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(回答先: ＜４．９総選挙＞届け出初日…無所属旋風が吹くのか − 中央日報、他 投稿者 児童小説 日時 2008 年 3 月 26 日 14:53:31)
アジアでまた新たなレズビアンの国会議員立候補者がうまれた。その名はチェ・ヒョンスク(崔賢淑)さん(51歳）。韓国の進歩新党（参照）から総選挙に出馬した。
デルタGはチェさんへの独占インタビューを行った。
韓国では昨年末の大統領選に続き、今年4月9日に国会議員の総選挙が行われる。セクシュアル・マイノリティを公言して国政へ立候補したのは、チェさんが韓国初である。昨年の差別禁止法案の差別案件から性的指向が除外対象とされたことに対する抗議運動の大きさや、韓国のLGBT意識調査では約80%が差別禁止法を要望していることなどから、当事者の政治参加意識の高まりがうかがわれる。
ーーレズビアンを公言して、当事者として国会議員に立候補することを決めたのはなぜですか。
チェ：社会的なマイノリティが韓国政府へオルタナティブな政策を提示できると思ったからです。当事者性をもった象徴的な立場から、既得権益を現在もたない人々の幸せを考えることができると思っています。
また、民主労働党（参照）の中では、2004年にLGBTの市民権に対する政策提言を非当事者として行ってきました。今回は当事者としての経験を生かし、当事者の声が届く政策、制度、法を作っていけると思います。カミングアウトできる人を中心にして、当事者が集まっていく場、集まりやすい場をつくっていくことになるでしょう。
ーー韓国のレズビアンについての状況を教えてください。
チェ：二重の意味を持っていますね。男権主義的な家父長制社会における女性という位置性と、異性愛中心主義社会におけるセクシュアル・マイノリティという位置性を持つという意味において、二重の差別を受けています。男性の同性愛者とも違っています。トランスジェンダーや性同一性障害の問題を含めたレズビアン問題ととらえています。
ーーカミングアウトなどできない状況にいる多くの人々に対するアプローチや、セクシュアル・マイノリティとして政治活動をひろげていることの意味について教えてください。
チェ：私たちが私たち自身の市民権を考えていけるような仲間を作っていくことが大切です。つまり、「政治勢力化」するということです。もちろん、ここには LGBTやそうでない人たちも集まってきています。党員でない人もいます。「進歩的な政治を目指すなら、マイノリティとして立候補するのは当たり前ですよね」と言う人もいたし、「自分のなかで他人への想像力を持つよう刺激してくれた」と言った人や、「はげまされた」と言って来てくれた人もいました。そして、人権団体にいてもカミングアウトができなかった人も「カミングアウトのきっかけをつくってくれた」と来てくれました。
一方、自分がレズビアン議員に立候補したことで、不安になったと訴えるレズビアンもいました。わたしの立候補が韓国メディアで騒がれることで、自分のセクシュアリティが暴かれやすくなり、ますますクローゼットに閉じこもって生きなければならなくなってしまうのではないかという恐れでした。わたしはかのじょたちの気持ちに胸が痛いぐらい共感しており、状況をとても心配しております。
これは、さきほどの質問ともかかわってくる問題ですが、わたしは、これこそ、差別であり、また韓国レズビアンの現状だと思います。もっと隠れたいようにさせる。だから、わたしは、隠れなくてもいい世の中を作りたいし、つながれない状況にいる人々をつなげていきたいと願っております。
わたしは鐘路（チョンノー）区で立候補していますが、100軒ぐらいのゲイバーがここに集中していることもあり、セクシュアル・マイノリティにとってとても象徴的な意味のある区でもあるんです。週末にはレズビアンバーやゲイバーに出かけて呼びかけ、出会い系サイトなどネット上での呼びかけをしています。話をきいてみると、わたしのことをみんな知っているようです。けれども、ここに留まらず、自分の立候補が韓国のセクシュアル・マイノリティ社会の政治勢力化とちゃんとつなげられるようにしていきたいです。
いわば、セクシュアルティ・マイノリティ政治勢力化ネットワークで人的・物的資源を作り、展望を描いていきたいです。選挙が終わったとしても、現在選挙対策事務所として使っているこの場所を、セクシュアル・マイノリティの政治勢力化のためのネットワーク活動拠点として活用したいと思っています。今回の選挙で集まってくる人や社会認識の変化を持って、積極的に具体的な戦略を考えていきます。今回、もし自分が当選しなくても、次にセクシュアル・マイノリティ側から出馬・当選できるようにさせたいです。
ーー具体的な活動、政策について教えてください。
チェ：いまは選挙に力を入れていますが、さきほど申し上げた視点もあり、まず、人材や、経済的な援助などを集められる具体的な戦略を考えています。そのため、政治資金についても、大きな献金などではなく、小さな資金集めから考えています。
政策については、1）女性とセクシュアル・マイノリティの政治、2）連帯の政治、3）治癒の政治、4）共有の政治、5）自治の政治を考えています。
李明博（イミョンバク）政権によって、経済や効率性が重視され、成長主義、経済中心主義が掲げられ社会の保守化が進んでおり、市民が１級から３級に分けられています。このような政治からは誰も傷つけられます。特に差別される側は当然深く傷ついています。差別される側からきちんと提案していくことが必要なのです。
立法については、以下の３つを提言していきます。
1. 差別禁止法案（※１）
2. GIDの性別記載変更法
3. DP法（PACSのような、老人やヘテロセクシュアルも利用できる契約法として考えています）
ーーお話を聞いて、治癒の政治ということがとても、新鮮に聞こえます。セクシュアルマイノリティにとっての治癒の政治とは何を意味しているのでしょうか。
チェ：一番、重要なことは、社会の偏見や固定観念の中でセクシュアル・マイノリティ自身のアイデンティティについてプライドを持たせることだと思います。自分のセクシュアル・アイデンティティを肯定し、社会の多様な空間に参加しながら、政治的主体として生きることです。このため、セクシュアル・マイノリティに対する相談活動の拡大、人権教育の強化、学校・軍隊・会社などでセクシュアル・マイノリティ人権ガイドラインの設け、さきほど申し上げた、3点の立法が必要だと思います。
ーーレズビアンを自覚したことから不特定多数にカミングアウトするまでのプロセスを教えてください。
チェ：わたしは成長過程において、男性とも女性とも親密な経験を持つことをしてきました。結婚生活のなかで子どもが生まれ、パートナーとの葛藤もありつつ25年間をともにすごしました。結婚生活をしているなかでひとりの女性と出会い、2004年にその女性を愛していると自分ではっきりと確認しました。2年もかかって、2006年にやっと離婚できました。1987年にはキリスト教の洗礼を受け、そのときに政治活動をしはじめ、2000年に民主労働党に入党しました。政治参加には慣れていたという事情もあります。セクシュアル・マイノリティ問題を政治に結びつけられたのは必然だったといえます。
ーー日本でできることはなんですか？
チェ：日本で活躍する当事者の地方議員や尾辻かな子さんの動きはとても刺激的で、はげまされました。賛同するメッセージや支持する後援金をいただけるとありがたいです。
【催賢淑（チェ・ヒョンスク）候補 プロフィール】
-1957 生まれ
-1987~2000 カトリック正義具現全国連合
-2000~2005 民主労働中央党女性委員長
-2006~2007 民主労働党性的少数者委員会委員長
-2008 民主労働党脱党,(仮)進歩新党連帯会の発起人
（参照）「進歩新党」「民主労働党」
2000 年創党。韓国のナショナルセンター民主労総を中心とした政党。2004年総選挙では政党得票率13％により国会議員10人を送り出した。2007年大統領選挙の敗北、党内派の葛藤により、民主労働党のＰＤ（民衆民主系）の党員とセクシュアル・マイノリティ委員会などが脱党し、今年3月進歩新党を創党するにいたる。
http://www.delta-g.org/news/2008/03/post-109.html
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