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【全訳】イラク、戦争、商売、そしてロスチャイルドの格言:米国がイラクで負けた??(M.フレイタス:IAR-Noticia
http://www.asyura2.com/0610/war86/msg/846.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2006 年 12 月 12 日 23:22:12: SO0fHq1bYvRzo
 

【全訳】イラク、戦争、商売、そしてロスチャイルドの格言:米国がイラクで負けた??(M.フレイタス:IAR-Noticias)

アルゼンチンのジャーナリスト、マニュエル・フレイタスの文章は阿修羅で何度か紹介していますが、今回は『イラク、戦争、商売、そしてロスチャイルドの格言:米国がイラクで負けたなどと、誰が言うのだ?』(IAR-Noticias、06年12月2日)です。
(原文:スペイン語)
http://www.iarnoticias.com/secciones_2006/irak/0040_guerra_y_negociosr_30nov06.html
Irak, la guerra, los negocios y la máxima de Rothschild ¿Quién dijo que EEUU perdió en Irak?  Por Manuel Freytas


私としては、フレイタスがややユダヤ・ロビー周辺の経済面に集中しすぎて、イスラエルの政治目的を軽視していることが不満な点ではあるのですが、しかしこの記事に書かれてあることは、イラクと、そして今後行われるかもしれないイランとの戦争について、より本質的な面に鋭く突っ込んだものです。

この世を全面支配しようとしているのは、第一に何よりもマモン(貨幣神)であり、その神官たる大資本家とその背後の大金融資本家であることは疑う余地も無いでしょう。単純な原則ですが、同時にまたつい派手な現象に目を奪われて見落としてしまいがちな点だと思います。


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イラク、戦争、商売、そしてロスチャイルドの格言:米国がイラクで負けたなどと、誰が言うのだ?

マニュエル・フレイタス(Manuel Freytas)


(IAR-Noticias) 06年12月2日

イラクは商売をするためにでっち上げられた「戦争」だった。そして帝国の資本主義経済と地政学的戦略はイラク占領と相互補完的なものである。米国はアジアに向ける中東での戦略的軍事コントロールの部隊配置を終わらせ、連合諸国は商売を行うために新しい「飛び地」を計画している。

マニュエル・フレイタス著


ブッシュと共和党は11月7日の選挙で議会の両院で統制権を失った。そして民主党が議会の少数派から多数派になった。選挙戦での戦術として、米国政府に6ヶ月以内の期限でイラクの軍隊を撤退させることを要求しながら、であった。

民主党は選挙戦のマーケティングとしてイラクを取り扱いながら選挙に勝った。そして今や、2008年の大統領選で選挙戦の目玉として、軍撤退の議論を二番煎じ的に利用しようとしているのだ。

ブッシュはといえば、「状況を研究する」などといった発言で時間稼ぎ戦術をもてあそんだ後で、選挙での敗北をなじるわけでもなく「前進への旋回」の戦略なんぞを打ち上げた。敗北を認めた同じ日に、その外交政策の目玉として「反テロ戦争」を追認し、米軍が「敵であるテロリストに打ち勝つ」までイラクに居座り続けるだろうと発表したのである。

米国のテレビや新聞では解説者たちが、もし米占領軍が撤退したら何が起こるのかの「分析」を始めている。そしてペンタゴンの将軍達と同じ結論に達している。米国の兵士がいなければイラクは「カオス」の状態に陥り国が細かく分裂してしまうだろう、と。

実際にはそういったメディアの「分析」などどこにも無いのだ。ただ占領下のイラクで商売を行っている米国の経済的支配者や石油大企業、軍事産業、金融業界、そして保安サービス企業の一般的な見解を反映しているのみである。

それにはまた欧州の、何よりも英国とフランスの企業も加えられなければならない。それらは石油の略奪と「再建」で特権を与えられている仲間である。

結局、米国がイラクに侵略したとき、ブッシュと鷹派どもの「救世主的で軍事主義的な」冒険だけでそれを行ったのではなく、第一に石油とイラクの市場を支配するためだったのである。

「右派」ユダヤ・ロビーによるネオコンの「中東再編成」の重苦しい戦略の後ろに、ウォール・ストリートと軍産複合体の企業群の「商売の計画」があるのだ。その中心的な動機は、「悪の頭目」と対決する戦争ではなく、最大の収益性と市場の征服を貫くものである。

この意味で、帝国主義経済の支配者、ウォール・ストリートの椅子に座る現実的な権力、そしてホワイトハウスを民主党と共和党の両方から支配する(右および左の)ユダヤ・ロビーの論理は、ロスチャイルドの次の中心的な命題を実行に移しているのである。すなわち、《もし戦争が無いのなら商売のためにそれを作り出さなければならない》。

そしてそこから別の結論が導き出せる。イラクは商売をするためにでっち上げられた「戦争」だった、と。そして資本主義経済とこの帝国の地政学的戦略はイラクの占領で互いに補足しあっている。米国はアジアに向けての中東の戦略的軍事コントロールの仕掛けを終了させ、そして企業群は商売をするために新しい「飛び地」をその勘定に入れているのである。

そして今までの統計が示すように、諸帝国(資本を含むが)は、「軍事的に敗北する」ときにのみ、その植民地と商売を諦めるのだ。

米国はイラクで決して敗北したのではなかった。彼らの敗北は政治的なものである。米軍兵士の死者の数字(1日に平均2名)は、日々160人が死んでいるイラク人と比較してほとんど無きにも等しいものだ。これは最新の国連の統計による。これによると、1日に2名の米軍に対して158名のイラク人が死んでいる。

これと同じ比率で、米国軍に対する攻撃は、イラクの武装勢力に対する攻撃や、《CIAにコントロールされる「内乱」》によって作り出される莫大な死者に比べるとごく小さなものである。

その一方で、イラクは一つではなく、北のクルド、中央のスンニ、みな見のシーアと『三つのイラク』があるのだ。

シーア派とクルド人(イラクの人口の75%)は米国に反対するつもりは無いばかりか、占領軍の政治的な同盟者である。米国占領軍の部隊を軍事的に叩いている者達はスンニ派(人口の25%)であり、彼らはバース党とサダム・フセインの30年間に権力を保持していた。

結果として、イラクはイラクではなく「三つのイラク」であり、侵略軍と戦う一つのまとまった「イラク抵抗勢力」があるのではない。さらに、そこには米国と同時にクルドやシーアの共犯者と戦う一つの『スンニ派抵抗勢力』があるのである。

クルドとシーア(スンニの少数派を含む)は、軍事占領政策の中での選挙で大量に投票し、米国に協力する「正式な」政府の要人に選ばれている。彼らは侵略軍の存在を社会的に正当なものとしているのだ。

ここにベトナム(不当にもイラクと比較されるのだが)の戦争とは根本的に異なるものがあるのだ。ベトナムでは米国侵略勢力は、一つのまとまった国とその武装勢力、ゲリラと一体化した国民によって、軍事的に敗北させられたのである。

イラクでの現象はベトナムとは逆だ。米国は一つのまとまった国と戦うのではない。その人口の多数派(シーアとクルド)をその軍や警察として利用して少数派のコミュニティー、スンニ派を押さえつけようとしている。

したがって、そして問題の中心にあるものが明らかである。イラクで起こっていることは戦争ではなく、人口の75%による好都合な占領であり、他の25%に対する政治的・軍事的な抑圧なのである。

具体的で現実的な言葉で言えば、イラクはすでに分割されている。北のクルドは石油を確保するための「独立」を求め、南の親イラン勢力であるシーア派は南部の石油とイランのアヤトラを奉る「原理主義政府」の隊列を望んでいる。そしてスンニ派はシーア派とクルド人と米国人の上に立ちサダムの時代のように彼ら自身の政府を強化したいのだ。

イラクに600人いるCIA要員は、彼ら自身がスンニを殺すのではなく、分裂と内戦を激しくさせる(分割して支配する)ために、シーアとクルドによって構成される殺人集団による計画的虐殺を組織化しているのである。

これが、米国大使館や米軍司令部がイラクを取り扱う『コントロールされるカオス』の戦略を理解するための中心的なポイントである。その大量殺人による「次々と激化する暴力」は、必要なときには起こさないようにできるのだ。11月7日の米国選挙の72時間前からイラクでただの1件も襲撃事件が無かったことを見ても明らかである。そして投票と開票結果が出たわずか24時間の後に暴力の大波が再開した。

このことが、同時にまた、今日イラクから軍隊を引き上げることに反対する米国の経済支配者達が取り扱っている論理を説明するのである。それは、もし米国軍が現在CIAとペンタゴンに「コントロールされている殺人」の場から手を引いたならばこの国はクルド、シーアそしてスンニの間での『三重の戦争』の場に変わってしまう、ということである。

「イラク政府」(これは諸機能と政治と経済の単位を維持している)の公式な存在が壊れたりしたら、石油、武器、治安サービスの商売、そして占領によって利益を受ける企業による「再建事業」もまた、同時に壊されてしまうのだ。

この火曜日【訳注:2006年11月28日】にブッシュは米国軍がイラクに留まることを追認した。そして国連の安全保障理事会(ワシントンにコントロールされる)はイラクを占領する多国籍同盟の委任統治を1年間延長することを渋々承知した。それは現状の16万人の兵士によるものでありその中の14万4千人を超える部分が米国軍で占められている。

正確で現実的な書き方をすれば、これは次のことを意味する。共和党と民主党をコントロールする米国経済の権力支配者(つまり「ドルのユダヤ・ロビー」)が、ブッシュとその軍隊がイラクに留まるように決定したのである。

軍隊の引き上げは、単に民主党が選挙戦術で行ったマーケティングだけだったし、この党はこれからもそうするだろう。

実際のところどちらの党も、米軍基地を背景にしてNATOにイラクを軍事的にコントロールさせようと画策している。

2008年には両党はホワイトハウスを争うことになる。そして勝った方がワシントンに居座って、いつものことだが、ロビーとその企業の利益のために最も適切なことを行うことになる。

こうやってこの帝国が動くのである。それ他のことは、口先であり、神話であり、そして商売なのだ。

【翻訳、終り】
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