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2008-01-01
韓国大統領選挙の報道では韓日とも、「10年ぶりに進歩派政権から保守派政権に回帰」といった見出しが目立った。はたして、李明博氏が「保守=右」で鄭東泳氏が「進歩=左」なのか。この二律背反の図式に疑問を持った同胞も多いはずだ。
日本はほとんど一貫して保守政権だが、ちゃんと国家・社会を進歩させてきた。ロシアなど旧共産主義国家では、かつての進歩・左がいまや保守勢力である。そう言えば、保守派の論客である西部邁氏が米国のイラク侵攻に反対し、それを推進したネオコン勢力を、フランス革命以来の自由主義や国際主義の徹底を進める「左派」と決めつけたこともあった。
韓国の場合、伝統的に「革新」という言葉遣いを避けてきた節がある。北韓と対峙するながい歴史のなかで、左派に対するアレルギーがあることの証かも知れない。韓国の進歩派は過去において確かに、民主化に貢献した。しかし、その一部は民主主義とは対極にある北政権を擁護する親北勢力に変質してその限界を示した。簡単には進歩派に括ることができない。
保守と進歩は判然としにくいとしても、社会の人為的改革を目指すのが進歩主義であるとするならば、保守主義とは本来、人間の能力の限界をわきまえ、計画や統制によって世の中を変えることを懐疑する姿勢と理解されるべきだ。敷衍すれば保守とは、融通無碍を信条とし、現実的な政策をとる。実利主義を掲げる新大統領はその意味では、まさしく保守である。(Y)
http://mindan.org/shinbun/news_bk_view.php?page=1&subpage=123&corner=8