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見つかった年金記録 戦時中の従業員台帳
強制連行に遭ったとされる朝鮮人や中国人の厚生年金記録(当時は「労働者年金保険」)が見つかった。戦時中、炭鉱や鉱山で働いていた人々の台帳だ。いわゆる“宙に浮いた年金”の照合作業で発見された。当時炭鉱で働いていた朝鮮人、中国人の中には、自分が年金を払っていたことを知らない人が多いが、1941年以前に生まれ、5年以上の納付実績があれば、一時金を受け取れる可能性がある。
(溝口恭平)
記載されていた中国、朝鮮人名
加入 本人は知らない
労働者年金制度が始まったのは1942年。52年までの10年間の記録は紙の台帳で保管されていた。
今回見つかった朝鮮人や中国人の記録は、紙台帳をデータ化する際に、誰が支払ったのか分からなくなってしまったものだ。
朝鮮人・中国人の名前は、全国の主だった炭鉱や鉱山が提出した年金記録から見つかったという。総数がどれほどになるのか、現時点でははっきりしていない。
当時の炭鉱労働者のほとんどは給料明細などもらっていなかった。食費、寮費なども給料から天引きされていることが多かったため、給料の総支給額がどれほどあったか、ほとんどの人が知らずにきたという。
18歳の時、北海道の炭鉱で働いていた朴東烋(84)さんは、年金について「まったく知らなかった」という。
本国に帰った外国人労働者でも、1941年4月1日以前の生まれで、42年の制度開始から5年以上年金を納めていれば、「脱退手当金」と呼ばれる給付を受け取れる可能性が高い。
国籍や居住地が外国であっても受給できるが、受給者は本人かその配偶者(本人死亡の場合)に限られる。
社会保険庁は現在、誰のものかわからない年金納付記録を、名前や生年月日から、納付したと思われる人物と照合する作業を進めている。
納付したと思われる人物には、社保庁から「年金特別便」という書類が送られる。特別便の案内に従って手続きを済ませれば、年金の不足額が支払われる。
ただし、「特別便は今後、国外にも送るが、いつからになるかは検討中」(社保庁)だという。心当たりのある本人が直接連絡をするか、委任状を持った第三者が問い合わせなければ、特別便が送られてくることはない。
戦時中の労働者は高齢化が進んでいるだけに、一日も早い問題の解決が求められている。