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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080325-00000005-maip-int
【バンコク藤田悟】ミャンマーの反政府デモに対する流血の武力鎮圧から半年。軍事政権は強権姿勢で反政府行動の再燃を封じ込める一方、5月に予定する新憲法案承認のための国民投票に向けた準備を進めている。民政移管手続きを進めることで国際社会の批判をかわす一方で、民主化勢力を排除し軍の権力維持を図る構えだ。 【関連記事】 ミャンマーで長井健司さん死亡(2007年9月28日朝刊) 「我々は安定と平和を望み、暴力に反対する」。国営紙はこうした標語を連日掲載し続けている。ミャンマー国内では流血鎮圧以降、少人数のデモや政府批判のビラがまかれるなど小さな動きはあるが、治安当局の監視強化が徹底しているため、大きな動きには発展していない。 しかし、国民の不満は解消されたわけではない。デモの引き金となった昨年8月の燃料費大幅引き上げの影響で、食料品や日用品の価格は軒並み高騰したままだ。「不満を抱えていても、日々の生活の糧を確保するのに精いっぱいだ」とヤンゴン在住の男性は話す。 軍事政権は先月9日、国民投票を5月に、総選挙を2010年に実施すると突然発表した。トップのタンシュエ国家平和発展評議会議長の決定とされ、デモ弾圧で高まる国際社会からの批判をかわす意図は明白だ。 ただし、憲法案は軍主導色が極めて強いもので(1)国家運営における軍の主導的役割を保証(2)両院の議席の25%を軍が任命−−などの原則が盛り込まれた。また、民主化運動指導者のアウンサンスーチーさんは、総選挙に立候補できない規定だ。 今月初めにヤンゴンを訪れたガンバリ国連事務総長特別顧問は、民政移管手続きにスーチーさんら民主化勢力が参加できるよう修正を促し、国民投票への監視団派遣も打診した。だが軍事政権は一切拒否し、軍主導を貫く姿勢を鮮明にした。 国際社会の対応にもばらつきが目立つ。東南アジア諸国連合(ASEAN)や中国などは、民政移管手続きを一応歓迎しているが、欧米諸国は「民主的ではない」と批判する。軍事政権はこうした国際世論の不一致のすきをついて権力の固定化をもくろんでいる。 【ことば】反政府デモ武力鎮圧 政府の燃料費値上げに反発した市民や僧侶の抗議行動が広がり、昨年9月の旧首都ヤンゴンにおける10万人規模の大規模デモにつながった。取材中の日本人ジャーナリスト、長井健司さんが兵士の発砲で死亡するなど、政府発表で15人、国連発表では31人のデモ参加者が死亡。実際の死者はこの数倍との見方もある。 最終更新:3月25日11時35分 |