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ネオリベによって中国に飲み込まれる台湾の末路
テーマ:ニュース(海外)
FujiSankei Business i 2008/03/24
台湾総統に国民党の馬氏 「対中関係」早期打開へ 直行便の定期化が急務 (引用開始)
■「両岸共同市場構想」の推進も
【台北=河崎真澄】22日に投開票された総統選で今年1月の立法院(国会)に続き、強大な権限を持つ総統職も野党の中国国民党に委ねる選択を下した台湾住民の関心は、行政と立法を一手に握った国民党政権がいつ、どのように対中関係を打開するかに移った。対中警戒感から足踏みする間に、ライバルの韓国や香港などが中国との正常な通商関係をテコに急成長。焦りを隠せぬ台湾は当面、「三通」(中台間の通信・通商・通航の直接開放)で最後まで残された空と海の直行の定期便化交渉を急ぐ。
≪韓国の後塵拝す≫
陳水扁総統が率いた民進党8年間の政権で台湾の国内総生産(GDP)は19%増に止まった。かつて韓国やシンガポール、香港とともに「アジア4匹の龍」に数えられた輝きは薄れ、8年前には1万4426ドルと韓国の1万891ドルより32%も多かった台湾の1人当たり平均所得も、昨年は1万6768ドルと、韓国の2万100ドルに抜かれた。
「中国と国交を持つ韓国が自由な通商貿易で発展を可能にしたのに対し、対中進出規制の多い台湾は制度上、比較競争力で見劣りする」とIT(情報技術)メーカーの幹部は明かす。
中国へはすでに10万社近い台湾企業が進出、家族も含め100万人以上が暮らし、中台の年間往来数は延べ450万人に達する。今回の選挙への投票のために約25万人が台湾に一時戻ったとの情報もある。製造拠点として、販売市場として中国を重視する台湾企業は増えこそすれ、減ることはない。現在はチャーター便の形で期間が限定される中台間の直行便が定期化されれば、「すぐにも600万人以上になる」(日系航空会社)とみられている。
≪大陸依存が実態≫
台湾経済省の統計で、対中貿易額は2007年に1008億4000万ドル(前年比12・7%増)と初の1000億ドル台に乗り、輸出全体の3割までが中国向けとなった。対中投資(承認ベース)は昨年99億7000万ドル。台湾の対外投資の8割までが中国との大陸依存型の経済実態という。
台湾財界トップ、工商協進会の黄茂雄理事長は「中国との経済関係拡大で足かせとなる(政治面の)規制緩和が国際競争力回復のカギ」と話す。1年以内の中台直行便の定期化実現、自由貿易協定(FTA)に近い概念の「両岸(中台)共同市場」推進という国民党の戦略は、自らの経済力を犠牲にしてまで台湾のさらなる民主化や独立を追い求める時期ではないとする経済界の判断と合致した。
≪第三次国共合作≫
国際競争力をいかに取り戻すか。国民党は2005年5月、当時主席だった連戦氏の訪中時に、中国共産党の胡錦濤総書記らとこぎつけた「党レベル」の関係強化の道筋を今後、「当局レベル」での中台交渉に格上げして中台対話の再開をめざすことになる。訪中時に連戦氏は「中華意識」を強調。国民党と共産党の間の「第三次国共合作」も連想させた。ただ、抗日戦争時代に国民党が軍事力で共産党にやや勝っていた時代の「第一次、第二次国共合作」と異なり、現在は圧倒的な経済規模で、共産党の中国が国民党の台湾の先を走る時代になっている。
ただ、馬氏当選で「台湾独立」路線が遠のいたことで国民党は、中国を交渉のテーブルにつけさせることが可能と自信をみせる。
しかし事態はそう簡単ではない。台湾を「自国の一部分」とみなす中国が国民党政権を「政府」と扱う可能性は小さく、航空協定や共同市場実現のための関税引き下げの取り決め、企業の投資保護協定、中国人観光客の台湾への受け入れ自由化など、本来は「国家レベル」で締結しなければならない交渉や協定をどのような理屈で実現するか、難題は次々と押し寄せる。
しかも、強大な中国経済に飲み込まれるのではないかとの不安を打ち消す枠組みを作ることは、台湾側にとっても簡単ではない。政治的野心の強い中国側から経済という現実のテーブルでどこまで譲歩を引き出せるか。予断を許さない。
≪理想論より現実≫
民進党の謝長廷氏は投票前夜、台北市内で開かれた最後の支持者集会で、「馬英九氏が当選したら国際社会は台湾人が『台湾は中国の一部分』と認めたと受け取るに違いない」と、悲壮な表情で訴えた。しかし有権者は最終的に、国際社会に台湾の威厳を示す理想論よりも、成長著しい中国との経済連携を前面に押し出した中国国民党の馬英九氏の現実策を選択した。民主化後退より、経済の後退に危惧(きぐ)を示したといえる。
(引用ここまで)
何よりも経済優先で中国大陸に進出し依存を強めていった台湾。今回の総統選挙の結果、大陸と関係が深い国民党の勝利は当然。上記の記事を見てもわかるとおり、ネオリベ先進国の韓国にも負けているという焦りもあり、経済重視で今後一層中国依存が進むでしょう。
台湾人としてのアイデンティティーよりもお金を選び、このままだと国の存続すら危うい台湾の姿は、経済至上主義のネオリベの恐ろしさをまざまざと見せつけてくれます。
これは何も台湾だけの問題ではなく、世界的な傾向であり、わが国も例外ではないわけで、ネオリベ信者の竹中によって小泉政権下で行われた規制緩和はまさに経済テロそのもの、国が内部から溶解しています。中国を叩くのが趣味の方々もぜひわが国の現状に目を向けていただきたいものです。このまま金儲けが全てに優先するネオリベ路線を続ければ、台湾と同様の運命が待っているだけでしょう。
悪夢のサイクル―ネオリベラリズム循環 (単行本)
内橋 克人 (著)
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ネオリベによって中国に飲み込まれる台湾の末路(大和ごころ。ときどきその他)
http://ameblo.jp/shionos/entry-10082418679.html