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2006/11/30(Thu)
「ビルダーバーグ倶楽部」という本 天木直人
「ビルダーバーグ倶楽部」という本
知る人は知っているが、知らない人は全く知らない、信じない。そういう組織の一つに「ビルダーバーグ」という欧米人の組織がある。実在する組織である。欧米人だけの組織である。最近中国人の要人がその集まりにオブザーバーとして招待されたということが一部のメディアで報じられた。ついに中国が世界支配の仲間に入れてもらうことになるのかと驚きをもって受け止められたのである。日本人は誰一人として今日までこの組織に参加させてもらっていない。
何故ビルダーバーグが問題とされるのか。それは、一つはその閉鎖性、秘密性であり、もう一つはその参加者が世界の金融、産業、政治、軍事の各分野で大きな影響力を持つ人々であるからだ。そこから、ビルダーバーグが「世界を支配する闇の政府である」という陰謀説が生まれる。
ビルダーバーグの存在を全く知らない人はもとより、陰謀説を一笑に付す人も、この世の中は限られた権力者(政治、軍事、経済、金融などを牛耳るものたち)のネットワーク(よく言えば友達づきあい、コネ、悪くいえば談合)によって動かされている事実を知っている。そんな人に是非読んでもらいたい本を私は書店で見つけた。「ビルダーバーグ倶楽部(邦訳)―原題 THE REAL STORY OF THE BILDERBERG CLUB」(バジリコ)と言う本である。「ビルダーバーグ」を長年追い続けてきたダニエル・エスチューリンというフリージャーナリストの手によるものである。
この本を昨日一読した私は驚愕した。そこに述べられていることが事実であるかどうかということはさておいて、これからの世界の動きを観察していく上で、かならずこのビルダーバーグの係わりの有無を念頭におかなければならないと思わせる、そういう本である。
そこに書かれている内容のすべてをここで紹介することはできない。しかし著者の次の言葉は、今日の日本の状況を見事に言い当てている。それだけでもこの本を読む価値はある。
・ ・・テロや金融詐欺で恐怖心をあおり、「脅威」から一般市民を守る名目で武装を整え、市民を監視し、そして攻撃する、この一連の仕組みそのものが、一般市民にとって最大の脅威となっている。こうしたやり方は9.11事件の後、米国大統領が世界に向かって「テロリストに加担するのか、われわれとともに闘うのか」と問いかけた声明の中に露呈している・・・社会に不安感や疎外感などが広がって社会的な病理現象となった場合、全体主義がこの問題を解消する治療薬となる。気力を失った一般大衆の心は、扇動的なイメージになら何でも容易に飛びつく・・人々は愛国心をかきたてられ、夢中になって国旗を打ち振る。こうなると、生活の自由度がどうであろうとも構わない・・・(ビルダーバーグによる世界体制を維持するには)市民の意識を眠らせ、理解を抑え続ける必要がある。もし市民が物事を認識しだすと、集団で恍惚状態にあった市民意識が目覚めはじめてしまうのだ・・・働き、物を買い、子づくりをし、そして眠るだけの人間には、物質主義とただ生きることしか残らない・・・ジャーナリストは自らを検閲し、雇い主の関心に応じて記事を書く。そして隷属者の悲しい性から、支配者にゴマをするのだ。正直さや信念が具体的な利益に結びつくことはほとんど、というよりまったくない・・・一般市民が真実を知りえるのは、無制限の情報なり、きわめて幅広い選択肢なりが与えられる場合に限られる。重大な政治の怠慢や権限の不適切な行使が全市民にあまねく知られなければ、横暴な政治を防ぐことはできない・・・市民の自由を守るために必死になって世の中を動かしているはずの人―選挙で選ばれた指導者、市民運動の指導者、ジャーナリストなどーが皆揃って、実は支配者の側に立って、自由とは別のものを求めて働いているのだ・・・
「ビルダーバーグ倶楽部」を読み進むにつれて一つの思いが私の頭に限りなく広がっていく。この「世界の支配者」がどうしても支配できないのがアラブの抵抗者、イスラムの原理主義者ではないのかと。だからこそ「世界の支配者」は「テロとの戦い」を最後の目的と定めたのではないか。そう考えると日本の支配者はいいように「世界の支配者」に操られていることがわかる。日本の国民はすべてそんな「世界の支配者」の犠牲者であると思えてくる。
http://www.tembosha.com/kd_diary/kd_diary.cgi?20061130
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