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http://homepage.mac.com/ehara_gen1/jealous_gay/peter_popham.html
米軍はファルージャ攻撃に「化学兵器を使った」
ピーター・ポプハム
2005年11月8日
2004年11月、米軍がファルージャを攻撃した際に白燐兵器を大量に投下したという有力な証拠が新たに昨日あきらかになった。米軍は、この兵器でゲリラと民間人を殺し、遺体にはこの兵器を使ったことを示す恐ろしい焼け跡が残された。
この攻撃──西側ジャーナリストはまったく報道しなかった──のときから、米軍がファルージャに化学兵器を使ったという噂は広まっていた。
昨2004年11月10日、イスラム・オンラインのウェブサイトには、次のようにある:「米軍兵士たちはイラク人抵抗の拠点であるファルージャに対する大規模な攻撃の中で化学兵器と毒ガスを使ったことが報じられている。1988年にサダム・フセインがクルド人に毒ガスを使ったとされる事件を思い起こさせる忌まわしい行為である」。
同ウェブサイトは、ゲリラ筋の次のような言葉を引用していた:「米占領軍兵士たちは抵抗の戦士たちに毒ガスを使い、国際的に禁止されている化学兵器で攻撃した」。
12月、米国政府はこれらの報道を「広まった神話にすぎない」として公式に否定した。「米国が「禁じられた」燐爆弾をファルージャで使ったとするニュースもあるが」、「燐兵器は禁止されていない。米軍はファルージャでこの兵器を極めて慎重に使った。明るくする目的でである」と米国情報ウェブサイトは述べている。
「夜間に敵の位置を照らし出すために空に向けて発射されただけで、敵の兵士たちに向けては発射していない」。
けれども、今や恐ろしいまでにひどい写真とビデオ、さらにはファルージャ攻撃に参加した米軍兵士たちとのインタビューにより明らかになった新たな情報は、燐弾が武器としてファルージャで広く使われたことを示している。
イタリア国営放送RAIが今朝放映することになっているドキュメンタリーの中で、ファルージャでの戦闘に参加した元米軍兵士の一人は次のように述べている。「ファルージャで白燐を使うので注意するよう求める命令を私は聞いた。軍の隠語で、白燐はウィリー・ピートと言うんだ」。
「燐は体を燃やす。実際、肉をすっかり骨に至るまで溶かすんだ・・・・・・俺は女や子供の焼けただれた遺体を見た。燐は爆発すると雲をつくる。半径150メートル以内にいれば誰でもやられる」。
RAIの24時間ニュース・チャンネルであるRaiTG24のウェブサイトに掲載された写真は、まさにこの元兵士が言っていたことを示している。ファルージャの人権研究センターが提供した数十枚の高密度のカラー接写写真はファルージャ住民の遺体を示している。中にはまだベッドの中にいる人の写真もあり、服はほとんどもとのままなのに、白燐弾によって皮膚が解けたりカラメル状になったり革のように硬くなったりしている。
ファルージャに住む生物学者モハマド・タレクは番組のインタビューに答えて、「火の雨が町に降り注ぎ、この多彩な色の物質を浴びた人々は燃え始めた。私たちは、人々が奇妙な傷を負って死ぬのを目撃した。体は燃えるけれど、服はもとのままなんだ」。
「ファルージャ:隠された虐殺」と題するこのドキュメンタリーはまた、Mark77と言う着火性爆弾が使われた抜き差しならない証拠も提供している。Mark77は新たな改良型ナパームで、軍事標的に対してのみ使用を認める1980年の国連特定通常兵器禁止条約に違反して、ファルージャ攻撃に使われた。
一方、現在、米軍第75エリート歩兵連隊の兵士5名が、イラクで捕虜に殴る蹴るの暴行を加え、告発されている。
昨日には、バグダードの南にある検問所で4人の米軍兵士が自爆自動車爆弾により殺された。
(訳=益岡 賢 「Falluja, April 2004 - the book」ブログより)
原文: US forces 'used chemical weapons' during assault on city of Fallujah (Independent)
http://news.independent.co.uk/world/middle_east/article325560.ece
『私は皮膚が溶けた患者を治療した』
インディペンデント
ダール・ジャマイル
2005年11月15日
アブ・サバハは何か異常な事態を見たのだと気がついていた。昨年の11月、バグダッド大学のグランドにできた難民キャンプに座って、ファルージャから逃れてきたり排除されたりした家族のために働いているとき、ファルージャのジョラン地区から来た住民が、もっとも激烈だった戦闘の模様を目撃したのだと話してくれた。
「彼ら(米軍/訳註)はキノコ雲のような煙をあげる奇妙な爆弾を使った」と彼は話した。「それらの爆弾の破片は大きな火の玉となって、火傷したところに人々が水をかけたあとでも、皮膚のうえで燃えつづけていた」のを彼は見たのだった。
エンベッド取材(米軍への同行取材/訳註)を拒否する1人のジャーナリストとして、私はファルージャから追い払われた住民たちと話すのに何時間も費やした。ファルージャ郊外のサクラウィヤ地区で働いているファルージャ出身の医者は、米軍による包囲期間中、「皮膚が溶けてしまった」犠牲者を治療したことを話した。
話をすることへの報復を恐れて、彼は名前をアハメド医師とだけ簡単に紹介するように求めた。「私が見た患者や遺体は明らかに炎をだす兵器で負傷していて、他には榴弾(りゅうだん)による負傷はなかった」と彼は言った。
レバノン放送公社(LBC)の仕事をしていたフリーランスのカメラマンであるブルハン・ファサア氏は、戦闘がはじまって最初の8日間のさまを現地で目撃した。「いたるところでクラスター爆弾(焼夷弾もその一種/訳註)を目にしたし、弾丸を受けずに燃えて死んでいる多くの遺体を見つけた」と彼は話した。「だから彼ら(米軍)は明らかに燃える兵器を使っていたんだ、特にジョラン地区では」。
ファサア氏は、自分の写真の2〜3コマをロイターに売ったものの、LBCの方は彼の提供するテープ(ビデオ)を放映しようとしなかった。彼は米軍兵士から撮影器具を取りあげられる前に、幾つかのテープを市外に密かに運び出していた。
焼夷弾の使用を秘密にしようとする米軍の企みとおぼしき場面を目にした者もいた。「アメリカ兵がファルージャのそばを流れるユーフラテス川に相当数の遺体を投げこんでいた」──市外に追放された住民の1人アブドル・ラザク・イスマイルが説明した。
2004年12月までファルージャで働いていたアハメド医師は、「ジョラン地区の中心部では、米兵たちが爆撃された民家をまるごと除去しようとしていて、その一方では、ほとんどの被弾した民家はそのまま放置されていた」と語った。
彼はブルドーザーが土壌をかき集め、さらにトラックに積んで運び出すところを見たと言った。米軍が「特殊兵器」を使用した特定地区では、爆弾が破裂した現場ごとに200平方メートルの土壌が除去されていたと彼は言った。
※筆者はエンベッド取材でなくファルージャから報道するジャーナリスト。
※インディペンデントのウェサイトに掲載された記事は次をクリック。
'Itreatedpeoplewhohadtheirskinmelted'
http://news.independent.co.uk/world/middle_east/article327136.ece
※『戦争を包むモヤ:白リン、ファルージャ、そして幾つかの論争点』は、次をクリック。この記事の関連報道である。
The fog of war: white phosphorus, Fallujah and some burning questions
http://news.independent.co.uk/world/americas/article327094.ece
訳者による補足
▼ファルージャでの隠された虐殺
(イラク情勢ニュースで紹介した関連記事の一覧あり)
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/2005_Fallujah-The_Hidden_Massacre.html
▼化学兵器および白リン弾に関して、ダール・ジャマイルの記事一覧
(ダール・ジャマイルの Iraq Dispatches)
http://dahrjamailiraq.com/weblog/archives/dispatches/000317.php#more
(訳=山本史郎 「イラク・レジスタンス・レポート」HPより)
白燐は「骨まで焼く」
英デイリー・メール
米軍はファルージャの戦いで白燐を使用した。そこで問う。なぜ化学物質がこれほどの論争になるのか?
それは骨の上の皮膚を溶かし去り、犠牲者の顎骨を破損させる。しかしヴェトナムでWillie Peteと呼ばれた白燐は、いまだ世界の軍事部門で使用されている。
ナパームと同様に砲弾や手榴弾に使われるこの化学物質は、30度前後で自然発火すると高温と濃い煙柱が生じる。
焼夷弾として使用されると、苦痛を伴う化学物質性火傷を起こし、火傷はしばしば致命的となる、と武器専門家は警告している。
さらなる問題は、衣服や皮膚に付着した化学物質の粒子が気付かれないまま、空気に触れて燃え続けることにより起こる。
多くの民間人が居住していたファルージャでの戦闘目撃者は、白燐による火傷が凄まじい苦痛をもたらしたと告発する。
この武器が幅広く使用されたおそれがある。標的が反対勢力をのみならず、民家や建物の急襲にも使われたとする懸念だ。
グローバルセキュリティorgの米軍情報専門家は、化学物質による火傷はしばしば「深く、苦痛を伴う」と述べた。
『一般的に火傷は広範囲かつ深く、程度は様々です。目に入れば重症。粒子は酸素の乏しい環境でも燃え続けます』。同社は武器の説明にこう記す。
『白燐はそれがなくなるまで燃え続けるため、これらの武器はとりわけたちが悪い。任務に就く者が白燐を浴びれば、即座に骨(に到達する)まで焼かれる』。
武器協定で禁止されている
敵方の位置を照らしだす目的での使用は可能であり、焼夷弾として敵軍に使用すれば効果的な守備軍需品となる。
とくに物質名を挙げて禁止されてはいないが、80年の通常兵器協定プロトコール3で民間人に対する砲弾としての使用、民間人のいる地域の軍隊への空爆攻撃としての使用は禁じられている。
英国ほか80カ国がプロトコール3に署名しているが、米国はしていない。
米軍は照明および米軍を覆う煙幕として、ファルージャ戦闘期間に化学物質を武器として使用したことを認めた。
米国が初期にイラクの都市における作戦行動で物質の使用を否定した事実が、民間人への白燐使用論争を暗にほのめかす。
化学物質は、ロシア軍も94年12月のグロツニー(チェチェン)の戦闘において広範囲に使用した。
米国政府の省のひとつ、Agency for Toxic Substances and Disease Registryは、煙の吸引における健康リスクに懸念を表明している。
この化学物質は、治癒しにくい口の傷が、実質的に顎骨を破壊するまで進む「燐顎」として知られる症状を起こすと考えられている。
(訳=kamenoko 「阿修羅」HPより)
原文:White phosphorus 'burns to the bone'
http://www.dailymail.co.uk/pages/live/articles/news/news.html?in_article_id=368800&in_page_id=1770
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【関連記事】
「米軍が化学兵器使った疑い」 タリバーンが非難
【イスラマバード29日=宇佐波雄策】アフガニスタンからの報道によれば、タリバーン政権のアッバス保健相とアフガン人医師らは29日、カブールで記者会見し、「米軍がアフガン空爆で化学兵器や劣化ウラン弾を使用している疑いがある」と語った。
空爆で負傷した患者らを治療しているワジリ医師は「12歳と15歳の少女と15歳の少年が空爆で負傷して運ばれてきた。3人とも外見は軽傷だったが、呼吸困難をきたしたほか、内出血し、数時間で死亡した」という。さらに同医師は「ほかにも同様の空爆犠牲者を診たが、いずれも呼吸困難と内出血が特徴だ」とし、「米軍が化学兵器を使用している疑いが濃厚だ」と言っている。アッバス保健相は「米軍はコソボで使った劣化ウラン弾をアフガンでも使っている疑いがある」と語った。(朝日新聞 2001/10/30)
米が国際法違反の化学兵器を開発
独のグリーンピース・マガジン、米国防省の薬物兵器開発による国際法違反を報道
【ハンブルグ発2002年9月24日】米国防省は国際合意である化学兵器条約に違反して、薬物を戦争兵器として開発している。ドイツのグリーンピース・マガジンと米独共同の軍縮推進団体、サンシャイン・プロジェクトによって確認された文書には、米軍が非致死性薬物を利用して精神作用および身体障害を誘発する薬物兵器を開発していることが明かされている。この研究プロジェクトの管理には、ヴァージニア州クアンティコの米海軍の部局、統合非致死性兵器局が当たっている。
どの薬物が兵器開発に適しているかの調査は2000年にすでにペンシルヴァニア大学の科学者によって行われている。サンシャイン・プロジェクトによると、兵器開発に適した薬物には鎮静剤のヴァリウム、抗鬱剤のプロザックなどが含まれている。さらにこの調査は、危険度の高い薬物、俗に“クラブ・ドラッグ”と呼ばれているものや、痙攣を誘発させる薬物、そして重大な副作用が知られていることから認可されていない薬物なども研究対象にすることを促している。このような「非致死性兵器(ノン・リーサルウェポン)」は化学兵器条約が定めている規定閾値に満たないため、開発が際限なくエスカレートしてゆく可能性がある。そうした事態になれば、アメリカ自身が1997年に批准している化学兵器条約の根幹を揺るがすことにもなりかねない。「アメリカの開発プログラムは催涙ガスやペッパーガスのレベルを遥かに凌ぐものです。催涙ガスやペッパーガスでさえも戦闘で使用することは禁じられているのです。」と英国サセックス大学の化学兵器専門家のダニエル・フィークス氏はグリーンピース・マガジンに語っている。
また、このような「ドラッグ爆弾」の投射装置の開発も進んでいる。米軍は2001年と2002年には、薬物を散布することが可能な擲弾類の実験のための、少なくとも5種類の軍事的および学術的開発プロジェクトに出資している。グリーンピース・マガジンによると、軍事企業のジェネラル・ダイナミックス社はすでに、命中の衝撃と同時に薬物を霧状に散布できる81m迫撃砲の開発に成功している。前述のダニエル・フィークス氏によると、開発された製品の射程距離が1.5マイル(1.8km)であることから、この投射装置は明らかに軍事利用を目的とされたものであると言う。フィークス氏は市街のデモや暴動に警察が動員された場合、必要な射程距離はおよそ10メートルから50メートルで充分だと語っている。
ヨーロッパの非致死性兵器特別調査委員会の設立者でもあるフラウンホッファー・化学技術研究所のクラウス・ディーター・ティール氏も、米軍の開発プログラムは非致死性兵器の合法的使用範囲を超えて行われていることを確認した。この特別調査委員会の10人のメンバーは戦争目的のための薬物の実験には関わっていない。
化学兵器条約の次回の会議はオランダのハーグで10月7日から開催される。サンシャイン・プロジェクトはこの会議に対し、アメリカへの国連査察チームの派遣を要請している。「現在の段階において違法な化学兵器開発はイラクよりも、むしろアメリカで行われているという証拠の方が多く挙がっている。」とサンシャイン・プロジェクトのヤン・ヴァン・アッケン氏はグリーンピース・マガジンに語った。(グリーンピース・ジャパン 2002/09/24)
アメリカはイラクに対して高濃度有毒ガスの使用を計画している
2003年3月3日
ボリス・ザイツェフ
ロンドン、3月3日(イタル・タス通信)−英国「インディペンデント」日曜紙によると、アメリカはイラクに対して「化学兵器の禁止及び破棄に関する国際協定」に違反する高濃度有毒ガスの使用を計画しており、これによって英米連合は分裂されるかもしれないという。
報告によれば、ペンタゴンはイラクに対して「精神異常作用」ガスの使用を検討しているという。米国海兵隊の代表は、CSガスとマスタードガスがすでに湾岸へ向けて送られていることを先週認めた。さらに、米国スティーヴン・ベイカー少将は、アメリカの特殊部隊は「ノックアウト」ガス(人間を無力化することで知られる)を装備していると同紙に語った。
もし米国の特殊部隊がそのようなガスを使用したら、ワシントンは、これらのガスの使用を禁止している英国との同盟関係を失うことになるだろう、と同紙は指摘している。
US planning to use highly toxic gases against Iraq
03.03.2003
By Boris Zaitsev
LONDON, March 3 (Itar-Tass) - The United States is planning to use highly toxic gases against Iraq in violation of the International Convention on the Prohibition of Chemical Weapons and on their Destruction. The British newspaper ''The Independent on Sunday" writes that this could split the Anglo-American coalition.
The Pentagon, it reports, is planning to use "tranquillising, controlling" gases in Iraq. A representative of the U.S. Marine Corps acknowledged last week that CS and mustard gases were already shipped to the Gulf. In turn, U.S. Rear Admiral Steven Baker told the newspaper that special American units were armed with "knock-out" gases, which are known to neutralize human beings.
If U.S. special units were to employ such gases, the newspaper points out, Washington will loose the backing of its British allies because London had banned the use of these gases.
Source: http://www.itar-tass.com/english/worldeng/216286.html
集団虐殺の隠ぺいチームを編成 米諜報機関がファルージャで
米軍による厳重な報道管制が敷かれているイラクのファルージャで、米軍が集団虐殺など犯罪行為を隠ぺいする工作を進めている。米軍は現在まで政治、報道関係者がファルージャに入ることを全面禁止している。15日付のヨルダンの週刊誌アッサビールが報じた。...(日刊ベリタ 2004/12/17)
米軍、化学兵器を無差別使用? 伊・国営放送がドキュメンタリー
【ロンドン=池田千晶】イタリアの国営放送「RAI」は8日、米軍がイラクのファルージャで無差別に化学兵器を使用したと非難するドキュメンタリー番組を放映した。英BBC放送も番組放映直後に伝えた。
番組は、「ファルージャ−隠された虐殺」のタイトルで放映され、白リン弾と新型ナパーム弾が使われたと指摘。米、イラク両軍がファルージャで反政府勢力の大規模な制圧作戦を行った昨年11月、「『白リン弾を使うので気を付けろ』という声を現場で聞いた」との元米兵士の証言を伝えた。
さらに、化学兵器が使われた証拠として、洋服は燃えていないのに体だけが焼けただれて変形した死体の写真などを紹介した。米軍はこれらについて否定している。
番組では、白リン弾の使用は戦場の照明用にのみ許されているにもかかわらず、武器として使われたと指摘。証拠を示すものとして映像も多数撮影されている。
イラクのタラバニ大統領は7日から5日間の日程でイタリアを訪問中。番組は、ベルルスコーニ首相と対談する直前のタイミングで放送された。
イタリアは、イラクに3000人の兵士を派遣している。長引く駐留に、国民の間からは撤退を求める声が強まっている。(中日新聞 2005/11/09)
米軍、イラクで「白リン爆弾」使用認める 「通常兵器」と
ワシントン──米国防総省は15日、昨年11月のイラク・ファルージャ大攻勢の際、高熱で人体を焼くことのできる白リン爆弾を武装勢力拠点に対し使ったことを認めた。イタリア国営放送(RAI)の報道を部分的に認めたものだが、白リン爆弾を市民にも無差別に使ったとするRAI報道は否定した。また白リン爆弾は化学兵器ではないと強調している。
国防総省のベナブル報道官は、見えにくい標的を浮き上がらせるなどのために白リン爆弾を使ったほか、武装勢力拠点に対して発火性の高い武器として使ったこともあると認めた。
一方で、「市民に対しては使っていない」と繰り返した。さらに、白リン爆弾は通常兵器で、米政府が批准している国際条約で禁止されているものではないと述べた。
ベナブル報道官は、陸軍機関紙の今年3〜4月号に掲載されたファルージャ戦記を報道陣に示した。ファルージャ戦に参加した士官や兵士たちが、戦闘法や使用武器・兵器について説明しているこの記事で、兵士たちは白リン爆弾は略号「WP(white phosphorus)」と呼び、「WPは効果的で使いやすい武器だった」「武装勢力を隠れ場所から引き出す作戦で使った」「塹壕やクモの巣状の穴に隠れている(武装勢力に)対する心理的武器としても有効だった」などと書いている。
米軍がファルージャで化学兵器を使ったとのRAI報道を受けて、イタリア共産党系などの団体がローマの米大使館前で14日、座り込んで抗議した。
米国務省は当初、白リン爆弾を敵対勢力に使ったことはなく、あくまでも「照明弾」や煙幕として空中に放ったのみだと公式サイトでコメントしていたが、後にこのコメントは誤りだったと訂正。その上で、「米軍はファルージャをはじめイラクのいかなる場所でも、違法な兵器は使っていない」と強調していた。
兵器として使われる白リン爆弾は、酸素に触れると高熱を発して黄色い炎となって発火し、濃い白煙を上げる。人体に触れると重度の火傷を引き起こす。(CNN 2005/11/17)
米軍:白リン爆弾の使用認める ファルージャ攻撃で
ロイター通信によると、米国防総省スポークスマンは16日、米軍が昨年11月、イラク中部ファルージャを攻撃した際、高熱で人体を焼く白リン爆弾を武装勢力に対し使用したことを認めた。
同スポークスマンは、民間人に対する使用については否定。この爆弾は条約などで禁止された化学兵器には当たらないとして、使用は合法的と主張した。
一方、英BBC放送(電子版)は同日、イラク人権省高官の話として、現地に調査団が派遣されたと伝えた。また、8日に同爆弾の使用を報じたイタリア国営テレビは、民間人が被害に遭った可能性を指摘している。
国防総省は、煙幕を張ったり、武装勢力を隠れ場所から追い出したりする目的で使ったと説明した。
ロイター通信によると、白リン爆弾はいったん火が付くと消すのは難しいという。特定通常兵器使用禁止制限条約の議定書は、人口密集地での使用などを禁じている。(ロンドン共同)(毎日新聞 2005/11/17)
国連が、アメリカ軍によるファルージャの化学兵器の使用を懸念しました。
ファールス通信が伝えたところによりますと、国連の副報道官が、アメリカ軍がイラク・ファルージャで住民に対し白燐弾を使用したこと、またその住民への影響について、国連の懸念を報告しました。
アメリカは、昨年、ファルージャの混乱を鎮圧するために、白燐弾を使用したことを認めました。
一方、イギリスのリード国防相も、16日水曜、イラク駐留のイギリス軍が白燐弾を使用したことを認めました。(IRIBラジオ 2005/11/18)
米国:白リン弾、無差別使用疑惑 イラク・ファルージャ「炎の雨が降ってきた」
◇骨まで焼き尽くす残虐兵器
米国が昨年、イラク中部ファルージャでの武装勢力との攻防の際、民間人に対し残虐兵器である白リン弾を使用した疑惑が浮上している。イタリア国営テレビが報じたのがきっかけだ。白リン弾は照明弾や煙幕に使われ、人体に触れると燃焼時の高熱で「骨まで焼き尽くす」といわれる兵器。米国防総省は「民間人への使用はない」との立場だが、「使用が妥当だったか調査すべきだ」と指摘する専門家もいる。【ワシントン和田浩明】
焼けただれ、溶けたような子供の顔。イタリアの国営ニュース専門チャンネル「RAIニュース24」は、11月8日、米、イラク両軍が昨年行ったファルージャ制圧戦で死亡した住民の衝撃的な映像を放映した。
◇民間に多数の犠牲
ファルージャでは、昨年3月に米軍雇用の民間人4人が武装勢力に惨殺された。怒った米軍は翌月、最初の大規模掃討作戦に乗り出したがイラク民間人にも多数の犠牲が出たため、国際社会からの非難を浴びて撤退。米軍は11月になって作戦を再開し、全市を制圧した。米軍の死者は同月だけでイラク戦争開戦以来最高の136人になったほど攻防戦は激しかった。
RAIによると、遺体の映像は現地で医師や住民が記録したもの。番組は、「炎の雨が降ってきた」といった住民の証言や、同作戦に参加した元米兵への取材を元に、米軍が無差別に白リン弾を使用し民間人が犠牲になったと告発した。
白リンは空気中の酸素と反応して激しく燃焼する。発生する熱は2500度を超え、大量の煙が出るため、照明弾や煙幕として長年戦闘に使われてきた。第2次大戦末期の沖縄戦では、米軍が洞くつ内の日本兵の追い出しにも使用した。
米国防総省はRAIの放送後「白リン弾は使用が禁止されている化学兵器ではない。ファルージャではあくまで照明、煙幕用に使用した」と説明。番組が白リン弾を化学兵器としたこともあり、同省は「イラク駐留米軍を不当に非難するプロパガンダだ」と反発した。
だが、今春、ファルージャ戦を特集した出版物の中で、米陸軍が、市内に立てこもる武装勢力を対象にした攻撃に白リン弾を使用したと指摘していたことが判明した。その中で陸軍は、「ざんごうなどにこもる敵に対して強力な心理効果を持つ非常に有効な兵器だ」などとした。
◇「武装勢力が標的」
これに対し、欧州のメディアから、「人に対して使用したことを隠ぺいしようとした」と非難が上がり、同省は武装勢力に対し使用したことを認めたが、民間人への使用は否定している。ペース統合参謀本部議長は11月29日の定例会見で、「国際条約が禁ずる焼夷(しょうい)兵器ではない。民間の被害が出ないよう注意を払っている」と説明した。
白リン弾は04年4月の掃討作戦でも使用されたことがわかっているが、同作戦に従軍取材した米カリフォルニア州の地元紙記者は「白リン弾を迫撃砲で市内に撃ち込んでいる米兵らは、標的が何なのか知らない」と報告し、白リン弾の無差別使用を示唆した。
米軍備管理協会のダリル・キンボール事務局長は「国防総省がきちんと調査することで、米軍に対する疑念を解くことができる」と指摘する。しかし、同省は毎日新聞の取材に「調査は考えていない」と回答している。(毎日新聞 2005/12/01)
白リン弾映像に反響
イタリアで放映 米のイラク駐留に批判
イラク中部のファルージャで米軍が国際法で禁止されている白リン弾を一般市民に使用したことを示す映像をイタリアの国営テレビTG3が昨年11月に放映し、大きな反響を呼びました。他の欧州諸国や中東諸国でも放映されました。
この映像はファルージャの医師ハディドゥ氏らが撮影した6本のDVDを編集したものです。イタリアでの放映直後、ドイツに亡命していたファルージャの「人権センター」のダラージ執行部議長が国営テレビTG3に招かれ、ローマで記者会見。「イラクは長い歴史と文化で栄えた国です。民主化以外に外国の軍隊はいりません」と強調しました。
同氏は米軍がファルージャでクラスター爆弾を1分間に25発の割合で投下したこと、障害児が多数生まれていることも明らかにしました。この記者会見には英国人を含む多数の記者が参加しました。
この映像がイタリアに伝えられたきっかけは「イタリア・イラク友好協会」がイラク代表団を招いたことでした。協会はイラクについての正確な情報を広めようと一昨年7月に発足しました。
協会はDVDを「殉教の町ファルージャ」として独自に編集。9月以降、革新諸党の機関紙祭りや「平和主義者たちの会」、地域のサークル「コムニタ・ディ・サンパオロ」、ローマ大学などで放映活動を行ってきました。放映は今年も続いています。
この活動を通じて、「バスタ・グエッラ」(戦争はもうたくさん)、「自由イラク」などの平和団体、友好協会との恒常的な協力関係が生まれました。1月半ばには革新県政ローマの県庁の一室にあふれんばかりの人が集まり、イラクの平和回復を願い、革新系諸党の国会議員を勇気づけました。(ローマ在住 上野幸子)
白リン弾
発火点が34度の可燃性猛毒物質白リン(別名、黄リン)を使用した残虐兵器。人体に白リンが付着すると皮膚や肉が焼け、気体を吸い込んでも致命傷になります。特定通常兵器使用禁止制限条約(1980年採択)の第三議定書は、物質の化学反応によって生じる火炎、熱などで人にやけどを負わすことを目的にした武器、弾薬について、民間人への使用や、人口密集地の軍事目標への空からの攻撃を禁止しています。
米国は条約本体は批准していますが、第三議定書は拒否しています。(しんぶん赤旗 2006/02/20)
イスラエル、レバノンでの白リン弾使用認める=地元紙
【エルサレム22日】22日付のイスラエル紙ハーレツは、レバノン南部の軍事目標に対して、イスラエルが白リン弾を使用したことを初めて認めたと報じた。
同紙によると、ヤコブ・エデリー政府・議会関係相が先週、政治家の質問に対して、イスラエル軍がイスラム教シーア派武装組織ヒズボラとの戦闘中に、地上の軍事目標への攻撃で白リン弾を使用したと答えた。
エデリー氏の広報担当者は同紙の報道を確認するとともに、AFP通信に対し、エデリー氏は、政治家から提出された質問に対する軍の回答を単に読み上げただけだと説明。そのうえで「これは同氏の個人的な見解ではない。軍がわれわれに語ったものだ」と述べた。
ハーレツによれば、エデリー氏はさらに、イスラエル軍は白リン弾について合法的な兵器であり、国際法で禁止されていないとの立場をとっていると指摘した後、軍は国際法の規則に従ってこの種の武器を使用していると述べている。
国際赤十字や人権団体はリン兵器について、化学兵器禁止条約(CWC)に基づいて禁止されるべきだと訴えている。また米国の指導者たちは、米軍部隊が2004年のイラク・ファルージャでの戦闘で白リン弾を使用したとの報道が昨年伝えられて以来、守勢に立たされている。〔AFP=時事〕(時事通信 2006/10/23)
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【関連サイト】
燃える雨、白燐弾 −米軍による白燐弾使用の実態についてのまとめサイト−
http://www6.ocn.ne.jp/~boogie/white_phosphorus_weapons.htm
人体の内側から焼く兵器、その名は「ウィリー・ピート」〜イタリアRAIニュース報道(Falluja, April 2004 - the book)
http://teanotwar.blogtribe.org/entry-3f16205b292bc9f07303103b2cb16af9.html
「イラク駐留米軍はファルージャで化学兵器を使った」イタリア国営放送がドキュメンタリーで証拠ビデオを放映(暗いニュースリンク)
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2005/11/post_27c0.html
US 'uses incendiary arms' in Iraq (BBC News 2005/11/08)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/4417024.stm
US forces 'used chemical weapons' during assault on city of Fallujah (Independent 2005/11/08)
http://news.independent.co.uk/world/middle_east/article325560.ece
U.S. Army publication confirms United States used incendiary weapon in Falluja (Raw Story 2005/11/09)
http://rawstory.com/news/2005/U.S._Army_publication_confirms_United_States_1109.html
UK used white phosphorus in Iraq (BBC News 2005/11/16)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/4441822.stm