アメリカにはもはや武力で打って出る恐れがないと足元を見ているからですが、背後では中国が北朝鮮を煽ってアメリカを揺さぶっているのだ。六カ国協議の構図としては中露北韓と日米の対立が見えるのですが、アメリカが弱気になって重油100万トンに合意してしまった。日本はもちろんこの話には乗れない。
日本政府とアメリカ政府とどのような話し合いが行なわれたのかよく分かりませんが、お互いに北朝鮮に対して経済制裁をしていたにもかかわらず、アメリカは制裁を一部解除してテロ支援国の対象からも外そうとしている。これでは94年の米朝合意と大して変わらないのですが、アメリカは再び北朝鮮に騙されるのだろうか?
91年のソ連の崩壊で北朝鮮を援助する国は中国だけとなり、中国も生かさず殺さずといった最低限度の援助しかやっていない。ロシアも中国も援助してくれないとなると北朝鮮としては西側の国から援助をもらうことを考え出した。小泉総理の2002年の訪朝も日本からの援助目当てだったのですが、拉致問題が発覚して薮蛇になってしまった。
アメリカとの関係も偽ドル問題で金融制裁を受けてしまい金正日は窮地に立たされている。米朝の二国間協議で何とか打開を目指したが北朝鮮は核しか切り札がない。中国やロシアに見放されて、日本とアメリカから経済制裁を受けて頼るのは韓国しかないが、韓国は北朝鮮が崩壊すると難民の流入や北朝鮮との統一を受け入れなければならなくなることを恐れている。
私が金正日ならば思い切ってアメリカに歩み寄ってアメリカに白旗を掲げる事で生き残りを図ることを考える。北朝鮮にもアメリカ軍基地を作る事を認めたり、国内の鉱物資源の開発や利権などをアメリカ資本に解放するなど全面的に譲歩して、アメリカの植民地になるぐらいの歩み寄りを見せたらどうだろう。
アメリカとしても中国に国境を接した所にアメリカ軍基地を建設できるのならばメリットはあるはずだ。北朝鮮の復興にはアメリカの建設会社などが請け負うが金は日本に出させればいい。実際の下請け工事は日本や韓国の企業が行なうのだから三方一両得だ。金正日自身はアメリカに亡命してディズニーランドでも楽しんでいればいい。
問題は北朝鮮を誰が統治するかですが、韓国は北朝鮮との統合は本音では望んでいない。しばらくはイラクのようにアメリカ軍が統治して独り立ちするのを待たなければなりませんが、北朝鮮はイラクとは違ってやせた土地と貧しい国民しかいない。
そこまで考えるとアメリカとしては金正日政権を存続させて問題を先送りにしたほうがいいと考えたのかもしれない。ポスト金正日といってもすぐに民主主義政権を作ることは難しい。韓国の場合は日本の統治時代にインフラなども整備されて選挙なども行なわれていたから、日米からの経済援助などもあって政治は安定したが、北朝鮮には独裁的共産主義しか知らない国民ばかりだ。
日本としては金正日政権を倒して民主的な国家になってもらうしか拉致問題を解決する見通しは立たない。しかし問題はどのようにして金正日を倒すかですが、経済的に追い込んでも独裁国家は倒す事が難しい。クーデターなどを起こさせてやればいいのですが、何度も失敗しているようだ。
今回の六カ国協議の本質は先送りであり、曖昧な合意内容は誰も守ろうとはしないだろう。むしろ重油などの援助をちらつかせながら、ぬらりくらりと六カ国会談を続けながら北朝鮮を揺さぶって、どのようにレジュームチェンジさせるか考えるべきだろう。重油の援助をちらつかせないと北朝鮮は会談に出てこないからだ。