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中南米は民主化を目指す
http://plaza.rakuten.co.jp/31sakura/diary/200611290000/
ラテン・アメリカには独裁者と戦ってきた歴史がある。現在、ベネズエラではアメリカに立ち向かう元軍人ウーゴ・チャベス大統領が支持され、エクアドルでは「左派」とされるラファエル・コレアが大統領選挙で勝利、ニカラグアではアメリカ政府が敵視してきたサンディニスタのダニエル・オルテガが大統領として復活しているが、驚くような話ではない。
過去を振り返ると、ロシア革命前の1910年、メキシコでは独裁者の打倒を目指して民衆が蜂起、1917年には民主的で民族的な憲法が制定されている。いわゆる「メキシコ革命」だ。第2次世界大戦後、1950年にはグアテマラで多国籍企業の経済支配を否定するヤコボ・アルベンス・グスマンが総選挙で当選して大統領に就任、1970年にはチリでもアメリカ政府からメディアや労働組合を使って攻撃されていたサルバドール・アジェンデが選挙で勝利し、大統領になっている。1959年に革命を成功させたキューバがアメリカの経済封鎖などで圧力をかけられているにもかかわらず耐えていられる一因は、ラテン・アメリカ民衆の支持があるからだろう。
そうしたラテン・アメリカの人々を暴力で押さえ込もうとしてきたのがアメリカ。「棍棒外交」は歴史用語になっている。戦前は海兵隊を使い、戦後は秘密工作(テロ)チームを使い、人々の意志を封じようとしてきたのだ。そして資源を奪い、安い労働力を使ってアメリカ社会は膨大な利益を手にしてきた。独裁者に資金を貸し、その資金は欧米の銀行へ預金として還流、あとは民衆が借金の返済をするという「オレオレ詐欺」のような融資でも甘い汁を吸ってきた。
大戦が終わると、アメリカの情報機関はナチの残党を「ラット・ライン」と呼ばれる逃走ルートでラテン・アメリカに逃走させ、その元ナチを利用して独裁政権をいくつも産み落としている。そうした元ナチの中で、最も有名な人物のひとりがクラウス・バルビーだろう。コカイン業者の資金を使い、バルビーは1980年にボリビアでクーデターを成功させている。グアテマラやチリの民主政権もCIAを黒幕とするクーデターで倒された。
チリでは、1973年のクーデターから1990年までオーグスト・ピノチェトが独裁者として君臨した。その間、多くの人が暗殺、拷問などの犠牲になったが、この体制が導入した「マネタリズム」も多くの国民を苦しめている。アメリカ系大企業や一部のチリ人富豪に資産が集中、貧富の差が拡大して社会の歪みは大きくなったのである。
こうした経済政策をアメリカはラテン・アメリカ全域に押しつけたのだが、その結果としてアメリカに対する憎悪が高まり、広がることにもつながった。そうした怒りがベネズエラ、ニカラグア、エクアドルなどで結果として表れている。すでに海兵隊を出せる時代は過ぎ去り、秘密工作も手の内がばれている。プロパガンダや利益誘導だけでは、この流れを変えることは難しいだろう。
Last updated 2006/11/29 11:31:40 AM