★阿修羅♪ > 戦争85 > 901.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
ところで、今や国際的な情勢・環境は大きく様変わりした。未だに、有識者の間では、東西冷戦の終結などと言っている者も多いが、今や新興国家BRICsと言われるように、原油高騰を背景に、ロシアが強国として復活し、新たな米ロ冷戦が米中冷戦と併行して始まった。中国とロシアは上海機構で、経済と軍事力両面で同盟関係を構築し、経済的台頭と共に軍事力の増大に見られるように、新たな中ロ対米国との冷戦構造が復活しつつあると言える。
つぎのチャンスには大胆に行動せよ
この新たな冷戦構造の背後には、地政学的には、大陸国家群と海洋国家群との対峙であるが、根底には原油を巡る壮絶な資源・エネルギーの争奪戦であり、その原油の決済を巡るドル、ユーロ、そしてルーブルなどの通貨覇権戦争でもあろう。そこで、単純に考えても、世界的大動乱の中核地として、世界の原油資源の3分の2を占める中近東が、世界激動の3分の2を占めて行くであろうと容易に予測出来るものだ。
こんな国際情勢を背景に、北方領土を取り巻く環境も、新たな冷戦構造の復活と共に、軍事戦略的にも地政学上の重要性も復活し、更に二つの面で大きく変化した。
一つは漁獲資源である。漁獲資源も、以前ならば、世界は大して関心もなかったが、今ではロシアを始め中国、韓国など近隣諸国が多大な関心を示し、豊富な漁獲資源が存在する北方領土周辺の海域は、漁獲資源の争奪戦場と化してしまい、平和的外交交渉による領土返還の可能性は、以前よりも増して遠退いてしまったようだ。
もう一つは地下資源である。今やサハリンの豊富な天然ガスや原油もさることながら、その近隣地域の千島列島やカムチャッカ半島に至る火山群島までが、豊富な地下資源が存在することも解ってきている。その中で、北方領土には、火山という性格上、豊富な地下資源が存在することが次第に解ってきた。既にロシア側は、火山内部の豊富なレアメタルの存在を知り始めており、その面からも、日本側の情勢音痴のノー天気なお題目一辺倒の要求も、既に限界に達したと思われる。このままでは、平和的解決が可能であったとしても、良くて共同管理であろう。
当方も政府当局や関係諸機関に、画期的な火山灰利用技術の紹介や、火山灰及び火山を巡る国家プロジェクトとして、日本が有力な資源・エネルギー国への大転換を実現する30数万字に上る大論文の著作「新日本列島大改造の実践に向けて」を、今年初頭に提示したが、全くの無関心である。実に、自ら率先して思考し判断し行動することもない横並び思考で、実質的な内容よりも形式に囚われ、危機意識も喪失した日本人特有の国民性であろうか。危機が具体的に顕在化するまで、即ち、追い詰められてどうしようもなくなるまで、先見性や戦略性を有して行動しないし、気付かない国民性であろうか。当方の提言も、米国当たりから多大な関心を持たれてくることを期待したいものだ。そうでなければ、世界は壮絶な原油争奪戦争に突入するは必至だろうと思われる。