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アナン事務総長、辞任演説でブッシュ政権を批判
http://jp.ibtimes.com/article.html?id=2769
11日、任期を終える国連アナン事務総長の辞任演説が米ミズーリ州トルーマン大統領記念図書館にて行われ、アナン事務総長は米国はテロリズムに対する戦いにばかり重きを置いて、民主主義の理想を犠牲にしてはいけない、と米ブッシュ政権のグローバルリーダーシップを批判した。
アナン事務総長はトルーマン大統領記念図書館に集った大勢の聴衆を前に、「人権と法の遵守が世界の治安と繁栄を維持するために必要不可欠だ。米国は自国の理想と目的を放棄しているように見える。だから米国の同盟諸国は困惑している」と米ブッシュ政権を批判した。
アナン事務総長は、イラク戦争に反対の姿勢を示しており、「国連安保理は今日の世界をより良く反映できるようにならなければならない」と警告している。アナン事務総長は国連を12月31日で去り、10年間にわたる国連事務総長の役職を終えることになる。
また最近公開されたイラク調査グループによるイラク現状報告書に関しては、「軍事面ばかりではなく、政治的側面においても前面に出てイラクを引っ張っていく必要がある。またイランやシリアのようなイラク近隣諸国も自国の地域的な問題であるイラク問題解決に積極的に取り組んでいかなければならない」と述べた。
また米国に対しては、世界でも最も強大な経済力をもっていることから、国際平和構築のために最も大きな責任を負う立場にあると警告した。アナン事務総長は今後の国連のあり方において必要不可欠は5大原則は、「共同責任、世界各国の団結、法の遵守、相互理解、多国間強調主義」であると述べた。
アナン事務総長は辞任演説の場として、国連の基盤を作り上げるのに専心したトルーマン大統領を称えてトルーマン大統領記念図書館を選んだ。アナン事務総長の辞任演説では「トルーマン大統領は『偉大な国家の責任とは世界に仕えることであり、世界を支配することではない』と述べている。トルーマン大統領はそれ故に今後は各国が一体となった防衛手段が強く求められると述べている。その原則に則れば、すべての国の上に支配権をもつような国は存在し得ない」などと、何度もトルーマン大統領について賞賛したが、ブッシュ大統領については一言も触れなかった。
またアナン事務総長は国連安保理の改革の必要性も訴え、「国連安保理は未だに1945年の現実を反映したままだ」と批判した。国連常任理事国5カ国については「特権を持つに足る特別な責任が伴っているということをきちんと自覚しなければならない。国連安保理は各国の国益をベースとして機能するような機関ではない」と厳しく警告した。
アナン事務総長は、イラクの現状はサダム政権下のイラクやレバノン紛争状況よりも劣悪な状況に陥っている、と言及していることから、ブッシュ政権およびボルトン国連大使と緊張関係を築いてきた。ボルトン米国連大使もアナン事務総長同様今月国連を去る。ボルトン米国連大使は、米中間選挙で民主党が勝利したのを受け、辞任が促進された。