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アメリカがイラク政策の見直しか [イラク情勢ニュース]
http://www.asyura2.com/0610/war85/msg/845.html
投稿者 white 日時 2006 年 10 月 19 日 16:43:22: QYBiAyr6jr5Ac
 

□アメリカがイラク政策の見直しか [イラク情勢ニュース]

▽アメリカがイラク政策の見直しか (1)

 http://geocities.yahoo.co.jp/gl/uruknewsjapan2006/view/20061018/1161160071

2006年10月18日(水)

アメリカがイラク政策の見直しか (1) 2006/10/18
■米国、諮問委員会がイラク政策の変更示唆
 ロサンゼルス・タイムス(10月16日付)は、共和・民主両党の合意で議会が設置し、ブッシュ大統領も推薦している諮問委員会が現在のイラク政策を見直す代替案を検討していると報道した。

Panel to Seek Change on Iraq
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-planb16oct16,0,4775251.story?page=2&coll=la-home-headlines

 報道によると、有力な選択肢として検討されている代替案は2つあり、1つは、『再配置と抑制Redeploy and Contain』と呼ばれる、米軍兵力を段階的に撤退させる案で、米軍をイラク国外の基地に再配置して中東地域のテロ組織への攻撃を可能にするというもの。
 もう一つは『安定優先Stability First』と呼ばれる案で、イラク政府が進める各勢力の和解政策を促進し、反政府勢力を政治プロセスに参加させるために隣国イランとシリアをも交渉に引き入れるという案である。
 ブッシュ政府の現在の政策は、バグダッドの治安改善とイラク人治安部隊の育成、諸勢力の政治的合意作りに圧力をかけることに重点を置いており、上述の2つの選択肢は現在のイラク政策を見直すことを意味する。
 この諮問委員会は現大統領の父親である老ブッシュとも親密な長期のつきあいがあるベーカー元国務長官を委員長にして、イラク研究グループという名称で今年3月に設置さた。9・11テロ攻撃調査委員会共同議長のリー・ハミルトン議員、元最高裁判事サンドラ・デイ・オコナー、ロバート・ゲート元CIA長官などが参加している。
 発足の当初は、現在進めている(進めてきた)イラク政策に共和・民主両党の支持をとりつける提案がなされることを政府は期待していたが、その後の宗派主義暴力があまりに悪化しすぎたことから、政府内にも代替案を受け入れる者が出てきているという。
 諮問委員会のあるメンバーは、「(現行のイラク政策が)機能していないなら、別の方策を採用する」と語っており、11月の中間選挙後に正式に提案される予定という。
(つづく)


作成者 山本史郎 : 2006年10月18日(水) 17:50 [ コメント : 0]


▽アメリカがイラク政策の見直しか (2)

 http://geocities.yahoo.co.jp/gl/uruknewsjapan2006/view/20061018/1161160901

2006年10月18日(水)

アメリカがイラク政策の見直しか (2) 2006/10/18
■現行イラク政策に重大な変化
 他の通信社、新聞社の報道を総合してみると、ロサンゼルス・タイムズの報道には、他にも幾つか注目すべき点がある。
 まず、ブッシュ親子のイラク政策に大きな影響力を持つといわれるベーカー元国務長官だが、最近、幾つかのテレビ番組にも出演している。あるインタビューでは、彼は米軍の早期撤退を支持しないと述べたが、イラクをスンニ派アラブ、シーア派、クルドの3つの国に分割する提案にも賛成しないと語った。
 3分割案については、ベーカー国務長官がその計画の黒幕的な存在だとする見方もあるだけに、3分割の計画を変更するということなのかどうか、今後の観察が必要だろう。
 ちなみに、AFP通信の報道によると、ブッシュ大統領も16日、ホワイトハウスでフォックスTVのインタビューに応じて、イラクをクルド人、シーア派、スンニ派の地域に分割することは混乱を増すという理由で反対を表明した。

Bush opposes three-way partition of Iraq: TV interview
http://news.yahoo.com/s/afp/20061017/pl_afp/usiraqbushpoliticsiran

 現在のイラク政府内におけるシーア派勢力に対する影響力として、イランを無視できなくなっているのはアメリカの誤算だったかもしれない。同時にそれはイラク政府に対するアメリカの圧力を強めよという意思表示でもあろう。
 イラク内務省は最近、警察内に浸透した民兵出身者が犯罪、文書偽造、人権侵害その他に関与したとして、警官3000人以上を解任し、2つの師団司令部も解体、全旅団を国家警察の直接指揮下に編入するという警察再編を発表した。

More than 3,000 Iraqi police sacked: ministry spokesman
http://news.yahoo.com/s/afp/20061017/ts_afp/iraqsecurityunrest

 イラン帰りのシーア派勢力を基盤とするマリキ首相は、シーア派民兵の解体や警察内の暗殺チーム摘発には、これまでなかなか手をつけられずにきた。そうしたマリキ首相と内務省に対して、米国政府から強い圧力があったことをうかがわせる。
(つづく)


作成者 山本史郎 : 2006年10月18日(水) 17:51 [ コメント : 0]


▽アメリカがイラク政策の見直しか (3)

 http://geocities.yahoo.co.jp/gl/uruknewsjapan2006/view/20061019/1161222451

2006年10月19日(木)

アメリカがイラク政策の見直しか (3) 2006/10/19
■アメリカはイラクで勝利できない
 『再配置と抑制』案は、イラクにおける政治プロセスの進展度合いを条件とすることなく、段階的にであれ撤退の可能性を示唆する内容でもあり、これは従来のイラク政策からの大きな変更・転換といえる。これまでアメリカ政府はブッシュ大統領をはじめ、イラク人治安部隊が確立されるまで撤退しない、あるいは任務達成まで撤退はないと繰り返した主張してきていた。
 ベーカー諮問委員会の検討内容につして最初に報道したのは、ロサンゼルス・タイムズ(16日付)よりも早いニューヨーク・サンの10月12日付報道であった。この記事では米軍がイラクでの勝利をあきらめたのかと思わせる指摘もある。

Baker's Panel Rules Out Iraq Victory
http://www.nysun.com/article/41371

 『再配置と抑制Redeploy and Contain』案は米軍がいつ、どこへ再配置されるのかについてはまだ触れてないものの、段階的撤退を提案している。ニューヨーク・サンの電話取材で読み上げられた文面には、アメリカは「同盟諸国その他に、米軍の再配置はテロリストがどこにいようと攻撃するという決意を後退させるものではないことを明らかにする」べきであると書かれているという。そして、アメリカの最優先課題はイラクにおけるアメリカ兵の犠牲を減らすことであるべきだとも。
 つまり、ここでは既に「勝利」をあきらめたような雰囲気が感じられる。
 米軍がイラクに永久基地建設をすすめてきたことは、日本で報道されることは少ないが秘密の計画ではない。

http://www.geocities.jp/uruknewsjapan2006/0604_Permanent_US_Bases.html

 イラク国外への米軍の「再配置」というのは、永久基地建設計画の放棄という事態も想定していることをうかがわせる。
 同じくニューヨーク・サンの報道によると、もう一つの選択肢である『安定優先Stability First』案では、もっと直截な表現として、「アメリカ合衆国は勝利よりも、特にバグダッドの安定とイラクでの政治的適応を目標とするべきだ」と書かれているという。「イラクでの勝利」という言葉はそこにない。
(つづく)


作成者 山本史郎 : 2006年10月19日(木) 10:48 [ コメント : 0]


▽アメリカがイラク政策の見直しか (4)

 http://geocities.yahoo.co.jp/gl/uruknewsjapan2006/view/20061019/1161222685

2006年10月19日(木)

アメリカがイラク政策の見直しか (4) 2006/10/19
■「ならずもの国家」を交渉相手に認める
 『安定優先Stability First』が、シリアとイランを交渉相手として認めている点も、多くの者にとっては驚きかもしれない。そこにアメリカがイラクで苦戦しているという実情が如実に反映されている。
 両国とも歴代のアメリカ政府から長期に「ならずもの国家」と名指しされ、イランはイラク、北朝鮮とならんで「悪の枢軸」とさえ呼ばれた国である。その両国を交渉相手として認めざるをえないという苦境があるわけだが、それにしてもこれが実行されるならアメリカの外交政策にとっては大きな変化となる。
 ロサンゼルス・タイムズによると、イラク研究グループ(ベーカー諮問委員会)の顧問の1人で元アフガン特使のジェームス・ダビンスは、その変化を、「彼らを引き入れるには、民主主義の問題を強調することを止め、安定と領土保全の問題を強調することを始める必要がある」と指摘した。
 さらに彼は、個人的な見解とことわったうえで、「政権転覆について語ることを止める必要がある。イラクの安定とイランおよびシリアの不安定化を同時に考えることは理性的ではない」とも語った。
 はたして、アメリカがこれらの国に対する敵視政策を根本的に見直すかという点では疑問も残るが、そのような検討がされているという事実はアメリカの従来の対外政策が完全に行き詰まっていることを物語る。
(おわり)


作成者 山本史郎 : 2006年10月19日(木) 10:51 [ コメント : 0]


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