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1月17日(木)
北朝鮮は約束した核計画の全面申告を履行しませんでした。昨年12月のヒル米国務次官補の2度目の訪朝の際に口頭で申告したそうですが、中身は米国が期待していた完全で全面的申告とはほど遠かったようです。肝心の核施設の無能力化作業もまだ終了していません。北朝鮮が無能力化の作業ペースを遅らせていることが原因です。
核計画の申告や核施設の無能力化と同時に6か国協議再開の見通しも立っていません。遅くとも年明けには再開できるのではと囁かれていましたが、どうやら2月に延びそうです。米国は韓国の李明博大統領就任式にライス国務長官が出席するため就任式の2月25日までには開きたいと打診していますが、北朝鮮が早期開催に難色を示し、まだ日取りは決まっていません。
北朝鮮は重油提供の遅れとテロ支援国指定の解除を米国が躊躇っていることを遅延理由に上げていますが、それは表向きの理由であって、本当のところは、大統領予備選挙の成り行きを見守っているものと思われます。おそらく、共和・民主両党の大統領候補が正式に指名されるまでは、当分の間時間稼ぎに出るのではと危惧されます。時間の引き延ばしは、同時に後一年で任期切れとなるブッシュ大統領の焦りを誘うこともできるからです。遅延戦術で「一石二鳥」を狙う魂胆のようです。
北朝鮮が次期大統領に民主党大統領を望んでいるのは自明です。ヒラリー、オバマ両候補とも北朝鮮との対話を重視しているからです。と言って、どちらでも良いというわけではないようです。どうやら本音ではヒラリー候補よりもオバマ候補を待望しているようです。その理由は、簡単です。ヒラリー氏が「当選しても直ぐには北朝鮮との首脳会談は行なわない」としているのに対して、オバマ氏は「当選すればワシントンでも、どこでも無条件で直ぐにやる」と断言しているからです。
もう一つは、オバマ氏が北朝鮮を核保有国と認める発言をしていることです。米国に核保有国として認知させたい北朝鮮からすれば、オバマ候補は「最も望ましい相手」と言えます。オバマ氏に勝算が出てきたことでブッシュ政権との交渉を急ぐ必要はないとの判断が働いたのかもしれません。さりとて、のんびり構えてはいられない事情もあります。共和党候補として北朝鮮強硬派のマケイン候補が一挙に急浮上したことです。
本命視されていたジュリアーニ前ニューヨーク市長ならば、ブッシュ政権の対北朝鮮対話路線を支持し、その継承を公約に掲げていることから別に問題はないのですが、マケイン氏が仮に共和党大統領候補に選出され、そして本選で当選するようなことになれば、米国の対北朝鮮政策が180度変わり、再び、全面対決に直面する危険性があるからです。
マケイン氏は、前々回(8年前)の大統領選挙の時にサウスカロライナ州での演説で「北朝鮮が大量破壊兵器を開発する場合、転覆させなければならない」「究極的には北朝鮮を転覆させ、民主的に選出された政府を樹立できるように内外で軍隊を武装させ、訓練させるつもりだ」と発言するほど、北朝鮮からすればボルドン前国連大使と並ぶ「天敵」となっています。
彼の北朝鮮に対するスタンスは8年過ぎた今も変わらず、金正日政権を「野蛮的で、抑圧体制」と呼び、10年続いた金大中、盧武鉉政権による「太陽政策」を辛らつに批判し、自分が「大統領になれば核問題だけでなく、ミサイルの問題や日本人拉致問題、そしてテロと核拡散の問題も取り上げる」と遊説先でぶっています。マケイン候補は拉致問題を抱える日本にとっては、「最も頼もしい、望ましい候補」ですが、北朝鮮からすれば、「ブッシュよりも怖い相手」となります。
思えば、ビル・クリントン大統領の任期最後の年に行われた大統領選挙でも、ジョージ・ブッシュとジョン・マケインの二人の共和党候補が出馬し、クリントンの対北朝鮮宥和政策を批判しました。それが理由で、北朝鮮は共和党候補の当選に備え、クリントン政権との「ジュネーブ核合意」を隠れ蓑に、秘かに濃縮ウランによる核開発に乗り出しました。北朝鮮が今、再び「6か国合意」遅らせているところをみると、良くも悪くも米大統領予備選が影響しているのかもしれません。
ブームが去った「北朝鮮もの」 - ぴょんの秘話
1月17日(木) 三笠書房の清水篤史さんが来社。後楽園近くにある隠れ屋的雰囲気の店でランチを共にする。清水さんとは、ごま書房にいた頃だから、かれこれ15〜6年ぐらいの付き合いになる。私が主宰しているマスコミ関係者の勉強会「KR会」の幹事をやってもらっていることもあって、また同じ中日ドラゴンズファンということもあって気心が通じる間柄である。
三笠書房からは2000年秋に「北朝鮮知識人からの内部告発」という本を出させてもらったが、1995年頃から拉致問題がクローズアップされた2002年頃までは「北朝鮮もの」はどれもそこそこに売れていたそうだ。しかし、昨今は「北朝鮮もの」はぱっとしないようだ。飽食気味で飽きられたせいもあるが、ある意味ではブームが去ったとも言える。
もちろん、本が売れないのは、なにも「北朝鮮もの」に限ったことではない。同じ文京区にある中堅どころの出版社「草思社」が、自費出版大手の新風舎に続いて倒産するなど出版業界は今、不況のどん底に喘いでいる。
倒産と言えば、私も3度その被害を被ったことがあった。1982年に出版した処女作「表裏の朝鮮半島」は書店に並ぶ前に出版元の「天山出版」が倒産。15年後の1997年には総合出版社の編集長の紹介でジャパンミックスという出版社から「ビジネスマンのための韓国人と上手につきあう法」という本を出したが、これも出版した直後に倒産してしまった。
二度あることは三度あると言われるが、3年後の2000年に「強者としての在日」という表題の本を集英社から独立したやり手編集者が興した出版社「ザ・マサダ」から刊行したが、これまた倒産。一般の読者の目に触れることなく、お蔵入りとなった。当然のごとく、3冊とも印税は全く入らなかった。出版は嫌な思い出ばかりだ。
清水さんによると、今年は北京五輪もあって、極端な話し、中国関連一色になるのではとのことだ。「中国ブーム」の到来とのことだが、飽きっぽい日本人に何年持つか。北京五輪後も続けば、本物だ。
多忙のため開店休業状態にあった「KR会」を3月頃に再開させることで意見の一致をみて、事務所に戻り、早速3月の講師の手配の準備にとりかかる。
偶然にも覚醒剤所持で逮捕され、その後執行猶予が付き、保釈された元北朝鮮工作員の安明進が東京で釈明を兼ねた講演を希望しているとのメールが韓国の友人から届いていた。驚いたことに、保釈後、安明進は中国に向け出国していたという。
中国とは異なり、覚醒剤や麻薬で有罪判決を受けた「前科者」の日本への入国は日本の入管法では認められないことから、おそらく来日は無理だろう。仮に拉致問題による日本政府の温情で特例として来日が実現したとしても、マスコミ関係者の間では「安明進は賞味期限が切れた」と冷ややかに見る向きもあるだけに以前と比べて、果たしてどれだけ人が集まるだろうか。
http://blogs.yahoo.co.jp/krp19820301/1189481.html