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政府のチベット政策は誤り 中国知識人が声明【産経】
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080324/chn0803241946009-n1.htm
2008.3.24 19:48
このニュースのトピックス:中国
【北京=矢板明夫】中国の著名な反体制評論家の劉暁波氏や作家の王力雄氏ら約30人が、チベット騒乱に対する中国政府の対応を批判する声明を発表した。ロイター通信によると、中国共産党の故趙紫陽総書記の秘書だった鮑●(=杉の木へんを丹に)氏も24日に声明を出し、中国政府に対し、チベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世との対話に臨むよう促した。中国メディアが連日、報道している騒乱の“真相”を中国国内の知識人が信用していないことが裏付けられた。
「チベット情勢への対応に関する12の意見」と題された劉氏らの声明は22日に発表されたが、当局による情報統制をかいくぐり、中国国内のあちこちのインターネット掲示板などに転載され、影響を広げている。
劉氏らは、チベット自治区のラサで暴力事件が発生した当日(3月14日)、チベット自治区の責任者が「ダライ集団による犯行を証明する証拠をもっている」と発表したことに注目。地元当局が事前に騒乱を察知していた可能性があり、チベット人僧侶を弾圧するため、騒乱の発生をわざと阻止しなかったのではないかと示唆し、政府に徹底的な真相究明を求めている。
また、反ダライ・ラマ・キャンペーンを展開している中国メディアについて、「偏った報道姿勢は民族の対立と憎しみをあおり、状況をさらに緊張させている」と指摘した。チベットの共産党指導者がダライ・ラマ14世を「袈裟(けさ)を着たオオカミ、人面獣心の悪魔」などと誹(ひ)謗(ぼう)したことに関しても、「事態の収束に逆効果で、中国政府のイメージを低下させている」と厳しく批判した。
批判の矛先は中国政府の情報統制にも向けられている。外国メディアのチベット取材を認めるよう求めると同時に、中国側が持っている資料を公開し、国連人権理事会による真相調査を受け入れるべきだなどと提案している。
声明はさらに、1980年代のチベット騒乱はラサに限定されていたが、今回は各地に波及したと指摘、「政府のチベット政策に大きな誤りがあることが証明された。失敗した少数民族政策を改めるべきだ」としている。
劉氏ら、次いで鮑氏と、中国国内から政府の対応に対する批判が続出した。今後、他の著名な知識人が同様の声明を出すことも予想される。