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□エクアドル：マンタ基地、「コロンビア計画」に役割果たす？ [JANJAN]
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エクアドル：マンタ基地、「コロンビア計画」に役割果たす？ 2006/12/04
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【キトIPS＝キントー・ルーカス、８月２４日】
コロンビア空軍のパイロットが在エクアドル米軍基地から作戦活動を行っているという報道に対して、エクアドルの左派と先住民族から厳しい批判の声が上がっている。彼らは、隣国コロンビアの武力紛争にエクアドルが関与することに強く反対している。
『エクスプレソ・デ・グアヤキル』紙にジャーナリストのユアン・カルロス・カルデロン氏が最近寄稿した記事によると、首都キトから南西に３２０キロのところにある太平洋沿いのマンタ基地から発進する軍用機に、エクアドル空軍（FAE）のパイロットとともにコロンビア空軍（FAC）のパイロットが乗り組み、長らく共同作戦を行っているという。同基地は、コロンビア紛争に関与する軍用機に対する兵站基地として主要な役割を果たしている。
８月２０日、マンタ基地の空中早期警戒管制機（AWACS）飛行隊のリッチ・ボイド司令官が、『エクスプレソ・デ・グアヤキル』紙に対して、同基地のAWACSはコロンビア軍のパイロットによっても操縦されていると語った。
マンタ基地使用協定に従って、AWACSは米軍のパイロットが操縦し、エクアドル空軍の兵士が共同パイロットとして横に付くことになっている。同協定によって、エクアドルはマンタ基地を麻薬撲滅作戦のために米空軍に貸与している。
同地域における主要な麻薬撲滅活動は、米国の支援した「コロンビア計画」（Plan Colombia）である。同計画は、アンドレス・パストラナ政権（１９９８−２００２）が、麻薬密輸とコロンビア革命軍（FARC）のゲリラを取り締まる戦略のひとつとして、１９９９年に始めたものである。
しかし、『グアヤキル』紙の説明によれば、コロンビアのパイロットがエクアドルのパイロットと共にAWACSの飛行に参加している。
ボイド司令官は、コロンビアの兵士は航空機がエクアドル上空にあるときにはコックピットを離れ、また逆の場合もそうするから、それぞれの国の機微事項、機密事項は保護されていると述べている。
また、同司令官は、米国は２７機のAWACSを保有するが、そのうちマンタ基地に配備されているのは３機であると語った。それぞれの値段は１０億ドルであり、これは、エクアドル空軍全体の２００５年予算の２倍にもなる。
司令官はさらに、同紙に対して、AWACSは半径３２１．８キロメートル以内のすべての無線会話とレーダー・シグナルを傍受できると語った。
同記事では、匿名のエクアドル空軍兵士が、コロンビアのパイロットがエクアドル・コロンビア間での諜報活動のためにAWACSのフライトに参加していることを認めたが、コロンビア軍人は飛行中にマンタ基地とコンタクトはとっていない、と述べた。
また、この兵士によると、コロンビア軍パイロットの参加は、AWACSによる作戦だけに厳密に限られている。「マンタ基地やエクアドル軍との接触はないし、共同作戦に加わることもない。ただ、コロンビア領空を飛ぶときだけ活動しているだけだ」。
エクアドル空軍は、エクアドルと米国が１９９９年１１月に結んだマンタ基地使用協定において、「麻薬撲滅作戦を促進するため、第３国の代表が、米国政府の指定した航空機に操縦官として乗り組むことになる」と定めている。
『グアヤキル』紙は、操縦官が同時に５人以上乗り組むことはない、また、米国関係者だけがAWACSに乗り組むコロンビア兵士の人数を知っており、エクアドル空軍はそれを知らない、とも記している。
エクアドルのオズワルド・ジャリン国防大臣は、コロンビア兵士がマンタ基地所属の航空機を操縦しているとの見方を否定し、エクアドル空軍はマンタにおける米国の活動に関して週ごと、月ごとに報告を出している、と語った。
ジャリン氏は、現在までのところ、エクアドル・米国間の協定は尊重されているという。「エクアドル軍人は、米国が行うすべての監視飛行に参与している」。
しかし、ジャーナリストのカルデロン氏は、こう疑問を呈する。「彼らは、マンタ基地がコロンビア計画の作戦のために使われていることを否定している。しかし、コロンビアのパイロットがエクアドルから作戦活動を行っている事実をどう説明するのだろうか？」
コロンビア軍のパイロットに関するボイド司令官のコメントは、マンタ基地のジャヴィエル・デルッカ新司令官の先週の発言に引き続くものだ。デルッカ司令官は、マンタ基地はコロンビア計画において「非常に重要」であると述べ、エクアドルがコロンビアにおける反乱勢力鎮圧作戦に関与していることをうかがわせた。
エクアドルのフランシスコ・カリオン外相はこれに対してすぐに抗議書簡でもって応え、マンタ基地からであれ他の場所からであれ、コロンビア計画への関与を完全に否定した。
コロンビア計画のもっとも問題の多い点のひとつは、コカ畑に対して空中から農薬を散布しているということだ。これが環境と農村人口に悪影響を与えている。
カリオン外相は、マンタ基地の存在によってエクアドルの安全保障は損なわれていると考え、もし外相であり続けるならば、２００９年にマンタ基地貸与協定が切れたらそれを更新しないと繰り返し明らかにしている。
マンタ基地使用協定は、ジャミル・マフアド大統領（当時）、ベンジャミン・オルティス外相（当時）、国会の国際問題委員会のハインツ・モエラー委員長との間で結ばれたものである。
しかし、協定は、憲法上必要とされている国会本会議での通過を果たしていない。そのため、識者や社会活動家の間からは、協定は違憲であるとの声が上がっている。
他方、８月２１日、エクアドルの人権恒久会議（APDH）が、エクアドル国境近くで農薬空中散布を始めたとしてコロンビアを非難した。
先週、コロンビアのマリア・アラウージョ外相は、人体に悪影響を与える毒物である除草剤の散布は一時停止されていると主張している。
しかし、APDHのアレクシス・ポンス氏は、空中散布がコロンビア国境沿いのプトゥマヨ州で８月１３日から１６日にかけて行われたとし、IPSに対してこう語った。「彼らは、空中散布が再開されると住民に警告するための集会を開き、８月１７日には、モコア（プトゥマヨ州の州都）の拡声器を通じて、散布は終了したと発表している。これは、コロンビア外相のキト訪問とちょうど時を同じくしている」。
コロンビア国境沿いにあるエクアドル・スカンビオ州のサンミグエル、オリート、グアメスに住む人々は、作物が除草剤によってやられていると訴え、今週、コロンビア当局に証拠を提出すると発表した。
APDHもまた、マンタ基地をコロンビア計画と関連づけるデルッカ司令官の発言を批判している。「外相が送った抗議書簡に関しては賛同するが、十分ではない。われわれは、デルッカ司令官の発言を真実として取り扱うところからはじめなくてはならない」とポンス氏は述べた。
その他の市民団体も、マンタ基地に対する懸念を表明している。
エクアドル先住民族総連合（CONAIE）の最大加盟団体であるケチュア総連合（ECUARUNARI）のウンベルト・チャランゴ代表は、政府に対して、マンタ基地運用の条件について調査するよう要求した。
先住民族の議員、リカルド・ウルクアンゴ氏は、議会に対して説明をするよう国防大臣に要求すると発表したが、譴責決議を提出する可能性について排除しなかった。（原文へ）
IPS関連ヘッドラインサマリー：
コロンビア戦闘機、エクアドル国境地帯を攻撃
武装解除も『平和構築』につながらず
フランスの大臣、コロンビア革命軍に人質返還を呼びかけ
死者の数を数えるカンクアモ・インディアン
麻薬撲滅対策：問われる農薬の空中散布
(ＩＰＳJapan)
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