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フィリップ・ティボー駐韓フランス大使は、昨年5月韓国と欧州連合(EU)間の自由貿易協定(FTA)の締結に向けた第一回交渉が終了した後、韓国の記者たちにこのように愚痴をこぼしている。「交渉の会場周辺に集まってデモする人がわずか6人だとは、あんまりじゃないんですか」。彼は「韓米FTAの交渉の際には数百人が集まってデモを行ったのに、EUとの交渉にはなぜこのように(賛成であろうが反対であろうが)関心が薄いのですか」と首をかしげた。交渉は第5回まで続いたが、ティボー大使がその理由が見つけ出したのか気になる。
◆経済的な理由だけでもEUは、韓国が関心を持つべき対象だ。EUは欧州27カ国の共同体として、5億人の人口と14兆ドルの国内総生産(GDP)を誇る世界一の単一市場だ。人口3億1千万人、GDP13兆ドルの米国より規模が大きい。EUの平均関税率は、4.2%であるため、FTAが締結された場合、関税率3.7%の米国市場より韓国にとっては輸出環境がずっと有利になる。韓米FTA交渉にだけ気をとられ、肝心のEUのパワーに気づいていない。
◆昨年韓国はEUとの貿易で最高の黒字となった。黒字規模が184億5000万ドルで、対中国黒字180億9000万ドルを超えている。韓国にとってEUは、世界一のドル箱マーケットととして浮上したのだ。EUとの貿易では、黒字が着実に増加するのに対し、対中国黒字は毎年20億ドルずつ減少する傾向であるため、これからその格差はますます開くものとみられる。EUを米国、中国、日本に次ぐ4番目のマーケットくらいに位置づけるのは大間違いだ。
◆EUの政治的な結束力も次第に大きくなっている。今年末には史上初のEU大統領が選出され、来年から欧州を代表することになる。今年下半期のEU議長を務めるフランスのニコラ・サルコジ大統領の役割にも大きな関心が寄せられている。彼はG8(先進7カ国+ロシア)に中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ共和国を加盟させ、G13に拡大しようと主張する。サルコジの思惑どおりにことが運ぶと、韓国のG13仲間入りは望み薄だ。EUを決しておろそかにしてはならない理由はまさにここにある。親米であろうが、反米であろうが、もはや米国にだけ目を向けてはならない時代となった。
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2008011523078