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ところで、ただ唯一、領土の全面奪還・返還を将来的に期待出来るのは、ロシアの東西への再分裂の可能性だろう。現在の諸情勢は恰も昭和6年当時と酷似しており、恐らく来年2007年から10年間は世界は歴史的大混乱に陥って行くであろうと予想される。背景には、原油を巡る壮絶な争奪戦であり、通貨戦争の本格的な幕開けであろうと思われる。中国やインドの経済大躍進を背景に、新たな大規模油田の発見も追いつかずに、原油の2007年ピーク説も飛び交っており、そんな中で、今後とも原油価格の高騰は、紆余曲折はあろうが、大局的には次第に深刻化して行くであろうと予測出来るというものだ。
日本も国家や地方の財政破綻、産業国際競争力の低下、原油高騰を背景に貿易上の破綻が待っていると思われ、米国ですら例外ではなく、ドル崩壊の危機と隣り合わせであり、中国も国内的にも幾多の矛盾を抱えており、いつ暴発・爆発するかであろう。ロシアも原油高騰で外貨準備高も好調とは言いながら、人口減少問題、所得や地域間格差も深刻で、再度、経済と軍事との不均衡により、再分裂する可能性も予想される。因みに、旧ソ連邦の崩壊は、経済と軍事の両輪のアンバランスにあったと言えるが、再度、同じ道を歩んでいく危険性も残っている。
こんな近未来の情勢の中で、中近東で大混乱が発生した際に、ロシアがそれに巻き込まれ、東西への分裂の危機が襲来し、そして辺境の北方領土への関心が遠退いたときが、北方領土に対する何らかの行動を起こす唯一の機会であろう。もっとも、中近東が3分の2を占める大混乱の地域とはいえ、残りの3分の1は、恐らく、台湾海峡や朝鮮半島の北東アジアであろうと思われる。また日本も、ロシア以上に、原油供給の遮断、国家財政破綻などで、自らの足下に火が付くほど大混乱に陥っていくだけの脆弱性を抱えているのも事実である。とても、北方領土などへの関心すらも喪失するほどの大激動に巻き込まれて行くであろうと思われる。
しかしながら、こんな状況にこそ、大胆な行動が必至であり、この機会を有効に活用しなかったならば、それこそ、日本ないし日本民族は、国際感覚もなく、国際情勢にも音痴であり、腰抜け、腑抜け、間抜けとなって、後世に歴史的な後悔を残すことになろう。自らの国家防衛の意志も忘却し、他力本願の日本は、亡国の危機に突入し、世界的大激動からは二度と立ち上がれなくなって行くであろう。近未来のおける北方領土の奪還は、実に、田中角栄氏ほどの破天荒な行動力、外交力を有した政治家の登場であり、またその指導力を正当に評価できる国民性の変革が必須であり、更には激動の国際環境の到来でこそ可能であろうと思われる。
こんな過去に対する考察、そして近未来に対する洞察や先見などは、利害関係者が見ている中で公開するものでもないが、どうせ、当方の資源・エネルギー問題に対する提言すらにも、危機感も関心も感動もない故に、北方領土問題を取り巻く国際環境の展望にも関心も理解もなく、ましてや実行力もないものと思うからこそ、荒唐無稽、夢物語として受け止められることを承知で指摘させていただいた次第である。この当方の見解や洞察も、後世の歴史家が解明していくことであろうと期待するものだ。