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24日に初の下院選のブータン、民主制移行への不安と期待
2008年03月21日 19:35 発信地:ティンプー/ブータン
【3月21日 AFP】絶対君主制から立憲君主制に移行中のヒマラヤ(Himalaya)山脈にあるブータンで24日、同国初の下院議員選挙が実施される。
2006年に王位を継承したジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク(Jigme Khesar Namgyel Wangchuck)国王は根強い人気を誇り、いまだに国民の多くが民主制への移行に不安を抱いたままだ。
■広がる民主制への懸念
同国では公共の場で民族衣装の着用が義務付けられているが、50代の農民は、「民主主義の名の下に法律が変わればわれわれの文化も失われてゆく」とまゆをくもらせる。
家事手伝いの女性は、「民主主義国家で人々が争っているのをテレビで見た。総選挙後はブータンもほかの国のようになるのではないか」と気をもむ。この女性は自宅から投票所へ行くのに3日かかるので、投票には行かないという。
クエンセル(Kuensel)紙のKinley Dorji最高経営責任者は、「王政がうまく機能していたので、人々は民主制への移行を恐れている。ほかの民主国家での汚職や対立を目にしてきたからだ」と説明する。
■強い期待を寄せる人も
立候補者の大部分は、国王が任命した政府閣僚・官僚経験者で、強い信頼を寄せる有権者もいる。
2大政党の1つ、People's Democratic Partyのサンゲイ・ニドゥップ(Sangay Ngedup)党首が主催の集会に出席した72歳の男性は、「動物が畑の作物を食い荒らして困っている。ニドゥップ党首は家を訪問すると約束してくれた」と話す。
■民主主義を歓迎するのは
今回の総選挙に最も興奮しているのは、都市部の若者だ。首都ティンプー(Thimphu)の旅行ガイド(28)は、「進歩のためには民主主義が不可欠」と期待する。フリーランスのライター(28)も、「平和のためには王政がいいが、発展してゆくには民主主義が必要」と話した。(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/politics/2367923/2759861