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戦争の狂気の中で書かれたピュアな魂の言葉
知る権利も言論の自由も奪われた戦時下に青春時代を送りながら、軍国主義一辺倒の洗脳教育に侵されることなく魂の言葉を書き残した詩人がいる。近年、ますます注目が集まるその人、竹内浩三の作品を編んだ「竹内浩三集」(2200円)が藤原書店から刊行された。
「戦死やあわれ、兵隊の死ぬるやあわれ」で始まる有名な詩「骨のうたう」で知られる浩三は、切り込み隊員として送られたフィリピンで23歳の若さで戦死する。入営後、転属先の茨城の兵舎で小さな手帳に書き残した「筑波日記」は、くりぬいた宮沢賢治の本の中に隠し、姉のもとに届けられたという。
兵営生活をつづったその「筑波日記」や書簡の中から拾い集めた言葉や、東京での短い学生生活を題材にした作品などを紹介。そこには、戦争という異常事態に巻き込まれながら人生を味わうように生きる当時の若者の等身大の姿がある。
編者であるよしだみどり氏は「戦争の狂気を憎み、また最もおそれ、人を殺す訓練を受けながら正気を失うまいとして書かれた言葉ゆえに、浩三の詩は人間らしさに満ちあふれている」とその作品の魅力を語る。
ページの随所に「人間が好きで人を楽しませるのが大好きだった」浩三が中学時代に描いたユーモラスなマンガや落書きが添えられ、作品を引き立てる。
戦前に回帰しているようなきな臭さが漂う昨今、詩人のピュアな言葉が一層胸に響く。