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チベット暴動:中国はなぜチベットに執着するのか
2008年03月17日11時22分
インドとの衝突を防ぐ緩衝地帯とネパールの北側に位置するチベットは、世界で最も高原に位置し、「世界の屋根」と呼ばれる。チベット語で「神の土地」を意味する中心都市ラサも海抜3700メートルにあり、チベット自治区の平均海抜は4000メートルを超える。
険しく荒涼とした大地が大部分を占めるチベットだが、中国にとっては大きな財産だ。面積は韓半島(朝鮮半島)の約6倍に当たる123万平方キロ。天然資源もダイヤモンド、マグネシウム、鉄、石炭、クロムなど70種類以上の埋蔵が確認されており、経済的価値が極めて高いとされる。
2006年7月に青蔵鉄路(青海省西寧−チベット自治区ラサ)が開通して以降、沿線ではスズ、鉛、亜鉛の大規模な鉱脈が新たに16カ所発見された。このうち5カ所では合計でスズ2000万トン、鉛・亜鉛1000万トンの埋蔵が確認された。さらに森林、木材、水資源、太陽熱資源などが未開発の状態で残されており、超大型のウラン鉱山も複数ある。資源安全保障に総力を挙げる中国にとってはまさに「宝の箱」だ。
軍事戦略的な価値も高い。高原地帯は地理的特性から兵器の配備や開発に理想的だ。中国の原子力研究の中心機関である「第9研究所」(西北核武器研究設計学院)は数年間、チベット北東部に拠点を構えていた。チベットはインドとの衝突を防ぐ緩衝地帯として、軍事戦略的にも中国政府が決して放棄できない地域なのだ。
専門家の多くは、「チベットの経済的、軍事的価値が高い上、ウイグル族など他の少数民族の分離独立要求が噴出する可能性があるため、中国政府が独立や自治に関する要求を容易に受け入れることはない」とみている。
香港=宋義達(ソン・ウィダル)特派員