★阿修羅♪ > 戦争86 > 338.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(回答先: 「市民が軍事攻撃に対する盾として使われてはなりません」(HRW) 投稿者 妹之山商店街 日時 2006 年 11 月 24 日 06:13:59)
確かに、一般市民を戦闘に巻き込んではならないと思います。
しかし、このテーゼを絶対的なものとして、
超然としていてもよいのかという疑問があります。
少なくとも、生きた現実との関係で考察せねばらならないと思います。
つまりガザでは、既に一般市民が戦闘に巻き込まれることが日常化しています。
イスラエルの空爆は、確かに目的意識的に
特定の目標を攻撃しているとは思います。
しかし、それは、意識上は、つまり主観的には、ということです。
客観的には、その空爆の多くにおいて、周囲の一般市民をも巻き込んでいます。
一般市民は、確かに保護されねばならないと思います。
しかし、パレスチナの一般市民は、既に十二分に被害を被っています。
そして、何より、一般市民であると同時に、開放闘争の担い手でもあります。
解放闘争は、何も武装闘争だけではありません。
非武装の直接行動もまた解放闘争の一形態です。
空爆予告を受けた家屋に大挙して結集し、空爆を阻止するというのは、
立派な反占領闘争の一翼、非暴力直接行動だと思います。
しかもパレスチナでは、非武装のデモですら、死傷者を生み出されます。
実弾で、ゴム弾で。
11月3日には、女性だけのデモ隊に発砲され、
二人が射殺され、十数人が重軽傷を負っています。
ですから、今回の人間の盾も、結果として、今の所成功しているのであって、
命掛けの行動だったと思います。
何故それが可能なのか。
どういう気持ちで、馳せ参じたのか。
その個々人の内面にまで立ち入らないといけないのではないか。
何故そこまでできるのか、その可能根拠は何か。
・イスラエルは事前に空爆を予告していること
・人間の盾に対して、今回は空爆を控えたこと
・それでも、今後も事前予告は行うと表明していること
この三点については、肯定的に評価しています。
もちろん全面的に賛美する訳ではありません。
住宅地への空爆は控えたものの、その数時間後には車に空爆を行っています。
また、事前に警告したからといって、その被害に責任がなくなる訳でも
ありません。
一般市民への被害をできるだけ少なくしたいと考え、
且つ実践していると思います。
しかし、それはイスラエル政府、軍が人権主義者、平和主義者であることを
何ら意味しません。
自国民に対して、また国際社会に対して、弁明する余地を残している、
そういう計算だと思います。
もう既に何度も何度も国際社会から非難を受けており、
これ以上非難を受けるのをできるだけ避けなければならないのだからです。
ただ、私個人としては、ガザからのカッサムロケット攻撃は、絶対に反対です。
効果が少ないとかという問題ではなく、たとえ効果が少なくとも、
それは、無差別テロなのだからです。
スデロットの一般市民を標的にしているのですから、断じて許せません。
相手側一般市民を無差別に攻撃しておいて、
自分達の側の一般市民への攻撃を非難するとは、それ自身論理矛盾しています。
占領地の占領軍に対する軍事的攻撃は、テロではありません。
レジスタンスです。
イスラエルのリヴニ外相もそう認めています。
アンケートにおいてもパレスチナの61%は反対しているようです。
また、ハマスもカッサム攻撃を停止する用意があるとも声明しています。
私個人としては、「受刑者の提案」に基づき、
・1967年のラインでニ国家共存を目指す
・武装闘争は、イスラエル本国での一般市民は標的にせず、
占領地での占領軍に対する攻撃だけに限定する。
という内容で、ファタハ、ハマス、聖戦、PFLP等までも
まとまりつつあったように認識しています。
六月末にイスラエルへの越境攻撃を行ったパレスチナの勢力は、
この合意を、パレスチナ内部から崩壊させる為に、
越境攻撃を行ったのだと私は受け止めています。
パレスチナ諸勢力が、上記の合意内容で固まり、
ほぼ合法的な闘争へと収斂されてしまうことに、
危機感、不利益を見い出す勢力によって行われたのだと解釈しています。
例えば、パレスチナ人がイスラエルに虐げられ続けている方が、
反イスラエル、反シオニズム、アラブの大義を掲げることによって、
自国内部の矛盾を排外的に外部に逸らせることに利益を見い出す独裁者達とか。
現状維持にむしろ利益を見い出す諸勢力。
等々、、、
もう一度、仕切り直して、改めて、上記の内容で合意して
そういう内容でパレスチナの統一戦線を結成し、
独立国家建設を達成して欲しいと思っています。
ちなみに、イスラエルが言うところの、テロリストですが、
それはイスラエルが一方的にそう主張しているだけです。
つまり、正確には、
「イスラエルが主張するテロ容疑者」です。
イスラエルの主張に立ったとしても、「容疑者」です。
それをいきなり空爆で爆殺するということが、
一体「民主主義国家」を自称する国の
どういう法的根拠があるのか理解できません。
またたとえ、「イスラエルの法的根拠」があったのだとしても、
その適用範囲は、「イスラエル国内」の筈ではありませんか。
しかも問題は、更に、
@周囲の一般市民をも巻き込むということと、
Aイスラエルは、それを事前に重々承知している
ということです。
事前に警告することは、肯定的に評価できます。
しかし、全面的に賛美することもできません
一つには、10分前なり、30分前なりに警告すれば、
その一切の責任を免除されることにはなりません。
愛着のある自宅を10分後なりに破壊すると一方的に通告されて、
本人は一体どういう気持ちになるでしょうか。
また、病人や障害者などいた場合、十分に逃げ出す余裕があるでしょうか。
そもそも、家屋を空爆するという場合、
@その人は容疑者にすぎない
つまり、その罪が客観的に証明されていない。
Aしかも容疑者本人だけでなく、家族や隣近所の人達まで巻き込んでしまう。
一体、イスラエルの法体系においては、容疑者本人以外への被害は、
どういう位置づけになっているのでしょうか。
まさか、「連座制」などという封建遺制に立脚しているのでしょうか。