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11月26日日曜日に停戦が発効しました。
停戦合意内容の、その具体的な内容までは明らかにされていませんが、
英米独日イスラエルのメディアによると、
その全てとも「ガザでの停戦」に限定しているようです。
イスラエル報道官は、「西岸は含まない」と明言しています。
オルメルト首相は、「ガザでの停戦が西岸にまで広がればよいと期待する」と
述べています。
オルメルト首相は、更に、
「イスラエル兵とパレスチナ人受刑者との交換」にも言及しています。
更には「パレスチナ主権国家の樹立」ということまで言及しています。
ハマスのハニーヤ首相は、停戦発効後のカッサムロケット発射を、
「停戦違反」として非難しました。
ハニーヤ首相は、西岸での戦闘を非難しましたが、
西岸での戦闘を「停戦違反」とは言っていません。
これらのことから、停戦は、ガザでの停戦に限定されたものだと
断定してもよいと思われます。
もし、西岸での停戦までもが合意条件だとしたら、
パレスチナ側は、当然反論している筈ですが、反論していないのだからです。
イスラム聖戦の軍事部門の一部と、ハマスの軍事部門の一部は、
停戦発効後も、カッサムロケットを発射し続けています。
日、月、火と三日間続けて、計11発くらい発射したようです。
また発射したと声明も出しています。
「西岸での軍事攻撃に対する報復」だとか、
「西岸でも停戦が広がらないから」等。
停戦三日目に、イスラエルは、ガザのカッサムロケット発射地点に、
戦車砲弾を撃ち返したようです。
Army shells areas northern Gaza strip
http://www.imemc.org/content/view/22939/1/
それは、イスラエルのガザ侵攻以前の状態、つまり、
・パレスチナ側はカッサムロケットを発射し、
・イスラエルは、イスラエル領からロケット発射地点に
戦車砲弾を撃ち返すという六月以前の状態への回帰です。
イスラエルが、停戦発効後にガザに戦車砲弾を撃ち返したのが、
もしも事実だとしても、
それは、まあ停戦違反と言えば、停戦違反ですが、
少なくとも、パレスチナ側には、
イスラエルを停戦違反と非難する権利も資格もないと私は思います。
何故なら、停戦発効直後(数時間後)から、
カッサムロケットを撃ち続けているのだからです。
一体、何を停戦合意したのでしょうか。
アッバス議長も、ハニーヤ首相も、つまり、ファタハもハマスも、
「パレスチナの全勢力がロケットを発射しないことで合意した」
筈ではなかったのですか。
にもかかわらず、停戦合意数時間後からロケット弾を発射し続けています。
アッバス議長は、治安部隊13000人を派遣しました。
努力はしていますが、停戦違反の責任は全てパレスチナ側にのみあります。
ごく少数の者達がカッサムを発射しているのでしょう。
パレスチナ市民の圧倒的大多数も停戦を支持しているようです。
何故ロケットを撃ち続ける者達を拘束しないのでしょうか。
狭いガザ地区です。
ロケット弾をアジトから車に載せ、輸送し、発射地点で設置する。
誰一人目にしないとも思えません。
本当に拘束する気があるのかと疑ってしまいます。
更には、本気で取り締まろうとしているのだが、
いまだできていないのだとしても、
それでも、今の所一切の責任はパレスチナ側にあります。
そもそも、ガザからロケットを発射しないという提案をしたのは、
パレスチナ側です。
どういう意図で、提案したのでしょうか。
取り締まれる自信があったのでしょうか。
取り締まれる自信があったが、できないのだとしても同様です。
相手=イスラエルがいるのです。
相手=イスラエルは、停戦を守っています。
停戦合意に違反してロケット弾を発射されても、
それでも、オルメルト首相は、「忍耐と抑制」と述べ、
少なくとも三日間は反撃さえしませんでした。
反撃しないどころか、更に和平を推進する姿勢をも見せています。
ブッシュ大統領が、今週中東を訪問するのに合わせた
政治的パフォーマンスだとの分析もあります。
まあそういう要因もあるでしょう。
そんな要因があろうとなかろうと、
ガザ停戦は、パレスチナ民衆の切なる願いなのではないですか、
ガザ停戦が、うまくいけば、西岸にも広げたいと
オルメルト首相は、述べているのです。
なのに「西岸では停戦ではないからロケットを発射する」とは本末転倒です。
西岸での停戦どころか、その現実に果たす役割はガザでの停戦の崩壊だけです。
停戦後にロケットを発射する行為は、単に停戦違反であるだけでなく、
和平推進を妨害したいとしか思えません。
少なくとも、その意図にかかわらず、
その客観的に果たす役割は、ガザ停戦の破壊です。
これだけははっきり断言できます。
そしてまた六月以前の状況に戻る、、、、
永遠にこんなことを繰る返すことに利害を見い出す勢力もあるのでしょうね。
ここが踏ん張り所です。
パレスチナの圧倒的多数の民衆は、戦闘など望んでいません。
確かに、七月から十一月の五か月間、
イスラエルは暴虐の限りを尽くしました。
好き放題、やりたい放題でした。
五か月間に、パレスチナ側は、
四百人前後の死者、千五百人前後の負傷者を出しました。
イスラエル側は、兵士三人と市民二人の死者を出しています。
この数字だけみれば、パレスチナ側は、
イスラエル側の数十、数百倍の被害を出しています。
しかもガザは、経済封鎖、経済破綻、電気・水道のインフラの破綻、等々、、
戦闘がなくても、破綻した生活を強いられていたのに、
強度の戦闘で更なる苦しみを味わわせられました。
停戦は、とにかく、一息つきたい、
怪我人を病院に連れて行って、治療したい。
肉体的、精神的に休息を必要としていました。
そういう意味では、屈辱的な停戦です。
しかし、これが現在の力関係です。
良くも悪くも、これがリアルな現実です。
中国の故事成語に「臥薪嘗胆」というのがあります。
パレスチナは臥薪嘗胆して欲しいです。
20年後、30年後に、力をつけたパレスチナを実現すればよいではないですか。
経済力、教育水準、組織力、団結力、
ニ国家共存を果たし、周辺諸国との経済的交流も増加し、
世界中と経済的取り引きをし、
世界中に様々な分野で優秀なパレスチナ人が躍進する。
それは決して不可能ではありません。
もう一度態勢を立て直し、
・「囚人文書」に基づく、1967年のラインに基づく
パレスチナ国家樹立を目指す統一戦線政府を樹立する。
・ガザでの停戦を、西岸に広げるとオルメルト首相も言うのだから、
是非その言葉通り実行してもらう。
・兵士と収監者多数を交換する
・まずは経済状態を改善する
つまり「体力」を回復せねば何事も為し得ません。
ロケットを撃つのが、反占領闘争なのではありません。
否、現在の停戦合意以降に於いては、
反占領闘争を歪曲するものです。
これは断固として許してはなりません。
武装闘争を否定しているのではありません。
ガザからのロケット発射は、イスラエルの一般市民を殺傷するだけのもの、
つまり無差別テロです。
反占領闘争に無差別テロが内在するのを許すのか、許さないのかという問題です。
もし許すのなら、私はその反占領闘争自体が腐敗していると判断します。
イラクの『宗派抗争』と言われているものの原因の一つには、
スンニ派武装勢力内に、爆弾テロという無差別テロの内在を
許してしまったことが、その主体的原因だと私は認識しています。
アルカイダ系の狂信主義者が、「シーア派は殺してもよいのだ」と
実行してきたのです。
それを否定する勢力も内在したのですが(1920年革命旅団等)
残念ながら、米軍の存在という難しい客観的条件もあり、
残念ながらアルカイダ系の無差別テロ路線を死滅できませんでした。
チェチェンも同様です。
このままだとパレスチナもまた、チェチェン、アフガニスタン、
イラクのようになってしまう諸条件が成熟してきてしまいます。
ここが踏ん張り所です。
反占領闘争から、無差別テロ路線を死滅させねばなりません。
死滅というのは、殺すという意味ではありません。
具体的には、ロケットを発射する者を拘束すること。
殺すのではありません。
イスラエルなら、発射現場の人間を爆殺するでしょうし、
イスラエルには自衛権があるのですから、それを否定できません。
パレスチナ内部であれば、殺害する必要はありません。
拘束し、反省を促すのです。
また、ロケットを発射しようとする諸組織、諸個人に対して、
その路線的誤謬をイデオロギー闘争を通して、変革するのです。
反省を促し、思想変革するのです。
停戦後のロケット発射によるイスラエル側の死傷者が出ていないのは、
全くの偶然です。
イスラエル側が言うように、もし死傷者が出ていれば、
一体どうなっていたでしょう。
イスラエルは当然軍事的反撃に出るでしょうし、その権利があります。
そしてガザに軍事侵攻し、、、ということを繰り返す、、、
パレスチナの一般民衆の大多数は、
本当にそんなことを望んでいるのでしょうか。
違うのではないですか。
イスラエル側の言い分ももっともだと言わざるを得ません。
ガザ停戦一つ守れない相手と、それ以上高度な合意など
信頼できるのかと。
全くその通りだと、現状では認めざるを得ません。
まずは、ガザ停戦を遵守すること。
違反者を拘束すること。
それが最低限するべきことだと思います。
パレスチナ側が、そういう内容で停戦を申し出たのです。
それを、イスラエル側が守っているのに、
パレスチナ側が一方的に違反しているのです。
ガザ停戦を遵守させ、更には西岸での停戦や
受刑者との交換交渉、
更には、西岸からの入植地撤退、等々。
和平をいかに広げていくのかが問題です。
和平を崩壊させる勢力を拘束せねばなりません。
イスラエルの刑務所にだって、ユダヤ人過激派は拘束されているのです。
パレスチナの刑務所に、パレスチナ人過激派を拘束するべきです。
ここで言う「パレスチナ人過激派」とは、イスラエルの言うそれとは異なります。
パレスチナの「国家的合意」に違反する者達のことです。
無差別テロ路線を実施する者達です。
イスラエルの一般市民を殺傷する行為は無差別テロです。
断固として否定せねばなりません。
それはイスラエルの言うテロリストとも異なります。
西岸での武装闘争は、テロではありません。
アンケートによれば、パレスチナの多数派は、
西岸での武装闘争に限定することを支持しています。
つまり、ガザからイスラエル本土の一般市民を攻撃することに反対しています。