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http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20061123/col_____sha_____003.shtml
米中の核協力 今こそ拡散防止訴えよ
米国に続き中国もだ。核拡散防止条約(NPT)に加盟せず核実験をしたインドの核平和利用に協力を表明した。NPT体制を一層弱める行為で、被爆国の日本は今こそ核拡散防止を訴えるべきだ。
インドを公式訪問した中国の胡錦濤国家主席はシン首相と会談し、エネルギーなどを目的にしたインドの核開発に協力することで合意した。
胡主席は続いて伝統的な友好国で、同じくNPTに加盟せず核実験をした隣国パキスタンを訪問し、原発開発への支援を協議する。中国がインドの核開発に協力を表明したのは一九九八年、インド、パキスタンが核実験を行ってから初めてだ。
インドに対しては米ブッシュ政権が今春、核保有を批判してきた従来の政策を転換。民生用原子力に対する技術協力で合意した。これを受けて米議会も対インド核協力法案を可決、年内に成立する見通しだ。
中国はインドに対する米国の核協力を「国際的な核拡散の防止に合致するものでなければならない」(外務省スポークスマン)とクギを刺してきた。それにもかかわらず今回、インドへの核協力に踏み切ったのは米国が中国の台頭をけん制するためインドの「取り込み」をはかり、中国もそれに対抗する必要があったためだ。また、パキスタンの核開発への支援を強化するためには、インドにも協力を表明し、インドの反発を和らげる必要があった。
自らの国益から、核実験で国際的な批判にさらされた両国の核開発に協力する米中両国の姿勢は「二重基準」そのもので、崩壊のふちにあるNPT体制に一層の危機を招く。
NPTは核保有国を米国、ロシア、英国、フランス、中国の五カ国に限定し、他の国々の核保有を禁じる一方、保有国に核軍縮を求めた条約で、一九七〇年に発効した。しかし、事実上の核保有国になったインド、パキスタン、イスラエルは未加盟で北朝鮮は二〇〇三年、脱退を宣言。先月、核実験に踏み切った。
北朝鮮は核さえ保有してしまえば、国際社会はそれを受け入れざるをえないと見越している。六カ国協議再開に向けた米中との秘密協議でも再実験や核輸出を自制することの見返りに制裁の解除や経済協力を求めているようだ。こうした「自信」の根拠になっているのが米中の「二重基準」だと言わざるをえない。
日本は核兵器の悲惨さを肌身で知る国として米中両国も含め、国際社会に核軍縮と核拡散防止を強く訴えなければならない。自らの核保有を論議しているときではない。