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(回答先: 【読売、韓国大統領に李明博氏(日本生まれ)が当選確実…地元メディア報道】(日韓中露でアジアを世界の中心にしましょう) 投稿者 小沢内閣待望論 日時 2007 年 12 月 19 日 19:26:37)
【社説】李明博氏に課せられた使命(上)
第17代大統領選挙でハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)候補が48.7%という圧倒的な得票率で当選を決めた。少年時代市場で働きながら苦学し、35歳で大企業の社長に起用されるという「サラリーマンの神話」を打ち立てた李明博氏は、こうして経済規模世界第13位の国の大統領にまで上りつめた。2回連続して大統領選挙で敗れ、低迷にあえいでいたハンナラ党は、ついに10年間におよぶ野党生活を脱出することになった。昨夜は当選者となった李明博氏やハンナラ党にとって、感激の瞬間だったことだろう。そして今度は李明博氏が当選のお礼として、すべての国民に報いるべき時だ。
これまでは選挙が終わっても、次期大統領に選ばれた人物が、支持者と不支持者がせめぎ合った選挙戦の対立構図から抜け出せず、国に反目と不和の雰囲気を植え付ける例があった。そうした行為は、国を未来へと前進させる上で重要な国民の潜在力を損なわせてしまう。現政権の5年間は、そうした不毛の時期に終わってしまった。李明博氏が最初に手がけるべきことは、冷え冷えと硬直した国民の心を解きほぐし、励ますことだ。
一方、李明博氏には特別検事による捜査という障害物が待ちかまえている。BBK事件は今回の大統領選挙で最大の争点となった。しかし李明博氏は大統領の直接選挙制が復活して以降の5回の選挙を通じて過去最高となる得票率で勝利した。李候補の得票率は、BBK事件を題材に李候補を攻撃してきたライバル候補らのほぼ2、3倍に達している。得票差も過去最高となった。
それを考えると、李明博氏の疑惑に対し特別検事の導入を議決した国会の決定は、李明博氏にあと一息で過半数という高い支持を寄せた国民の意向とは相いれないものと言える。しかも金敬俊(キム・ギョンジュン)容疑者は一昨日検察に出頭し、検事が李明博氏に有利な陳述をするよう懐柔し、圧迫を加えたという内容の自筆メモについて、事実ではなかったことを認めている。特別検事の任命を決めた根拠自体が揺らいでいるのだ。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、こうした状況にもかかわらず、特別検事法を公布することが果たして本当に国のためになるのか、よく考えてみるべきだ。また今や野党となった大統合民主新党にとって、国民の意向に反してまで特別検事の任命を強行し、次期政権のスタートを妨害することが、プラスとなるかどうかも疑問だ。
また李明博氏には、来年4月の国会議員総選挙という関門が待ちかまえている。この選挙で敗北すれば、任期である5年間の国政運営に暗雲が立ちこめることになる。各世論調査によると国民は与党が国会で安定的な勢力基盤を得ることを希望しているようだ。しかしハンナラ党は10年に及んだ野党生活の負の遺産とも言える人材不足や、党内予備選挙で生じた内部対立の後遺症といった問題を抱えている。李明博氏がどれほどリーダーシップを発揮して党を一つにまとめ上げ、総選挙に備えられるかによって、今後5年間が決まると言っても過言ではない。
http://www.chosunonline.com/article/20071220000052
【社説】李明博氏に課せられた使命(中)
国民が李明博氏を選択したのは、李氏本人も「時代の要請」であると指摘した「経済再生」を最優先し、その実現を熱望したからだ。そうした強い意志があったからこそ、国民は李候補の欠点を看過し、圧倒的な支持を送ったのだ。李明博氏は韓国経済に「もう一度やってみよう」という前向きな雰囲気を植え付ける必要がある。過去5年間にわたって韓国を悩ませてきた低成長を治療するためには、そこから出発しなければならない。
過去5年間の間に所得基準で上位20%の富裕層と下位20%の貧困層の差は、むしろ拡大した。庶民を最優先するという政権が、かえって庶民の生活を苦しめるという皮肉な原理が、ここでもまた証明されたのだ。上座の祝杯を下座の庶民にまで行き渡らせるためには、経済全体を成長させる以外にない。非正規職の労働者は、過去5年間110万人も増加し、今や570万人に及ぶ。この非正規職問題を解決する上でも、経済成長による雇用の拡大しか方法はない。
最近20代の非正規職労働者は「88万ウォン(約10万6000円)世代」と呼ばれている。彼らの1カ月の平均所得が88万ウォンであることから生じた呼称だという。こうした暗たんたる状況を克服するにも、経済成長を実現することが不可欠だ。有権者は今回の大統領選挙で、「成長」を最優先する姿勢を明確にした。今何が必要であるかに気づいたからこその選択だった。
過去5年間に韓国の経済規模は、何も成長ばかりが経済ではないという指導者の錯覚により、世界第10位から第13位に転落した。大韓民国は巨大な中国と、技術大国の日本の間で自滅する道に迷い込んでしまっていた。われわれがこれからの5年間もまた同じ失敗を繰り返せば、そのときは本当にがけっぷちから落ちてしまうはずだ。今こそ、方向を転換すべき時だ。
李明博氏の前には、北朝鮮の核問題も待ちかまえている。北朝鮮は年末までに核計画の完全な申告を行わなければならない。それが完了しなければ、6カ国協議は水泡に帰し、また韓半島(朝鮮半島)に核の暗雲が立ちこめることになる。
韓国にとって北朝鮮は脅威であると同時に、いつの日かは引き寄せて統一を実現しなくてはならない「片割れ」だ。だが過去10年間、韓国政府は北朝鮮を引き寄せるべき「片割れ」としか見ず、太陽政策に固執してきた。李明博氏は太陽政策路線の修正を公約としてきた。もちろん、政権が交代したからといって、これまでとは正反対の方向に突き進むわけにはいかない。南北関係の二重性を考慮しつつも、北朝鮮を望ましい方向に誘導するかじ取りが望まれる。
http://www.chosunonline.com/article/20071220000053
【社説】李明博氏に課せられた使命(下)
教育問題も深刻だ。今年1年間に国民が投じた私教育費は計30兆ウォン(約3兆6000億円)に及ぶという。留学に出掛ける小中高校生の数はこの5年間に1万人から3万人に増加した。李明博氏は大学入試を自由化して大学側の裁量に委ね、自律型私立高校(普通の私立高校とは異なりカリキュラムなどを学校側の裁量に任せた私立高校)を100校設立することを公約に挙げていた。教育問題はそうした方向でしか解決できない。次期政権は信念を持ってこの政策を進め、教育を絶望ではなく希望に満ちたものに変えていかなければならない。
李明博氏は盧武鉉政権が残した負の遺産を一つ一つ解消していく必要がある。現在、韓米関係は大きく脱線している。世界でももっとも効率的なシステムを誇る韓米連合司令部も、5年以内に解体されることが決まっている。この危機をどうやって切り抜けるのか、また切り抜けた後で新しい安保体制をどのように構築すればよいのか、皆で頭を悩ませなければならない。
5年間に10万人も増員した公務員の問題、全国を投機ブームに巻き込んだ非現実的な地域均衡発展政策、「ちょっと懲らしめてやろう」といった調子で導入された重税制度など、軌道修正しなければならない政策は非常に多い。すでに誤った方向で固まってしまった政策を修正しようとすると、多くの抵抗や痛みに直面するものだ。だからといって修正を後回しにすれば、政権交代を選んだ国民の期待を裏切ることになる。また大運河計画など物議を醸してきた公約についても、専門家による検討を経て、国民の判断を仰ぐ必要がある。
李明博氏はソウル市長時代に、清渓川の復元や交通網の再編という大事業を成功させた。そうした実績が、今回の結果につながったことは言うまでもない。しかしもし国民の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権に対する絶望や、経済政策に対する強い不満が無かったとしたら、李明博氏は過去1年間の集中砲火に耐えることもできなかったことだろう。本人の発言にもあったとおり、国民が李明博氏に理解を示し、救ってくれたのだ。
李明博氏に寄せられた5割近くの支持は、本人の力だけで手にしたものではない。そのため何か間違えば、国民の心が離れてしまうのも早いはずだ。李明博氏は自力で成功を勝ち取ったたたき上げの人物として知られる。そうした経験に裏打ちされた自信は、時としておごりや独善につながる。国民は歴代の大統領がそうした過ちを犯してきたのを目にしてきた。李明博氏がその轍(てつ)を踏まないためには、「国民に助けてもらった」という今の初心を忘れることなく、「謙虚に低姿勢で国民に仕える」とした所信表明を守り続けることが重要だ。新政権が成功するか、失敗するかは、ここにかかっている。
http://www.chosunonline.com/article/20071220000054