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8年ぶりの政権交代につながるのか注目される台湾総統選挙(3月22日投票)は23日、法律で定めた正式な選挙運動がスタートし、1カ月の戦いの火ぶたが切られた。与党・民進党の謝長廷候補(61)と最大野党・国民党の馬英九候補(57)の一騎打ちという構図だが、両党とも無視できないのが民進党政権下で進んだ「台湾人意識の高揚」だ。世論調査では、ほぼ8割の台湾住民が現状維持を望む中、それぞれの「台湾像」を提示しながら支持の獲得に努める。【台北・成沢健一、庄司哲也】
◇「脱中国」を修正−−民進党・謝長廷候補
台北中心部の台湾民主記念館。蒋介石の功績をたたえる中正紀念堂から昨年5月に名称を変え、今年1月からメーンホールで新たな展示が始まった。政権主導の変更で、民主と自由をテーマにした展示は、自由の象徴である凧(たこ)が天井から数多くつるされ、民主化の過程を紹介するパネルが蒋介石像を囲むように並ぶ。
日本人観光客にも人気だった衛兵の交代式はもう行われていない。男性(30)は「以前の荘厳な雰囲気が失われた。歴史の記憶を政治問題化させるのはどうかと思う」と顔をくもらせた。一方、蒋介石支持者が多い外省人(中国大陸出身者)男性(67)は「功罪両面のある人物を個人崇拝するのは健全ではない。バランスが取れた」と指摘した。
陳水扁政権は00年の発足以降、台湾人意識を刺激する言動を繰り返した。特に、昨年からは「脱蒋介石」「脱中国」を強め、政府系企業の名称から「中国」や「中華」を除き、「台湾」を冠するようにした。
だが、こうした手法は「台湾の多様な在り方を認めないものだ」と批判されたほか、暮らしに直結する経済対策の軽視とも受け止められ、1月の立法院(国会)選大敗の要因になった。
総統選で謝氏は陳総統が繰り返した台湾人意識を過剰に鼓舞し、求心力に結びつけた手法を改め、弱者救済を重点に訴える。謝氏陣営の蕭美琴報道担当は「台湾人意識はすでに定着した。総統選では台湾のあるべき姿が問われる」と語るが、陳水扁路線からの修正は明らかだ。
台湾大学の明居正教授は「『脱蒋介石』は拙速で、民主的なやり方と言えない。台湾人意識の高まりは民進党の誇りだろうが、それが必ず台湾独立に向かうわけではない」と述べ、台湾人意識をカードとして振りかざすと逆効果になる危険性を指摘した。
◇懐古主義に活路−−国民党・馬英九候補
裸電球の街灯に照らされた街並みに「蒋総統萬歳(万歳)」のスローガン。教室には「国語(北京語)を話し、方言(台湾語)は使わない」の標語も見える。60年代の様子を再現した台北市の「台湾故事館」には05年11月の開館以来、約100万人が訪れた。
展示物は、国共内戦に敗れ台湾に逃れた蒋介石が独裁体制を堅持したころのものばかり。孫娘と来たという女性(61)は「戒厳令下で『言論の自由』なんてなかったけど、どの時代も良さがある」と、抑圧の時代を屈託なく振り返る。
台湾・政治大学の意識調査では、国民党政権下の92年6月には「自分は台湾人」と答えたのは17・3%、「自分は中国人」は26・2%だった。だが、最新調査(07年6月)ではそれぞれ43・7%、5・5%と逆転。陳水扁政権下の8年間で台湾人意識は着実に高まった。
故事館を運営する藍基益会長(43)は「過去の政治問題へのこだわりが薄れ、懐かしいと思える余裕ができたのではないか」と人気の秘密を分析する。
政権奪還を目指す馬氏の陣営も、台湾人意識を重視せざるを得ない。1月から流してきたテレビCMは互いに助け合い、勤勉を美徳とした「古き良き台湾」をイメージ。レトロブームに便乗し、「民進党政権で台湾の良さが失われた」と暗示していることは明らかだ。
馬氏陣営の蔡詩萍報道担当は「住民が国民党へ回帰を望めば、過去の良かった時代も戻ってくる。今の国民党は以前の権威的な政党ではない」と語る。
だが、中国への生産拠点移転など経済の空洞化が著しい台湾では高学歴者でさえ就業状況が悪化し、07年の大卒以上の平均失業率は4・51%と過去最悪を記録。馬氏が提唱する中台融和が進めば空洞化がさらに進み、社会弱者が置き去りにされる。「古き良き台湾」の再現は容易でない。
◇馬氏、支持率で大差
民進、国民両党がそれぞれ公認候補を決定して以降、一貫して馬氏が優位に立っている。台湾紙「りんご日報」(15日付)によると、馬氏は支持率36・3%で謝氏の19・5%に大差をつけている。ただ、44・1%が「まだ投票する候補者を決めていない」と答えており、勝敗の行方は不透明。両陣営はいずれも「経済重視」「民生重視」の政策を掲げ、中間層の取り込みに躍起だ。
両陣営とも重点地域に定めているのが中南部。謝、馬両氏は23日、南部・高雄県にある著名な寺を入れ替わりに訪れ、選挙活動をスタートさせた。
04年前回総統選で、国民党の連戦候補は人口の多い北部で民進党の陳水扁総統の得票を上回ったものの、民進党の地盤とされる中南部で大差をつけられ、最終的には得票率にしてわずか0・2ポイント差で陳氏の再選が決まった。両陣営とも中南部での戦いが勝敗を決すると意気込む。
一方、今月28日には国民党政権が台湾住民を武力弾圧し、多数の犠牲者を出した「2・28事件」(1947年)の記念日を迎える。国民党を「中国大陸からの外来政権」と位置付ける謝氏陣営は、デモ行進などを展開し、有権者の「台湾人意識」に訴えかける。
24日からは候補者同士の討論会が始まる。「台湾の針路」をめぐり、激しい論戦が繰り広げられる。
http://mainichi.jp/select/world/news/20080224ddm003030099000c.html
台湾総統選:3・22投票 民進・謝候補か、国民・馬候補か…李登輝前総統、沈黙 - 毎日jp(毎日新聞)
◇京大同窓でも「支持」語らず−−民進・謝候補
◇「等距離は野党に利」見方も−−国民・馬候補
【台北・庄司哲也】台湾総統選(22日投票)で、李登輝前総統(85)の動向に関心が集まっている。李氏が与党・民進党の謝長廷候補(61)、最大野党・国民党の馬英九候補(57)のどちらを支持するか明言していないからだ。両陣営は李氏の支援が一定の影響力を持つとみて、取り込みを図る動きも目立つ。
李氏は当初、京都大の同窓で親しい関係にある謝氏の支持に回るとみられていた。しかし、総統選が告示された2月22日、意中の候補を聞かれた李氏は「友人は友人、選挙は選挙。私は公平だ」と述べ、報道陣をけむに巻いた。親日派の多い李氏の個人後援会「李登輝友の会」は集会を開き、謝氏を支持する後援会を結成した。だが、李氏は「健康問題」を理由に集会を欠席。同会の黄崑虎会長は「遺憾だ。李氏は早く立ち上がってほしい」といら立ちを募らせた。
一方の馬氏は2月29日、南部・台南市で李氏が事実上の指導者となっている小政党の台湾団結連盟(台連)の秘書長(幹事長)だった銭橙山氏を訪問した。会談後、銭氏は「政権交代の常態化が政治腐敗の根本解決になる」と馬氏支持をにおわせた。銭氏も日本留学経験者で、李氏に近い人物の言葉は新たな憶測を呼んだ。
謝氏は「キーポイントで支持を表明してくれれば良い」と期待する。だが、態度表明を延ばし続ける李氏の動きについて、台湾紙「聯合報」(2月23日付)は「元々、謝氏と密接だった李氏が、両候補と等距離の姿勢を保つことは、暗に馬氏を助け、謝氏を傷つける」と分析する。
李氏は国民党出身だが、00年に総統を退いてからは独立志向を鮮明にし、前回04年の総統選では陳水扁総統(民進党)を支援した。しかし、その後は台連が中道左派路線を打ち出し、李氏は陳総統と距離を置くようになっていた。
http://mainichi.jp/select/world/news/20080301dde007030056000c.html
時事ドットコム:指定記事
2008/02/24-21:07 謝、馬両候補が直接対決=総統選で初の討論会−台湾
【台北24日時事】3月22日の台湾総統選挙に向けた与野党候補のテレビ公開討論会が24日開かれ、陳水扁総統の与党・民進党の謝長廷・元行政院長(首相)と政権奪還を狙う最大野党・国民党の馬英九前主席が初めて直接対決した。約3時間の論戦では、謝氏が相手の総統としての資質を問い、馬氏が陳政権8年の「失政」を批判する場面が目立った。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200802/2008022400194
※コメント:
春です。選挙が多いです。
韓国・・・台湾・・・スペイン・・・ドイツ・・・