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小説家の宋栄(ソン・ヨン)は1967年に『闘鶏』でデビューした。この小説の中で、主人公のいとこは気むずかしい上に残酷なところがあり、家にこもった生活をしている。そのいとこは、どう猛なプリマスロックにも勝る闘鶏を育て上げようと、シャモを1羽手に入れて訓練し始める。
「皮膚が破れ、シャモのとさかから血が流れ始めた。プリマスロックのくちばしは、その血の色に吸い込まれるように、傷の場所を立て続けに攻撃した。血がぽたぽたと流れ落ちた」。台所で繰り広げられるこの戦いは、どちらかが倒れるまで終わることはなかった。
慶尚南道晋州では5月下旬の晋州論介祭りや10月初旬の開天芸術祭の際に、闘牛大会が行われる。晋州の闘牛は、新羅が百済との戦いに勝利したことを記念した際の祝宴が起源だと言われる。例年、南江の川辺に開設された闘牛場は、牛たちの激しい動きに舞い上がる砂煙や、見物客の歓声で一杯になる。今では闘牛は晋州だけでなく、宜寧、清道など11の地方自治体で行われている。
昨年1月末に「動物保護法」が改正され、「動物虐待などの禁止」という条項に「賭博・観光・娯楽・行楽を目的に、動物を傷つける行為の禁止」が追加された。改正から1年が過ぎ、先日からこの法律が施行されたため、闘鶏や闘犬などは禁止されることになった。しかし「民俗行事など農林部令に定める行事は例外とする」という条項を、どう解釈するかをめぐって、論争が起きている。
済州島の観光行事として知られてきた「馬を愛する闘馬大会」が今年から行われなくなった。動物保護法の例外条項を適用してほしいという済州市の要請を、農林部が棄却したからだ。雌馬をめぐる雄馬の争いを模したこの「闘馬大会」は、1990年代半ばから観光行事として人気を集めてきた。韓国馬事会(日本の中央競馬会にあたる)が昨年5月に京畿道果川のソウル競馬公園で開催し、今年から済州競馬公園に場所を移して常設行事となる予定だった「闘馬競技」も、行うことができなくなった。
闘牛や「闘馬」が「動物虐待」か、それとも「民俗行事」なのかは、判断が分かれるところだ。負傷して血を流すことの多い闘鶏や闘犬については、動物虐待と言われても仕方のない側面がある。一方闘牛は歴史も長く、それほど残忍な内容でもないため、「民俗行事」だと考える人も多いが、それでも一部からは「闘牛も例外ではない」と主張している。「闘馬」の場合は、興奮させるために発情期の雌馬を利用する上に、闘いがエスカレートするといった問題はある。
いずれにしても、古くからの民俗行事が消滅していく中、また一つ楽しみが消えてしまったようで、残念な気がするのも確かだ。
http://www.chosunonline.com/article/20080206000057