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1月27日(日)
李明博大統領誕生による韓国の政権交代で誰よりも活気付いているのは脱北者のようです。金大中―盧武鉉政権下で10年続いた北朝鮮への太陽政策によって長い間日陰に追いやられていた脱北者らがやっと韓国で「我が春」を迎えようとしています。
年末の12月27日にはソウル市内で「北朝鮮民主化ネットワーク」の忘年会が開かれました。挨拶に立った委員長の黄長Y元朝鮮労働党書記は「政権交代はまだ半分の勝利に過ぎない。北朝鮮の民主化のためにさらに戦わなければならない」と忘年会に出席した元タイ駐在参事官の洪淳京会長率いる「脱北者同志会」のメンバーや横田めぐみさんの夫が韓国から拉致された金英男氏であることを突き止めた崔成龍・拉致家族会代表ら100人を前に気勢をあげていました。
韓国に脱北してきた人の数は昨年2月で1万人を超しましたが、その多くがこの10年間にやってきました。そして「左派政権」(黄長Y氏)下であったがゆえに北朝鮮に関する発言を封じ込められたと、不満を表しています。特に、黄氏ら党、軍、政府の要職に着いていた「大物」らは海外渡航も制限されていました。韓国の情報機関である国家情報院は脱北者らから重要な情報、証言を得ても、「北朝鮮を刺激してはならない」との政府方針に従い、情報を隠匿、隠蔽してきたそうです。
しかし、李次期大統領は北朝鮮の人権問題について「批判のための批判はしないが、言うべきことは言う」と、前任者とは違い、北朝鮮の人権状況については黙認しないことを約束しています。政府内に「北朝鮮人権局」を作るかどうかは別にして、北朝鮮情報を一括する国家情報院は一変し、10年前に回帰するものと思われます。マスコミによる脱北者へのアプローチも解禁され、北朝鮮に関する秘密情報、スクープがかつてのように新聞紙上を賑わすことになるでしょう。
当然、日本人拉致被害者に関する安否情報も今後は大いに期待が持てます。特に、国家情報院がこれまで伏せていた情報・工作機関に従事していた亡命者らが表に出てくれば、あっと驚くような情報が持たされるかもしれません。これまでは「北朝鮮工作員=安明進」と言われるぐらい、拉致証言は安明進元工作員の独断場というか、「専売特許」でした。マスコミは彼について「拉致の百科事典」と呼ぶほど依存していました。
ところが、最も頼りにしていた安明進氏が昨年、麻薬所持容疑で逮捕され、有罪判決を受けたことで、これまでの証言の信憑性が問われ始めました。加えて、1月18日に放送されたテレビ朝日のニュース番組によると、ソウルで面会した蓮池透さん(拉致被害者の蓮池薫さんの兄)に対して「金正日政治軍事大学で蓮池薫さんを見たと断定したのは間違いだった」と謝罪していました。
この発言を聞いて、正直驚きました。3年前の本誌主催の勉強会「KR会」で安氏は「蓮池薫さんがタラップから下りてきた時の顔を見て、金正日政治軍事大学で見た人物に間違いないとの確信を持った。確信があったからこそ、徹さんを通じて(2003年1月に来日した際)電話で話したわけだ。薫さんも私が誰であるかを知っていたからこそ通話したのではないか。お互いに面識がなければ電話でのやりとりはできない」と自信たっぷり答えていたからです。「安明進は嘘をついている」と反論する蓮池薫さんに「会って、白黒を付けたい」とさえ言っていました。
「金正日政治軍事大学で見た」というのが間違いならば、横田めぐみさん、市川修一さん、増元るみ子さんら政府認定の拉致被害者と加藤久美子さんや山田建治さんら特定失踪者ら合わせて10人以上の日本人を金正日政治軍事大学で見たとの「目撃証言」も怪しくなってきます。拉致被害者家族及び救援活動をしている人の多くが「安明進証言」を頼りにしてきただけに、今回の発言には当惑しているのではないでしょうか。「安明進証言」の真偽を確認するには新たな脱北者の証言を待つほかなさそうです。
※コメント:
じゃあ あの頃の 拉致フィーバーは 何だったんだ?