★阿修羅♪ > 戦争86 > 884.html
 ★阿修羅♪
ネオコンの力の論理は破産した  安倍の外交も同じ穴のムジナ  【SENKI】
http://www.asyura2.com/0610/war86/msg/884.html
投稿者 愚民党 日時 2006 年 12 月 14 日 13:04:14: ogcGl0q1DMbpk
 

(回答先: 戦争狂ブッシュの戦略破綻 決起した人民に勝てぬ侵略者 【長周新聞】 投稿者 愚民党 日時 2006 年 12 月 14 日 12:12:08)

http://www.bund.org/editorial/20061125-1.htm

ネオコンの力の論理は破産した

安倍の力の外交も同じ穴のムジナ

 11月7日アメリカ中間選挙が行われ、連邦議会上下両院で共和党が敗北し、民主党が12年ぶりに両院の多数派を奪回した。

 アメリカ国民はブッシュ政権のイラク政策を批判し、根本的な見直しを求めたのである。

 ブッシュ政権に追随してきた日本版ネオコン=安倍政権の外交政策も見直すべきだ。ネオコンのタカ派外交では、アジアの平和をつくり出すことはできない。

ラムズフェルドは辞任

 イラク開戦から3年半を経過したが、イラクの治安状態は大混乱したままだ。  アメリカ兵の死者は2800人を超え、イラク市民の犠牲も増え続けている。

 イラク戦争の大義名分とされた大量破壊兵器は存在せず、フセイン政権と国際テロ組織アルカイダとの関連も否定された。民主化されるはずだったイラクは、フセイン政権時代にはなかった深刻な内戦状態に陥っている。ブッシュ政権の掲げたイラク政策はことごとく破綻したのだ。

 こうしたなか、イラクで多数の犠牲者を出しているアメリカ軍内部から、ラムズフェルド国防長官に対する強い批判が噴出した。Army Times、Air Force Times、Navy Times、およびMarine Corps Timesの米軍4紙は、中間選挙前日の11月6日に「ラムズフェルドの潮時」と題された記事を一斉に掲載。「ラムズフェルドは国防長官として、軍人として、また米国民としての信頼を大きく失った」と強く批判した。

 ラムズフェルドはハイテク兵器を主軸とした軍事革命=RMA(Revolution in Military Affairs)を推し進めた。イラク戦争は短期間で勝利できると主張し、緒戦ではステルスや精密誘導弾などでイラク軍を壊滅させた。だが、武装勢力によるゲリラ戦にはハイテク兵器も無力だった。

 RMAのために膨大な予算を使う一方で、イラク駐留軍には防弾チョッキや装甲車の防弾装備すら満足に支給されず、退役軍人などからは「独善的で現場からの忠告を度々無視した結果、今のイラクの現状がある」などと、ラムズフェルドに対する厳しい批判が相次いだ。

 米軍最高司令官でもあるブッシュ大統領は、軍内部からの批判や中間選挙における共和党の敗北を受け、ラムズフェルド国防長官を更迭した。同時にイラク政策の全面的な見直しを指示し、今年3月から超党派で発足した「イラク研究グループ」との意見交換にも乗り出す構えだ。

 「イラク研究グループ」の責任者は、ブッシュの父親=パパ・ブッシュの盟友であるベーカー元国務長官だ。ベーカーは極めて現実主義的な外交政策を採る人物で、ラムズフェルドの後任の国防長官には、同グループに所属していたゲーツ元中央情報局(CIA)長官が決まっている。

 ブッシュ政権内には、未だチェイニー副大統領やボルトン国連大使などのネオコン派が残存しているとは言え、その影響力は確実に低下している。善悪二元論で世界を裁断し、「悪とは交渉しない、打倒するのみ」(チェイニー)と、先制攻撃戦略を正当化してきたネオコン戦略は今や完全に行き詰まったのだ。アメリカ外交は現実主義へ転換しようとしているのである。

イラク戦争を正当化する安倍

 ネオコンに主導されたブッシュ政権の尻馬に乗り、アメリカに追随してきただけの日本外交も根本的な見直しが求められている。

 そもそもイラク戦争は、ドイツやフランスをはじめ、世界各国の反対の声を無視して強行された。開戦前には全世界で1000万人を超える人々が、戦争反対の集会やデモに立ち上がった。

 こうした国際世論に挑戦するかのように、当時の小泉首相は真っ先にイラク開戦を支持した。小泉政権を引き継いだ安倍首相も、国会答弁で「イラクは国連決議に違反し続け、大量破壊兵器を保有していると信じるに足る理由があり、(イラク戦争支持は)正しい決定だった」と言い続けている。

 しかし、戦争を引き起こした当事国アメリカで国民の強い批判が起き、ブッシュは事実上イラク政策の失敗を認めている。安倍首相は、イラク戦争支持が誤りであったことを認め、イラクに派兵している航空自衛隊の撤退を決断すべきなのである。

 戦争を煽ったマスメディアの責任も見逃せない。読売新聞や産経新聞は、日米同盟の重要性を根拠にイラク戦争支持を主張してきた。にもかかわらず中間選挙の結果については、まるで他人事のように報道している。

 11月9日付産経新聞社説では、「今回の選挙は、ブッシュ共和党政権のイラク政策への『信任投票』の色彩が濃かっただけに、民主党の勝利は、ブッシュ政権のイラク政策に対する不満、いらだち、批判を示す形となった」などと、自らがイラク戦争支持を主張したことについての反省は何一つない。

 しかも「日本としては、日米関係をさらに強めるためにも、米議会との意思疎通を一層強めることが必要だ」などと結ばれている。相変わらずアメリカの顔色ばかりを気にしているのである。日米同盟を盾にして「虎の威を借る狐」のように振舞っているだけなのだ。アメリカ追随のまるで茶坊主である。

 安倍新政権は、小泉政権の対米追随路線を無批判に引き継いでいる。安倍は自著『美しい国へ』の中で、「人間社会を平和で、安定したものにするためには力を持たねばならず、その力の行使をけっして畏れてはならない」(ロバート・ケーガン)と主張するネオコンに共感している。

 しかし、世界最強のアメリカの軍事力はイラクの平和や安定をつくりだすどころか、破壊しただけだ。ネオコンの失墜でアメリカ外交が現実主義への転換を余儀なくされるなかで、安倍が北朝鮮への強硬姿勢一辺倒を続ければ、世界中から孤立するだけだろう。

非核三原則は有名無実

 「戦う政治家」を標榜する安倍の周辺からは、北朝鮮の核実験に対抗して日本も核武装について論議すべきだというタカ派の声が強まっている。

 これに対して、自民党内部からも非核三原則(核をつくらず、持たず、持ち込ませず)や、平和憲法の立場からの批判が出ている。

 日本の核武装は、アジアにおける核軍拡競争を煽ることにしかならない。そもそも核武装しようとしても、日本には核実験を行う場所すらない。狭い国土に人口が密集し、東京や大阪に都市機能が集中している日本は、たった1〜2発の核爆弾で壊滅的な被害を受ける。一度核戦争となれば、一番脆弱な国なのである。

 だからこそ日本は、平和外交に徹して核戦争の危機を回避しなければならない。しかもアメリカは日本を核の戦場に想定している。非核三原則は、少なくとも沖縄においては一度も実現されたことはない。

 1969年11月に開催された日米首脳会談で、当時の佐藤栄作首相とニクソン大統領の間で沖縄返還が合意された。これを受けて71年5月衆議院で沖縄の「核抜き返還」と「非核三原則」が決議され、72年に沖縄返還が実現した。しかし、沖縄返還交渉の裏では、核に関する日米の極秘合意書が交わされていたのである。

 「TOP SECRET」と冒頭に記された英文の合意書では、アメリカ側から「重大な緊急事態が生じた際、米政府は日本国政府との事前協議の上、核兵器を沖縄に再度持ち込んだり、あるいは沖縄を通過する権利が認められる」と要請し、日本側が「事前協議が行われた場合には、遅滞なくそれらの要求に応じるものとする」と応えている。

 同文書には「米国政府は、沖縄に現存する核兵器の貯蔵地嘉手納、那覇、辺野古とナイキ・ハーキュリー核部隊を、重大な緊急事態が生じた時にいつでも使用でき、利用できる状態に維持する必要を求める」とも記されている。緊急事態を認定するのはアメリカであり、事前協議も任意でしかないのだ。

 沖縄返還は、沖縄の核基地を米軍が自由に利用するという秘密合意により始めて実現した。佐藤栄作がノーベル平和賞を受賞する根拠となった「非核三原則」は、この秘密合意の存在を隠すための方便にすぎなかったのだ。

 これを証明する動きを在沖米軍は行っている。北朝鮮が核実験を行った直後の10月11日、米軍嘉手納基地に最新の迎撃ミサイル・パトリオット(PAC3)が配備された。万一核戦争となれば、真っ先に攻撃されるのは核基地だ。PAC3配備は、嘉手納に核基地が存在することを物語っているのだ。

 アメリカの核の傘の下にいながら非核三原則を掲げても、日本は国際社会から信頼を得られない。被爆国日本が世界に向けて核廃絶を呼びかけていくためには、少なくとも沖縄の核基地に関する秘密合意を破棄し、名実共に非核三原則を実現する必要がある。

 広島・長崎に原爆を投下された日本は、核戦争の悲惨さを誰よりも良く知っている。一度核戦争が起きれば、勝者も敗者もなく、膨大な一般国民が犠牲となる。しかし安倍政権は戦争を回避する努力よりも、戦争の準備ばかりに突き進んでいる。

 今や全国の自治体には、国民保護法に基づき、武力攻撃を受けた際の国民保護計画を本年度内に作成することが義務付けられている。既に政府は「国民保護に関する基本指針」「テロや武力攻撃から身を守るために」などを作成した。

 そこには、核攻撃への具体的な対処も記されている。目がつぶれるから核爆発の閃光を見るな、遮蔽物に身を隠せ、避難に際しては「風下を避け、帽子を被り、手袋をつけ、口や鼻をタオルで押さえて逃げるよう」などとある。

 広島・長崎で被爆した人々は、自らの悲惨な体験をもとにして、そもそも核戦争が起きたら国民を守ることなどできないと訴えている。国民保護計画で核戦争に備えるよりも、核戦争を起こさないための外交努力にこそ力を注ぐべきなのだ。


http://www.bund.org/editorial/20061125-1.htm

 次へ  前へ


  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ       HOME > 戦争86掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。