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2006.11.22
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人間の盾で家屋爆破をストップ ガザ
18日、イスラエル軍からミサイル攻撃による家屋爆破を予告されたガザの活動家の自宅周辺に付近の住民が多く集まり、ミサイル投下をストップさせたというニュースは比較的広く流れたが、その詳細が入ってきたので、かいつまんで書いてみたい。
イスラエル軍はガザにおいて、ミサイルで爆撃する標的となった住民に事前に予告電話をかけ、避難させるというスタイルで60軒以上もの家屋を破壊してきた。予告は10数分前に行われるというのも珍しくなかった。
18日、午後8時ごろ、予告電話を受けたのは、ガザ北部、ベイト・ラヒアの住民で、人民抵抗委員会の活動家、ムハンマド・バルードさん(29)。バルードさんは10分後にイスラエル空軍機によって家を破壊されると予告され、退避するようイスラエル当局に告げられたが、「私たちは家を去らない」と宣言。2度目の電話にも同じように対応した。
バルードさんと仲間たちは屋上にあがり、スローガンを叫び、銃を空に向けて撃つなどしながら、一方で近くのモスクから「家族を守り、爆撃から家を守るために集まって欲しい」と人々に呼びかけてもらった。
イスラエル空軍機の機影が見えた頃には、3階だて、5家族が住むバルードさん宅の周りに、付近の住民が多く集まりだした。男性も女性もあわせ、1000名ほどに膨れ上がった人々は、屋上、建物の中、建物の周囲に溢れだした。
建物の近くでデモに参加していたイッサ・ラドワンさん(31)はこう語っている。
「もうこういうことに耐えられないんだ。とても困難な人生に。私たちは生きている気がしない。イスラエルは私たちの人生を悲惨なものにして、自分たちは民主国家だと言い、人道を訴える。世界中の人にここで何が起こっているか知ってほしいし、イスラエルのジェノサイドと続いている攻撃から私たちを守ってほしい。彼らは誰かひとりのために家族全体を罰する。私たちがここに来たのは、抗議とイスラエルに「我々は生きていても死んでもそう大した違いはない」というメッセージを送るためなんだ。イスラエルは私たちから自由を奪い、いまだ毎日殺しを行い、私たちの家を破壊し、厳しい包囲を行っている。彼らはわずかな個人のために、すべてのパレスチナ人を罰しているんだ」
また、近所の女性、ウンム・アサアドさんは
「私たちがここに来たのは、バルード家を支援するためであって、彼が指揮官であるとか、特定の党派に属しているからじゃない。私たちの家はバルード家を取り囲んでいて、(バルード家が爆撃されれば)確かに私たちの家もダメージを受けるからなのよ」
と語った。
イスラエル軍報道官は、人々が多く集まっていたために爆撃を中止したということを認めた。だが、爆撃による家屋破壊は続行すると述べ、「武装活動家が一般市民を盾にしている」と非難した。
日曜の夜になっても、バルード家の屋上には数百人が残り、12時間交代で見張りを続けているという。
(自分自身も屋上にいたガザのジャーナリスト、Yousef Alhelouさんの文章: Palestinian mass resistance blocks Israeli air strike より)
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多くの人々が「捨て身」の行動をとり、イスラエルの戦闘機を追い返したことで、パレスチナ自治政府の政治家たちの賞賛をはじめ、今回のことには「新しい非暴力の抵抗運動だ」という評価が生まれている。
(全員ではないにしても、かなり多くの人々が命を投げ出してもかまわないという思いに駆られていたようで、そこまで思わざるを得ない状況というのが、本当は問題だと思う)。
「民間人とファイターを分けて攻撃している」というイスラエル軍の建前を突いた抵抗の仕方だが、
「今や問題なのは、世界で4番目に強大な軍事力を持っているイスラエル軍が、自分たちの権利とイスラエルの占領に抵抗するため、できる限りの手段をもってパレスチナ人が行ったこの最新の非暴力の戦術にどのように応対してくるかということだ。」
( Necessity is the Mother of Inventive Non-violent Resistance Rami Almeghari、11.21より)
イスラエル軍はミサイルで爆撃できないなら、ガザへの地上侵攻を行うと言っている。実際に21日(火)には地上侵攻が始まっているというニュースも入った(これについては、詳細が入ってから改めて)。
http://0000000000.net/p-navi/info/news/200611222046.htm