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米軍は既に「アジアから撤退しつつある」。米政府の外交世界戦略は「孤立主義」に180度転回しつつあるという。
http://www.asyura2.com/0610/war85/msg/915.html
投稿者 TORA 日時 2006 年 10 月 21 日 14:20:48: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu130.htm
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米軍は既に「アジアから撤退しつつある」。米政府の外交
世界戦略は「孤立主義」に180度転回しつつあるという。

2006年10月21日 土曜日

◆日高義樹氏「米中冷戦が始まった」 10月19日 大紀元
http://jp.epochtimes.com/jp/2006/10/html/d25191.html

【大紀元日本10月19日】「第33回防衛セミナー」が(社)隊友会事務局の主催で6日午後、東京新宿の損害保険ジャパンビル本社講堂で行われ、グランドテーマ「日本の果たすべき役割と進むべき方向」を受けて、ハドソン研究所首席研究員・日高義樹氏が「米中冷戦が始まった」という演題で講演を行い、在日沖縄米軍海兵隊のトランスフォーメーションに関する戦略的意味、朝鮮半島と台湾海峡にコミットメントする米国防省の21世紀に関する考え方などについてその認識を述べた。

 日高氏は、ウィンター米海軍長官とワシントンで会談した経緯から、在日米軍の沖縄海兵隊が米国の戦略ではなく、地元沖縄住民の民意によってグアムに下がると説明、米軍グアム基地の戦略目標はあくまで、朝鮮半島、台湾海峡を臨むものであり、米国領内に下がった実戦部隊の海兵隊は、経費は日本側が潤沢に負担するものの、もはや「日米安保条約第5条」には縛られず、新しく条約を締結しなければ、日本有事の際には、議会の承認と大統領の同意がなければ出動できなくなったと警告した。

 また、横田の防空基地センターも国内からハワイ・ヒッカム基地に移転しており、唯一の実戦部隊である沖縄海兵隊もグアムに移った現状では、日本政府がいくら巨額の防衛経費を負担しても、「お金を払ったから、自動的に守ってくれる」というのは国際常識構図にはなく、国際的な戦略環境が大きく変化した現在、自国で防衛できる戦略的組織や国家安全保障の考え方を立ち上げなければこれに対応できないとの認識を示した。

 今回の安倍政権下に国家安全保障会議(NSC)ができたが、そのモデルとなった米国の現状について言及、この根拠となった米国家安全保障法は1947年12月25日に制定され、当時のトルーマン大統領が「CIAを運用してその助言の中心として考える」ものであり、「戦略的な大統領」と「情報機関を運用できる補佐官」がいなければ機能しないと説明、日本に戦略的な思考を持つ指導者と米CIAに代表されるような情報機関が二つ揃わなければ疑問であるとの認識を示した。

 中国はここ十数年、意図不明確なまま軍事力を拡大し続けており、米国防総省筋の情報によると、2007年には射程9000-10000kmの長距離核ミサイルを数百発、最大限700発を装備するとみられており、現在ミニットマン・ミサイル500発を保有する米国に対抗するもう一方の「軍事的スーパーパワー」に台頭し、2008年以降に台湾海峡を中心に緊張が高まるであろうと警告した。

 米ワシントン筋によると、ロドマン米国防次官補は、中国が北朝鮮に石油や食料のみならず、戦車やミサイルなど軍備も提供していることに焦燥感を持っているという。一方、ハードレー・米NSC大統領補佐官は、米軍事衛星の解析映像から中朝国境地帯の中国領内に中国陸軍2個師団が駐留していることから、もし金正日政権が崩壊したら、大量の難民が中国領内に押し寄せてパニックになるため、これらの部隊で平壌を制圧し、「中国は北朝鮮を呑み込む」であろうとの認識を示したという。

 日高氏は、極東における安全保障の問題点として、第一に「中国軍事力の台頭」、第二に「北朝鮮政権の悪意」、第三に特に重要なこととして「米国の国家的スタンス」を挙げた。現在のブッシュ・ドクトリンは、中東テロリストとの対決と石油が、その戦略目標となっており、既に「アジアから撤退しつつある」と指摘、米国民はこれまでの「国際的コミットメント」「自由貿易」に不満を持ちつつあり、米軍は海軍を強化、米政府の外交世界戦略は「孤立主義」に180度転回しつつあるという。

 日高氏は米国が孤立主義に立ち返りつつある要因として、新しく米国民になった東欧系の貧しい市民が「保護貿易」を訴えて共和党を支持しつつあること。そして、米FRB議長・グリーンスパン氏が米政府の意向を受けてここ数年ドル通貨を大量発行し、世界中で米軍が戦闘を開始した結果、このドル通貨が米国内の株式と土地に投資されてバブル景気となったが、その大量発行額52兆ドルの内、約50%は米国民1%の人しか恩恵を受けておらず、「現在の政策は間違っている」と認識する米国有権者の声が、2008年の大統領選挙に反映される可能性があることを指摘した。


◆黄文雄氏「東シナ海のシーレーンは、21世紀の中国にとっての生命線」 大紀元
http://jp.epochtimes.com/jp/2006/06/html/d94345.html

【大紀元日本6月22日】在留台湾人で「中国の没落」などの著作で知られる評論家の黄文雄氏は20日夕、東京大手町のサンケイプラザで「米中が激突する日」という演題で講演を行い、21世紀の極東地域、特に台湾海峡における米中の国際外交問題についてその認識を語り、その親日的で地球規模に及ぶ独自の視点は、日本人聴衆の拍手喝采を受けた。(中略)

台湾海峡の戦略環境については、中共軍は既に台湾を照準として800基以上の長距離ミサイルを準備しており、毎年70−80基を増強しているため、これから2−3年後には台湾を照準するミサイルは1200発を超えるのではないかと推算、中共当局による台湾への「恫喝」を譴責した。その侵攻の時期とシナリオについて、中国共産党の崩壊危機時が最も緊張が高まり「窮鼠猫を噛む」状態になる可能性があるという。中共崩壊の時期は、ソ連共産党の歴史が74年間であったことから見て、残り10年以内と推量した。

 また中共は政権維持のため「経済成長」を余儀なくされており、中南米、アフリカ諸国と形振り構わぬ資源外交を展開していると指摘、エネルギーを確保するために、日本や台湾以上に中東など西部地域からのシーレーンを確保する必要に迫られ、南アジアのパキスタンなどに軍港を築こうとしているのはこのためで、21世紀の中国は海外に進出しなければ活路がないのだという。

 日中関係については、中共当局が日本を「仮想敵国」に選択したのは、建国以来のことではなく、89年の「64天安門事件」以降だという。中共政権の創立当時の「愛国教育」に基づく仮想敵国は米国が最初で、次にインド、ベトナム、そして日本という風に変遷してきたので、いくら日本が「謝罪」しようと党の存立のためには関係がないのだという。中共当局の日本の次に来る「仮想敵国」は、人口の大きさと資源の国家的な需要からインドになる可能性が大きく、その時は日中関係が劇的に改善されると予測した。

 また米中関係については、中国が将来的に資源の問題、或いは台湾海峡問題で米国と衝突する場合になっても、米国は世界GDPの約30%、世界軍事予算の約50%を占める超大国であり、また世界戦略においても米国の同盟国が欧州連合や日本・韓国・台湾などの民主的で経済的に豊かな優等生であるのに対し、中国は北朝鮮などの世界各地の軍事独裁政権と結んでおり、両陣営の優劣は火を見るより明らかと指摘した。

 また極東の安全保障については、在日沖縄米軍の戦略的重要性を指摘、もし日本政府が米軍再編に窮する場合は、台湾政府が10兆円規模の予算を歳出して米軍の一部1000人規模の部隊を台湾に駐留させ、米国のプレゼンスを台湾に分散配置することも選択の一つとして安定につながるとの認識を示し、現在の台湾国民の安保上の「死活問題」は日本人より深刻であると表明した。


(私のコメント)
北朝鮮の核実験は日本の隣国の出来事でもあるにもかかわらず、株式市場をはじめとして国民の関心は「いじめ」による自殺事件の方が関心が大きいくらいで、日本の国防に関する無関心は長年の教育による成果だろう。ネットのブログなどを見ても国防や戦略に関するブログは僅かしかなく、質量共に欧米に比べると比較の仕様がない。

北朝鮮問題は米中の出方の探りあいの場であり、アメリカがこれ以上強固な手段が取れないと見れば、中国やロシアは金正日をけしかけて揺さぶりをかけるだろう。動けないアメリカは日本の核武装カードをちらつかせて中国を牽制するしかない。中川政調会長や麻生外務大臣の核議論発言はその関連の発言だ。だから中川氏と麻生大臣の首は跳ばない。

日本の各野党と自民党のハト派は時代に取り残されて、日本は自主防衛と核武装の選択をせざるを得なくなるだろう。アメリカが中東に全精力を注がなければならないから極東アジアは中国を封じ込めるためには日本を軍国化させる必要がある。さらには極東地域にもNATO加盟国が出来て集団防衛体制ができる可能性もでてきた。

中国やロシアを中心とする上海協力機構は極東のNATOに対する対抗勢力となり、EUと極東で中国とロシアは挟み撃ちにあうことになるだろう。EUにおいてはNATOが全面勝利してソ連は崩壊しましたが、今度は中国と極東NATOが対決構図する構想している。アメリカのトランスフォーメーション戦略は日本が極東NATOの中心にならなければならない。

中国はそのような構想を突き崩すために東アジア共同体構想を出してきているが、それが出来れば日本は孤立してアメリカもアジアから追い出されてしまう事になる。このように東アジアは非常に微妙な情勢であり、日高氏が指摘しているようにアメリカは外交戦略を180度転換して「孤立主義」政策をとるようになるだろう。

問題なのは60年続いた平和と反戦平和教育で平和ボケした日本人が日米安保に安住してしまって自立の精神を失ってしまっている事だ。アメリカも日本を統治する上ではそのほうが都合が良かったから非核三原則や護憲運動などで手足を縛ってきた。

しかしアメリカの国力が衰退してきて、アメリカにとっては重荷になってきている。だからトランスフォーメーション戦略が出来て、EUとアジアから兵を引いて中東に全兵力を集中させる戦略だ。その為にはEUのNATOと極東NATOがその穴を埋めなければならない。

ただ気をつけなければならないのはアメリカにもルーズベルトやクリントンのような親共産主義政権が出来て混乱する事だ。国内的な事情によるものですが日本はそれが読めずに大東亜戦争に引きずり込まれたり、バブルの崩壊でえらい目にあっている。2008年にはヒラリー・クリントン政権が出来て要注意なのですが、それまでに日本は戦略を固めておく必要がある。

台湾問題も日本には重要な問題ですが、アメリカのあいまい戦略は不可解な戦略です。戦後間もない頃と現在とは事情もかなり変わっているのですが、あいまい戦略には変更がない。朝鮮やベトナムのように手を出させては叩くと言う罠なのだろうか? むしろ台湾を独立させて極東NATOに参加させて集団安全保障体制を組んだ方が安定するだろう。

日本の現状としては極東の集団安全保障体制を築く事は遠い先のことのように思える。しかし北朝鮮の核実験などの思わぬ事態になれば日本はそれなりの対応策を打つ必要がありますが、日本には戦略構想プランを立てる部署も人物もいない。「日本に戦略的な思考を持つ指導者と米CIAに代表されるような情報機関が二つ揃わなければ疑問であるとの認識を示した。」と日高氏の記事にあるようにアメリカからも問題提起されるほどだ。

外国から見ればこのような日本は何を考えているのか分からず、不可解と思われると同時に馬鹿にされるだけだ。今までの日本の政治はアメリカから与えられる政策だけを実行してきただけなので、自ら政策を立てる能力がなくなってしまった。考える学者も数だけはいても世界的な学者はいない。大学教育からシンクタンクにいたるまで実質的に機能していないからだ。


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